対中関税を保留するとの報道を米国政府が否定  米中通商協議は混迷の一途

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今月末のG20を前にして報道が錯綜しています。USTRの報道官が英紙Financial Timesの報道内容を否定しました。これに先立ち、FT紙は中国との通商協議再開を受けて、USTRのLighthizer代表が関税措置を保留していると報道しました。米中通商協議の先行きは”長い道のり”となりそうです。

ライトハイザーUSTR代表、対中関税保留発言報道を否定
11/16(金) 6:44配信 ロイター

 [ワシントン 15日 ロイター] – 米通商代表部(USTR)の報道官は15日、ライトハイザー代表が中国との通商協議再開を受け、新たな関税措置を保留していると語ったと伝えた英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の報道を否定した。

 FT紙は匿名の関係筋の話として、ライトハイザー氏が一部の業界幹部に対し、通商協議が進められる中、米政府は中国製品に対する新たな関税措置の導入を保留していると明らかにしたと報じた。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181116-00000012-reut-cn

USTR報道官がFTの報道内容をいち早く否定

そんな報道ありましたっけ?

俺も初めて聞いた。まず元記事の方を知らないっていう。

英FTの報道については、こちらの記事が今朝配信されたばかりです。大きく広まる前に、USTR報道官がいち早く否定した形になります。

米、新たな対中関税措置発動を保留 協議再開受け=英FT紙
11/16(金) 5:29配信 ロイター

 [ワシントン 15日 ロイター] – ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が一部の業界幹部に対し、米中通商協議が進められる中、米政府は中国製品に対する新たな関税措置の導入を保留していると明らかにした。英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙が15日、匿名の関係筋の話として報じた。

 中国商務省はこの日、米中が通商問題を巡るハイレベル協議を再開したことを明らかにしている。

 トランプ政権はこれまでに2500億ドル相当の中国製品に対する輸入関税措置を発動。トランプ氏は米国の主張を中国が受け入れなければ、新たに2670億ドル相当の中国製品に対する関税措置を発動させる意向を示している。

 FT紙の報道についてUSTR報道官からコメントは得られていない。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181116-00000008-reut-cn

ロイターのこの記事が5:29で、冒頭のロイターの記事は6:44か。わずか1時間余りで否定したことになるね。

どっちもロイターさんだったんですね!振り回されてますね・・・。

FTは日経系列だったと思うんだけど、どうしてこんな話が出てきたんだ?まさか米国の親中派だけに取材して記事を書いたのか?

中間選挙の前後から、報道が錯綜する回数が増えていると感じます。トランプ氏も米国内の報道機関には神経を尖らせており、先日もCNN記者に対する措置が大きな問題となりました。日本の記者に対して理解できないという発言をしたのも、過敏になっていたことの表れかと思います。

あったな…。民主党が大した成果を残せなかったので、マスコミも焦ってるのかもしれないね。

ボクは、トランプ大統領が怒りっぽくなるのも分かります!だって事実と違う報道ばっかりされたら、ストレスが溜まってしまいますもん!

まあやり方がちょっと問題あったと思うけど。先日のブルームバーグのフェイクもそうだし、米国内の親中派が本気で焦ってるんだと思う。ここで通商協議が行なわれないようだと、もう解決策が見いだせなくなってしまうからね。

中国に態度改善の意思が見られれば協議進展も

実際の所は、G20では通商協議は行なわれるんでしょうか?

会期までは2週間ほどありますので、現在詳細事項を詰めている段階かと思われます。中国側に態度改善の意思があれば、通商協議もそれに応じたものになるでしょう。繰り返しますが、通商問題では100%中国側に非がありますので、米国としては中国の出方を待つのみです。

こんな記事があったんです!中国も譲歩する姿勢を見せてるみたいです。

中国当局がトランプ政権に譲歩案説明、G20前に
11/15(木) 9:10配信 Bloomberg

 米中両国が貿易戦争の解決に引き続き取り組む中、中国当局者がトランプ政権に一連の譲歩案を説明した。事情に詳しい関係者3人が明らかにした。

 関係者2人は譲歩案について、トランプ大統領が要求する大規模な構造改革には現時点で至っておらず、交渉で長い道のりが残っていると説明した。関係者1人は協議が続いており、建設的だと述べた。

 これら関係者の1人によると、この結果、11月30日、12月1日の両日にアルゼンチンで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて予定されている米中首脳会談で、トランプ大統領が幅広い合意をまとめるのは難しいとの見方が浮上した。

 譲歩案の大半は、外国投資家の一部業界への株式投資制限の緩和など、中国が既に行った改革の焼き直しだと関係者の1人は述べた。「中国製造2025」など米政府が求めている中国の産業政策の変更は盛り込まれていないという。

 米財務省の報道官に電子メールでコメントを求めたが返答はなかった。中国外務省にもファクスでコメントを求めたがこれまでに回答はない。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181115-40637244-bloom_st-bus_all

何だこりゃ。全然ダメじゃん。米国は「中国製造2025」などの政策を変更するよう求めてるのに、中国はこれまでの政策の焼き直ししかしないとすでに書かれてる。トランプが求めるような譲歩案を提示しなければ、通商協議も流れてしまうかもしれないぞ?

これでは態度改善の意思があるとは見なされませんので、G20での合意に至ることは残念ながら難しいものになるでしょう。“長い道のり”という表現にそれが表れています。

中国は何を要求されているかを全く理解しておらん。けしからん話じゃのう。

あの、協議が続いていて建設的だとも書かれてるんですけど、どっちが正しいんでしょう?

まあ”建設的”になるべきなのは中国の方だよね。中国が政策の焼き直しというごまかしで事態を突破しようとしてるから、もっと前向きに考えろという米国の圧力だと俺は解釈している。

米国の価値観が中国に伝わりにくいと感じる場面が多い

いつも思うんですけど、アメリカの皆さんが言う挑戦とか、話し合いの余地があるとか、そういう表現って日本人が思うのとちょっと違うと思うんです!

挑戦、つまりチャレンジだな。某学習教材でも有名な。

英語のchallengeには競争的な意味合いが強く、日本で頻繁に使われる”試験に挑戦する”といったような用法はあまり見られません。学習教材の名称で有名とのことですが、少なくとも正しい英語を学習することに関しては”長い道のり”となるでしょう。

長い道のり=困難って使い方も、日本人としてはやや違和感があるね。長い長い道を歩いて、大きな成果を残すという前向きなニュアンスが困難という単語からは感じられないから。

そうですね。その辺りの微妙な意味合いの差も、外交における不協和音の原因となるかもしれません。中国側がいつまで経っても反省と改善の姿勢を見せないのも、米国が言うところの”話し合い”が何を意味するのかが上手に伝わっていないことが理由かもしれませんね。

そうなんだ?確かに”話し合い”って言うと何だか対等な立場に聞こえるよね。でも実際は対等じゃないという。何と表現すればいいんだろう?

「説教」の方が近いのでは?

なるほど。説教か。米国は中国にG20で”説教”をする機会を持とうとしているわけだ。まあ米国での説教も日本とは意味合いが異なるのかもしれないけど。

繰り返しますが、G20の会期まで2週間ほどあります。来週になればもう少し詳しい状況が分かってくるかと思いますので、現段階でそこまで確定的な報道は出てこないのも仕方がありません。トランプ氏の発言が何よりも重要です。

トランプは今度はフランスにあれこれ言ってんのか…。話題の尽きない大統領だな。

でも、それだけ世界から注目されてるってことですよね!良くも悪くも影響力のある人なんだなと感じました!

“良くも悪くも影響力のある人”か…。確かにそうだな。米国の大統領は人がいいか悪いかじゃない、影響力があるかどうかがすべてなんだね。世界1位の国家を支えるだけのパワーを持つ人、それが大統領にふさわしい素質なんだろう。ひとまずは来週からの動きに注目しておこう。