この動画は、東南アジアがなぜ中国を選んだのか、そしてアメリカを中国が地域で追い越す可能性があるのかについて解説しています。東南アジアは世界で最も可能性を秘めた地域であり、同時に現代のグローバルトレーディングハブに発展するために必要な交通網、エネルギーグリッド、デジタルインフラストラクチャを欠いています。アジア開発銀行は、この地域が2015年から2030年までにインフラニーズを満たすために3.1兆ドル以上の投資が必要だと推定しています。
中国は、ほぼすべての国で最大のパートナーであり、東南アジアの未来に大きな影響を与えるでしょう。2013年に始まった一帯一路イニシアチブ（BRI）は、中国の投資の素晴らしい機会であり、ASEAN諸国が自国の経済を発展させるための機会でもあります。中国は2009年以来、ASEANの最も重要な貿易パートナーであり、2022年10月時点で、中国とASEANとの間の双方向の商取引は既に5.26兆円に達し、中国の総輸出入の15.2％を占めています。
マレーシアは、BRIの開始からわずか3年後に中国からの投資が驚くべき1000％増加し、過去10年間で最大の受取国でした。東海岸鉄道リンク（ECRL）は、現在建設中の巨大な270億ドルの鉄道メガプロジェクトで、国の東海岸と西海岸を結びます。完成すれば、国内の接続性を大幅に向上させ、貿易やその他の経済交流を促進します。
しかし、このプロジェクトは世界史上最大の金融スキャンダルの一つに関連しており、その論争があります。マレーシア・中国クアンタン工業団地は、マレーシアで最も成功した中国支援プロジェクトの一つで、2013年に国の東海岸で開業しました。これは、異なる国にある最初の姉妹工業団地であり、国際協力の新たなモデルを開拓するのに役立ちました。開業以来、大規模な外国投資を引き付け、国際貿易を促進しました。200以上のプロジェクトが署名され、総投資額は250億ドルを超え、数万の地元の仕事が創出されました。
中国との深い関与は、東南アジア全体で見られます。インドネシアでは、中国がジャカルタ-バンドン高速鉄道を建設しています。この8億ドルのプロジェクトは、国内最大の2つの都市を結び、移動時間を3時間半から36分に短縮します。このプロジェクトは、国内での中国の旗艦プロジェクトであり、2,000人の地元の労働者を雇用しており、今年開業予定です。
インドネシアは、中国がアジアのメンバー国で設立した8つの海外工業団地のほぼ半分をホストしています。インドネシア・モロワリ工業団地のような団地では、43,000人の労働者が働いており、そのうち90％近くが地元の雇用者です。インドネシアは、未発達のインフラ、低い人間資本、不利な規制環境に悩まされてきた国で、これらの問題がインドネシアをグローバルな貿易ハブにすることを阻んできました。
しかし、中国の資本が救済策となり、現在では中国が最大の貿易パートナーであり、最大の外国投資家となっています。東南アジア全体で見ても、国のニーズと目標、そしてBRIが提供するものとの間に完璧なシナジーが見られます。BRIのプロジェクトは受け手側が主導するもので、受け手の国が資金を求めて中国に接近するのです。
しかし、西洋メディアは、中国が地域で達成した成果を信用しないために何でもするでしょう。例えば、ラオスは、アメリカが1964年から1973年までに200万以上の爆弾を投下したことで、史上最も爆撐された国という不運な評判を持っています。しかし、新たに中国が建設した鉄道リンクは、ラオス全土を通過し、ラオスに地域貿易を拡大するチャンスを与えます。これはラオスにとって絶対的なゲームチェンジャーであり、これが真実の報道であるべきです。
ミャンマーもまた、中国から大きな支援を受けている東南アジアの小国の一つです。チャウピュウ港は、中国・ミャンマー経済回廊（CMEC）の旗艦プロジェクトであり、一帯一路イニシアチブの最も重要な取り組みの一つです。中国はこのプロジェクトの総投資額の70％を資金提供し、ミャンマーが残りの30％を提供しています。完成すれば、この港は中国がインド洋に入る主要な入口となり、ミャンマーが中国の急成長する経済に接続するポイントとなります。
しかし、これらのプロジェクトが素晴らしく聞こえ、中国とその隣国との関係が健康であるように見えても、全てが順調なわけではありません。批評家は、多くの東南アジア諸国で中国の増大する経済的存在に対する懸念があることを指摘するでしょう。しかし、この不満の理由は、皆さんが思っているよりも驚くべきものです。
実際、そのようなケースでは、皮肉なことに、不満は中国の行動によるものではなく、受け手の国の行動によるものでした。例えば、先ほど触れたマレーシアの中国資金プロジェクトは、大量の公的批判を受け、最終的にはマレーシア政府によって一時停止され、その条件が再交渉されました。しかし、その原因は一般的に想像されるものではありません。
実際、このプロジェクトは、マレーシア政府の高官、特に当時の首相ナジブ・ラザクによって、国の主権富裕層基金が組織的に着服されたという、世界最大の金融スキャンダルである1MDB汚職スキャンダルに巻き込まれました。このスキャンダルは、世界中の個人や企業が関与するグローバルな影響を持ちました。
短く言えば、ラザク首相と他の高官は、鉄道や他のプロジェクトのコストを過大評価し、その資金を富裕層基金の巨大な債務の返済に使用しようとしました。つまり、このBRIプロジェクトは、偶然にも地元の犯罪に巻き込まれ、中国が便利なスケープゴートとして使われたのです。
次の首相、マハティール・モハマドは、このスキャンダルとクラシックな債務トラップのナラティブを利用して、2018年にラザクを打倒しました。しかし、モハマドは当初、ECRLや他の主要なBRIプロジェクトをキャンセルしましたが、より良い取引を再交渉した後、これらのプロジェクトをすぐに復活させました。
モハマドは、これらのBRIプロジェクトを巡る論争について次のように述べています。「これは我々自身の愚かさです。これについて中国を非難することはできません。」彼はまた、一帯一路イニシアチブについて次のような非常に明らかな洞察を共有しました。「最初は、BRIが中国がASEANとアジアを支配するためのものだと思っていました。しかし、今では、このイニシアチブが中国だけによって支配されているわけではないことを理解しています。提案は中国だけでなく、他の国々からの意見も含まれています。これはすべての関与する国々による創造物になるでしょう。私はより理解しており、これが私たちがそれを支持するのを容易にしています。」
これは非常に特異な洞察であり、西洋メディアでは決して聞くことができません。全体として、マレーシアの鉄道プロジェクトは、マレーシアがBRIを一貫して受け入れてきたこと、そしてマレーシアの政府高官による大規模な汚職スキャンダルの最中でさえ、マレーシアと世界中の無数の他の国々が、自国の経済の発展と近代化における中国の不可欠性を深く理解していることを明確に示しています。
コメント欄の意見：
Felix Biohさん：アフリカ、ラテンアメリカ、南アメリカ、南アジアの国々は、食料、インフラ、教育、雇用機会などの基本的な問題を重視しており、それが彼らが中国と連携する理由です。一方、アメリカとNATOは安全保障上の懸念を抱いています。
K. Sagzeeさん：私はウガンダに住んでいますが、中国企業が現地労働力を使って道路を建設しています。建設（中国）は破壊（アメリカ/NATO）よりも重要です。
Jack Chiuさん：ASEAN諸国は中国との貿易によって繁栄し、2020年にはインドのGDPを上回りました。そのため、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドも繁栄を享受するために地域包括的経済連携（RCEP）に参加しました。
Ken Behrensさん：中国は貧しい国々がインフラを整備するために必要な開発資金を提供しています。ダム、道路、橋、鉄道、通信、港湾などの建設を支援しています。Chatham Houseは「負債の罠」は存在しないとし、受け手国がBRIのイニシアチブを形成していると述べています。
Peter Lynchさん：Cyrus Janssenさんの中国に対するポジティブな視点を示す努力に感謝します。無視される可能性があるとしても、その取り組みは称賛に値します。
thulomanchayさん：マレーシアの東海岸鉄道（ECRL）は、マラッカ海峡が封鎖された場合の代替ルートとしての役割を果たしています。アメリカが中国を標的とするテロ行為を行う可能性が懸念されています。
Jay Tanさん：マレーシアにおける中国のアプローチは、断固としているのではなく、国が自身の道を見つけるためのスペースと時間を与えています。状況をより良く理解するためには、さらなる情報が必要です。
JVS 3さん：アメリカは国が自らの選択をする自由を主張していますが、選択がアメリカではない場合には介入が行われます。
John Zoetebierさん：西洋の「開発援助」を拒否した国々が成果を上げている一方、援助を受けた国々は取り残されています。開発援助はエリート層を贈収賄して西洋の利益を優先させる手段と見られています。
Siew Kon Sumさん：中国のアプローチはビジネス、プロジェクト、開発、雇用創出、繁栄に焦点を当てており、他国に対してトラブルを引き起こすことや説教をすることはありません。
Part-time Thinkerさん：最初は中国の取り組みに懐疑的でしたが、COVID-19パンデミックのおかげで中国の貧困削減やインフラプロジェクトに対する注目が増えました。中国の共同繁栄への取り組みは称賛に値します。
R. Arya Tatag S.さん：インドネシア人として、公共インフラへの税金の利用に感謝しています。中国のBRIはASEAN諸国の台頭への希望を与えています。
Stephen Tanさん：中国はマレーシアの政治情勢に対して忍耐強く対応しており、国が自らの道を見つけることを許しています。現在の政府（アンワル・イブラヒム率いる）は今までで最良とされています。
Tio Min huiさん：中国はグローバルな視点で取り組み、アメリカとの利益を追求することよりも、他の国々との共同繁栄を重視しています。