中国の個人負債が急増し、10年前の金融危機直前の米国水準に達しているようです。負債の返済に追われ消費が低迷し、中国経済にも大きな影響が出ると予想されています。負債の6割以上が住宅ローンとのことで、不動産市場崩壊への懸念も生じています。このまま個人負債が増え続ければ、中国はどうなってしまうのでしょうか。
中国家計債務が急拡大、金融危機前の米国水準に
2018年8月17日 19:27中国国内のシンクタンクがこのほど発表した調査では、中国の家計債務の規模は2008年世界金融危機発生前の米国水準に匹敵すると示された。専門家は、家計債務の急増による個人消費の低迷や企業業績の低下、銀行の不良債権増加などで、経済成長が鈍化した中国経済が一段と失速し、今後ハードランディングする可能性があると懸念した。
上海財経大学高等研究院が今月7日に公表した研究調査によると、2017年までの中国家計債務の対可処分所得比率は107.2%に達した。米国の現在の水準を上回ったうえ、08年世界金融危機が起きた前の米家計債務水準に近い状況だという。
また、中国人民大学の研究チームが6月にまとめた調査報告では、中国家計債務の6割以上が住宅ローンだと指摘された。一部の市民が、頭金の調達は自己資金からではなく、頭金ローンや消費者金融などを利用しているため、金融リスクを拡大させているという。
米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の経済学者、兪偉雄氏は、中国経済の減速による失業率の上昇と所得減少で、今後住宅ローンの返済が困難な人が急増する恐れがあると指摘した。「これによって、金融リスクは住宅市場から金融市場全体まで広がる可能性が高い」と、兪氏は米中国語メディア「新唐人テレビ」に対して述べた。
一方、中国の蘇寧金融研究院は、家計債務の増加ペースが非常に速いとの見解を示した。過去10年間において、部門別債務比率をみると、家計等の債務比率は20%から50%以上に膨張した。一方、米国では、同20%から50%に拡大したのに40年かかった。
兪氏は、家計債務の急拡大は、近年中国当局が経済成長を維持するために次々と打ち上げた景気刺激策と大きく関係するとした。「当局は、いわゆるマクロ経済調整を実施して、経済の変動・衰退を先送りしてきた」
上海財経大学高等研究院は同研究報告を通じて、公にされていない民間の貸し借りを加えると、中国の家計債務規模はすでに「危険水準に達した」と警告した。
(以下略)
目次
中国の負債は対可処分所得比率が100%超え
韓国と同じように、中国でも家計負債が増えてるんですね・・・。
負債の6割が住宅ローンとのことですので、不動産市場への投機が集中し非常に危険な状態となっています。対可処分所得比率が100%を超え、負債の増加に歯止めが利きません。中国の専門家ですらハードランディングの可能性が高まっていると指摘しているのです。
韓国の対可処分所得比率はどれくらいでしょうか?
2016年末で182%らしいよ。
ええっ?中国とは比較にならないくらい大きいですね!
G7の平均値が123%だから、そこまで騒ぐようなことでもない気がするけど。中国としては高成長率を維持したいから、負債で消費が減るのは好ましくないのかな?
増加のペースが非常に速いことを問題視しているようですよ。過去10年間で個人負債の比率が20%から50%に急増しているということは、中国でそれだけ急激に負債を膨らませる人達が増えていることになります。健全な経済発展とはかけ離れた数字ですので、非常に危険だと思うのですが。
10年で比率が2.5倍か…。確かに急に増えすぎだな。みんな不動産を買いまくってるからか。
この前も、北京で家賃が高騰してるって話がありましたよね!
建てすぎ、借りすぎ、買いすぎってとこだろうな。中国は何でも極端に増やしすぎだと思う。ビルの写真ばっか貼って見栄を張るのも疲れないか?
そう言えば、最近例の人あまり見かけないですね・・・。飽きてしまったんでしょうか?
ネタ切れじゃない?たまにはビルの内部も見せてほしいもんだ。
韓国の不動産市場も中国と同様に危険
所得比率の違いはありますが、中国も韓国もほぼ同じような状況下で負債を増やしてきたものと思われます。韓国も確か不動産バブルが過熱していたかと思いますが。
韓国はチョンセという家賃半年分とかのデポジット制度があるんだけど、このデポジットを次の不動産購入に充てていたとかいう話があるな。不動産価格が上昇している時はいいけど、一旦逆回転を始めたら取り返しのつかないことになりそうだ。
韓国の不動産市場はどうなるんでしょう?
ソウルで空きテナントが増えてるって話があっただろ?空室でも一向に賃料を下げない業者がいたけど、それは周辺の相場の価格に合わせてるからだと思う。地域全体の賃料が下がれば、当然不動産価格も下がる。下手したらバブルが崩壊してしまうかもしれない。
確かに、賃料が高すぎて誰も借りられないと問題になってましたね・・・。
ローンもない富裕層のオーナーなら長期戦でも何とかなるけど、もしもデポジットを突っ込んで買った不動産だったとしたらすぐに回収できないときついよな。徐々にそういう業者が出始めると、安い賃料で妥協し始めるかもしれない。万が一それでも借り手が出なかったらどうなる?
下げても下げても、誰も借りてくれないってことですか?
そう。万が一賃料を下げても誰も借りてくれないとなると、需要そのものが見込めないと分かり不動産を持つ意味がなくなる。すると投げ売りが起こっても不思議ではないよね。
馬鹿げた話じゃのう。何のために投資しているのか分からん。ワシは流動性の低い資産は持たない主義じゃよ。
売りたい時に売れないのは問題ですからね…。問題は誰が最初にその口火を切るかという部分なんですが。
その口火を切らないようにするために、敢えて賃料を下げていないということですか?
俺はそうだと思ってる。賃料が安ければ借りる方としては楽だけど、貸し手は苦渋の決断の末だからな。需要もないのに次々と建てるというのはすごく危険なことなんだよ。
中国は個人だけでなく国有企業も数字が悪化
中国の個人に加え、国有企業も数字が悪化してきています。自己資本利益率が10年で半分に落ち、思うように利益を出せない苦しい構図が浮き彫りとなっています。負債総額はGDPの159%に達しており増加の一途です。これは米中貿易戦争の前からの傾向ですので、中国の経済発展モデルにはそもそも無理があったと解釈するのが自然でしょう。
ネットユーザーは何か反応を残してない?
大部分が賄賂に消えてるのではという意見がありますね。国際会計基準だと既に債務超過だとも言われています。
中国は色々無茶してそうだからな…。韓国もそうだけど、強く見せるための虚飾があまりにも多すぎると思う。実体以上に頑張ろうとするからダメなんだよ。
トランプ大統領は、この状況を踏まえて貿易戦争を仕掛けたんでしょうか?
中国経済に実体がなく、中身は虚飾だらけであることは十分に把握していました。中国としては内情は外に漏れていないと考えていたようですが、米国は事前に知りながら敢えて甘い顔をして中国を増長させるように仕向けたのです。南シナ海の人工島など誰の目にも明らかな侵略行為を行なわせるためです。トランプ氏は全てを知りながら、複数のカードを効果的な場面で切り中国を揺さぶってきました。
トランプだけに、外交カードの使い方も上手なわけだ。名実共に最強の大統領になりつつあるな。
ホントですね!そう考えれば今の支持率は低すぎると思います。
政財界に中国寄りの人間が大勢いたんだろ。貿易戦争で困るのはむしろ中国と仲良かった米国企業の方かもしれないしな。米国も一枚岩ではないだろうし。
中国株、上がる気配が全くありませんね・・・。今日もほとんど動きません。
人民元が多少戻したところで、誰も投資する人がいなければ無意味だよね。中国の個人も負債まみれで株を買い入れる余裕もなさそう。下手したら借金して株を買ってた人もいるかもしれない。
中国はどうなってしまうんでしょう?
8月ももうすぐ下旬ですので、このままですとリーマンショックの9月に一段と下がるイベントが用意されているかもしれません。米連邦準備銀行の利上げも断続的に行なわれていますし、それに合わせて市場が大きく動く恐れがあります。特に9月25日~26日のFOMC前後は危険です。
そうだった。9月ヤバいな…。在中邦人はマジで気をつけて!