いつの間にか中国に青空が戻ってきたという信じがたいニュースを見たので、ちょっと調べてみた。上海のPM2.5を表示するサイトでは、確かに数値が改善されていた。多くても60から70程度で、30~50の“良い”を維持している場所も数多く存在している。ところが範囲を拡大してみると…150とかいう凄まじい数値が表示されたのだ。これは上海よりやや北西に位置する地域の数値。他の周辺地域も100を超えている場所が多い。なぜか上海中心部だけ大気汚染が改善されていることになる。どういうことだこれは?

上海 AQI: 上海リアルタイム大気質指標(AQI)。

42 良い

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https://aqicn.org/city/shanghai/jp/

確かに上海のPM2.5だけは改善してるが…

珍しい内容ですね!経済以外で中国の話なんて。

アクセスランキングに表示されたこの記事が気になってね。まあ調べるまでこんな結果になるとは想像もしなかったけど。

いつの間にか空が青いんだけど本当にここは中国?
9/26(水) 6:10配信 JBpress

 日本滞在中、初対面の人に筆者が普段中国で暮らしていることを話すと、「中国の経済格差はどれくらい大きいのか?」という質問が最も多く寄せられます。そして、2番目に多いのが、「中国の大気汚染はどれほどひどいのか?」という質問です。

 中国の大気汚染に関するニュースは、一時期、日本でも大々的に報じられました。特に「PM2.5」という測定指標の言葉が頻繁に登場し、そのまま中国の大気汚染を表す代名詞になっていると言っても過言ではありません。

 そんなPM2.5ですが、最近の日本の報道では目にする機会がめっきり減ったように感じられます。では、現在の中国の大気汚染はどうなっているのでしょうか。
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■ 明らかにきれいになった上海の空気

 発表されている数値にはやや怪しさを感じるものの、中国の大気汚染が改善しつつあるということ自体は事実でしょう。

 というのも、筆者が生活している上海市では、かつては年に数回しか見られなかった青空を今年は何度も見ることができ、夜には星も見えるようになってきたからです。街を歩いていても、鼻についた車の排気ガスの臭いが最近はしなくなり、目に見えて空気がきれいになっていることが実感できます。

 以前、筆者は中国から日本に一時帰国して日本の空港に降り立つ度に、「空ってこんなに青かったんだ・・・」とか「日本の空気って無味無臭なんだな」などと感じていました(冗談ではありません)。それがここ1~2年くらいは何とも思わなくなりました。日本と上海の空気がそれほど違わなくなってきたということなのでしょう。
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https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180926-00054163-jbpressz-int

それで上海のPM2.5を調べたんですね!

見れば分かるだろ?確かに数値は改善しているようだ。30~50なんて数値は今までの中国じゃじゃ考えられなかった。日本とほぼ変わらないってことだから。

上海以外はどうなんでしょう?

ポイントはそこ。地域を縮小してみると…どうだ?

あれっ?ほとんど黄色やオレンジです!緑色の地域がなくなってしまいました!

だろ?

もっと縮小してみたら、北西の方にすごい数値があります!196を叩き出してます!

196かww

あと、画面の左側にある現在過去48時間の下のPM2.5についても最大で824って表示されてます。

これな。一瞬だけ凄まじい値が出てるみたいだ。どういう計測をしてるんだろうね?

どうなんでしょう・・・?何だか怪しいです。

北京は200を超えそうな勢い…どこに青空が?

北西部の196はたぶん北京だと思う。上のタブで切り替えられる。

これですね!大変なことになってます・・・。
http://aqicn.org/city/beijing/jp/

160とか170という凄まじい数値が出てるね。画面も真っ赤っ赤だ。

PM2.5が200を超えると、どうなるんでしょう?

汚染レベルとしては中度~重度らしいね。すべての人は屋外活動を適度に控えるべき数値だそうだ。
http://ieei.or.jp/2013/08/special201307002/

北京から縮小してみると、南西部は200を超えてます!重度汚染に該当しますよね?

すべての人は屋外活動を控えるべきだな。

北東の方にもっとすごい数値があります!朝なんとか市で584と計測されています・・・。

朝なんとか市?

棒で邪魔されてしまってて・・・。でもそういう市があるんです!

584か。健康な人も忍耐力が低下し、強烈な症状が見られる。すべての人は屋外活動を中止すべきレベルだね。まあ大きな都市ではないんだろうけど、無視はできない。

上海だけ空気をきれいにして外信記者を騙している?

どういうことなんでしょう・・・?今年1月の記事ではPM2.5が急低下したって報道されたのに。

青空見え始めた北京、PM2.5濃度54%急低下-全国的には改善わずか
2018年1月12日 13:41 JST

 中国が大気汚染との闘いで成果を上げつつあるようだ。北京とその周辺で汚染レベルが大幅に低下している。

 グリーンピース・イースト・アジアは11日のリポートで、北京と天津および26の周辺都市を含む地域で、健康に深刻なリスクを引き起こすPM2.5(微小粒子状物質)濃度が2017年10-12月(第4四半期)に前年同期比33%低下したと報告した。北京だけで見ると54%の急低下だという。政府は昨年、エネルギー源の石炭から天然ガスへの切り替えを数百万に上る家庭と企業に強制的に求めた。

 青空は戻りつつあるが、市民や工場はその代償を払っている。天然ガスへの切り替えを広範囲に進めたことで燃料が不足し、暖房が使えない家庭や操業停止となる工場が続出した。サンフォード・C・バーンスタインは、こうしたマイナス面はあるものの大気の質改善は習近平国家主席にとって勝利だと指摘し、石炭利用を減らすための措置は継続される公算が大きいとの見方を示している。

(以下略)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-01-12/P2FCEV6JTSEB01

ブルームバーグか。値が徐々に改善し始めたという一面もあるだろうけど、また戻った際にはちゃんと報道してるのかね?2017年10月-12月期と比べて今はどうなんだ?

どうなんでしょう?定期的にチェックしないと意味ないですよね・・・。

まさか10月-12月期だけ工場の稼働を控えたりしたとか?

グリーンピースが検査する時期だけってことですか?

同じことが上海にも言えるかもしれない。中心部が不自然なまでに緑色となっているけど、少し範囲を広げればあっという間に黄色やオレンジだらけになる。さらに上海以外の他の都市もほとんど黄色以上だ。中国自慢の深センだって100~150と高い数値が出てるし。これでは青空はめったに見れないと思うんだけど。

この記事にはウソが書かれてるんでしょうか?

上海に関しては真実だと思う。でも、中国全体に関して言えば真っ赤なウソだね。もっと言えば、この日本マスコミの記者が住んでいる上海の空気だけを改善させようと中国当局が偽装工作した可能性さえある。

どういうことでしょうか?

上海には日本に限らず外信の記者がたくさん住んでるし、中継もここから行なわれることが多い。要するに上海の大気汚染さえ改善できれば、外信記者は空が青くなったことを実感してそれを世界に広めてくれるんだよ。あたかも中国全体が改善したかのような報道をしてもらうことも可能だ。

世界中の記者を騙しているということですか?

平たく言えばそうなる。上海だけを青空にするという偽装工作と言っていいかもしれない。現実にこうして他地域のPM2.5数値がまったく改善されてないわけだから。

中国はどうしてそんなことをするんでしょう?

メンツのためさ。大気汚染を自力で改善したことで、経済大国ぶりをアピールしようと思ったんだろう。だがこうして実際の数値を細かくチェックすればそれがウソだとバレてしまうわけだ。実に残念だ…。俺は本気で中国の空が改善したと信じていたのに!中国に少しでも期待したのが間違いだったんだ!

ネットユーザーは、力ずくで工場を移転させたのが理由だと言ってます!

上海からは、だね。工場を他地域に移転しただけ。根本的な問題は何も解決してないってことだ。

何だかマジックの種明かしを見てるような気分です・・・。7年上海に住んでるというネットユーザーも、今が一番空気がきれいだと感じてるって。

中国のネット工作は万全みたいだね。在住邦人も大半が上海だろ?こうして現地の状況を書いてくれる人がいるだけでも工作の成果があるってもんだ。

でも、現実は違いますよね・・・。

PM2.5だけじゃなく、政治経済のありとあらゆる部分で同じようなことをしてるんだろう。俺はそう素直に感じたね。中国の統計は一切信用してはならないし、すべてを疑いの目で見なければならない。日本の人達はお人よしが多いから騙されないようにしないといけないよ。

日本の皆さん、今すぐ朝なんとか市に行ってみてください!584の空気を体感した方がいいと思います!

朝市と勘違いするからその言い方はやめよう。