中国南部に進出している米国企業の商工会議所で、調査が実施されました。それによると、調査対象企業の70%以上が中国への投資を中止し別の国への撤退を検討しているようです。生産ラインを中国から移転することを検討中の企業は64%でした。中国当局が監督管理や通関手続きなどを強化し、間接的な報復を行なっているとの指摘もあります。一方中国のPMIは2年3カ月ぶりの低水準となっており、景気の減速は明らかです。

7割の米企業が中国撤退などを検討=米商工会議所
2018年10月30日 16時19分

 米中貿易戦争の長期化が原因で、中国南部に進出している米企業のうち、約7割の企業が、中国での投資を遅らせ、生産ラインの一部または全部を中国から他国に移転すると検討していることが分かった。ロイター通信が29日に報じた。

 中国にある華南米国商工会議所は29日、最新調査報告書を発表した。調査は9月21日から10月10日まで、219社の企業を対象に実施したもの。そのうちの3割以上が製造業だ。同報告書によると、米企業の多くは中国に進出している他の国の企業と比べて、米中貿易戦争から受ける損害が大きいと認識している。

 調査対象企業の64%は、生産ラインを中国から移転すると検討している。北米に生産拠点を設けるとの意思を示した企業は全体の1%にとどまった。

 同報告書は約70%以上の米国企業が中国投資の遅延、あるいは中止を検討し、(別の国へ)一部移転あるいは完全なる中国撤退を考えている。しかし、このような考えを示した中国同業企業は半分しかない」とした。

 華南米国商工会議所の調査では、米中貿易戦争によって、グローバル・サプライチェーンと産業集積が東南アジア地域にシフトしていることが明らかになった。

 米企業は、ベトナム、ドイツ、日本の企業からの激しい競争に直面していると訴えている。その一方で、中国企業はベトナム、インド、米国、韓国の企業からの強い競争に直面しているという。

 ロイター通信によると、華南米国商工会議所のハーレー・セアディン(Harley Seyedin)氏は、企業の受注が減っている、または受注が入ってこなくなったと述べた。

 調査では、米関税制裁の影響を最も受けているのは卸売業と小売業だと示された。中国当局の報復関税措置による影響は、農産業関連企業に集中しているという。85%の米企業は、(米中両国の)関税制裁による打撃を受けたと答えた。これに対して、関税による打撃を訴えた中国企業は70%にとどまった。

 調査に協力した約50%の企業は、中国当局による監督管理の強化や通関手続きの遅延などを含む非関税障壁の増加を指摘した。専門家は、非関税障壁の増加は米側に対する中国当局の報復手段だと分析。

 また報告書は、米中貿易戦争で、輸出産業を地域経済のけん引力とする広東省では、1~8月までの輸出額は前年同期比で縮小したとした。

 調査実施は、9月24日トランプ政権による2000億ドル(約22兆4000億円)相当の中国製品への10%追加関税の発動と、中国当局の600億ドル(約6億7200億円)相当の米製品への報復関税実施に重なった。トランプ政権は来年1月1日から、2000億ドル分の追加関税の税率を現在の10%から25%に引き上げる予定だ。

https://www.epochtimes.jp/2018/10/37435.html

現在は様子見している米国企業も少なくない

アメリカ企業が中国から撤退しちゃうんですね・・・。日本企業が韓国から撤退するのと同じですね。

まあ中国南部に進出してる米国企業に限った話みたいだけどな。6割どころか9割くらいが撤退を考えてもおかしくないと思うけど。

生産拠点を移すのには時間がかかりますので、現在は様子見している企業も少なくないと思われます。しかし、来年の1月1日から正式に追加関税2000億ドル分が発動されますので、その影響次第では中国からの撤退を余儀なくされるでしょう。大きな変化ですので、実際にそうなってみなければ分からないことも多いはずです。

でも10%から25%だぞ…。中国の生産拠点をタイやベトナムに移すだけで、その関税を回避できるというのに。しかも東南アジアなら人件費も安い。

中国政府が監督管理を強化したり、通関手続きを遅延させてたりするのは報復なんですか?

今回の米中貿易戦争に限らず、このようなことは中国では頻繁に起きているというのが私の認識です。露骨に袖の下を要求される場合も少なくありません。ただし、報復の意図を含めるために普段よりも強化している可能性は考えられます。

報復かどうかという点では、間違いなくそうだと思う。中国は関税の引き上げ枠をとっくに使い切ってしまったから、こういうやり方しかできないんじゃないかな。

中国は姑息な手しか使えんようじゃのう。所詮米国との覇権争いなぞ無理な話じゃよ。

貿易戦争になってしまった時点で中国の負けだと思います。

中国の景況感が2年3カ月ぶりの低水準に

日経新聞さんでこんな中国の記事を見つけました!景気が減速してるみたいです・・・。

中国景況感 2年3カ月ぶり低水準 10月、貿易戦争が影響
2018/10/31 10:37

 中国国家統計局が31日発表した2018年10月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は前月より0.6ポイント低い50.2だった。好不調の節目となる50は27カ月連続で上回ったものの、16年7月以来2年3カ月ぶりの低水準。米国との貿易戦争が企業の景況感にも響き始めているとみられる。

 PMIは製造業3千社のアンケート調査から算出し、生産や新規受注が50を上回れば拡大、下回れば縮小を示す。

 生産は前月比1.0ポイント低い52.0。節目の50は上回ったが、春節(旧正月)休暇で統計がふれやすい1~3月を除くと15年11月以来の低水準だ。新規受注も同1.2ポイント低い50.8に沈んだ。

 背景にあるのは米国との貿易戦争。米国は7~9月に計2500億ドル(約28兆円)分の中国製品に追加関税をかけた。輸出に限った新規受注は前月比1.1ポイント低い46.9と大幅に悪化し、今年6月から5カ月連続で50を下回った。輸入も同0.9ポイント低い47.6と4カ月連続の50割れ。輸出減少が新規受注の落ち込みにつながり、生産を下押ししている可能性がある。

 雇用に波及する兆しもある。従業員の指標は前月比0.2ポイント低い48.1だった。政府が旗を振る債務削減のあおりを受け、民間企業の倒産が相次いでいることも背景にありそうだ。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37156490R31C18A0MM0000/

PMIが50割れ間近じゃないか。この状態で成長率6%台とか信じられないね。

昨日の中国株は上昇してるんですけど、中国政府が買い戻してるんでしょうか?

長期の下落トレンドに完全に沿って動いているね。今まで数カ月中国株はどんな動きをしたか覚えてるか?

一気に下げた後少し盛り返して、ここが底かな?と思ったらまた一気に下げるの繰り返しでした!

そういうこと。今回も騙されてはいけないよね。

米中貿易戦争で輸出が大きな影響を受けており、今回の統計にもそれが表れた形となります。輸出に限った新規受注は46.9と50を大きく割り込む数値となり、新規受注の統計を押し下げる背景となっています。

民間企業の倒産も相次いでるんですか?

中国の場合報道規制が簡単だから、実態はどうなってるか想像もつかないね。見かけの数字に騙されないようにするのは言うまでもないけど、今回はその見かけの数字まで怪しくなってきたという話だから。

撤退が難しい場合は戦後補償で取り返す可能性も

日本企業はどうするんでしょう?アメリカが撤退した穴を埋める気がするんですけど・・・。ネットユーザーもそこを気にしています!

埋めないんじゃない?米中貿易戦争を口実に新規進出も様子見で、生産拠点もシレッと東南アジアへシフトする感じになると思う。

アメリカもカンタンには撤退できないと言われてて、その場合は戦後補償で取り返すのではと推測してる人もいます!

もう軍事衝突前提か。確かにアップルとかは難しそうだな。中国共産党の幹部がたんまり蓄財してるから、戦後補償に関しては十分賄えると思っている。

VWやパナソニックなど、今から新工場を着工する企業も少なくないようです。ドイツ銀行の株価が統計上の最安値を更新したことと関係しているかもしれません。中国との関係が深い企業の株価に着目しましょう。

ドイツ銀株は1992年以降で最安値、収入減に歯止め掛からず
10/24(水) 14:43配信 Bloomberg

 ドイツ銀行は事業縮小が収入に想定よりも大きな影響を与える見通しであることを認めた。就任から半年のクリスティアン・ゼービング最高経営責任者(CEO)が約束した成長の実現は容易でない。ただ、コスト削減によって4年ぶりの通期黒字を確保できる見込みだ。

 24日の決算発表によると、7-9月(第3四半期)の収入は第3四半期として2010年以来の低水準。同行は通期の収入見通しを下方修正し、これまでの前年並みから前年を下回るとの見通しを示した。2021年の利益率目標は取り下げた。

 この発表で株価は急落。同日のフランクフルト市場では4.8%安の8.87ユーロで引け、ブルームバーグが記録を開始した1992年以降の最安値に沈んだ。

(以下略)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181027-59783756-bloom_st-bus_all

リーマンショックより下がったのか…。

ホントだ!2009年でも18ユーロくらいあります!今は8ユーロしかありません!

ドイツ銀行ショックなんて起きたら、米中貿易戦争の比じゃない凄まじい嵐が吹き荒れることになるね。中国へ入れ込んだ企業はこうなるという見本のような展開だ。日本も十分に気をつけないとならないね。

間もなく中間選挙となりますが、米国政府の方針はトランプ氏が大統領でなくなったとしても変わることはありません。何度も言うように、ペンス氏の対中演説の内容が全てです。米国は中国の目に余る行動をこれ以上見逃すわけにはいかないのです。

日本企業には中国への投資は年末まで何もしないことを期待する。適当に話をごまかしながら引き延ばして時間稼ぎをすべきだ。来年の5月になれば何かが変わると思うから。

またそうやって!来年5月に何も変わらなかったらどうするんですか?