タイで高速鉄道計画が進むそうなんですけど、日中で協力するはずだったのが日本は外れることになってしまったそうです・・・。その理由は費用面で、タイ側が財政の負担をしないと明言したからだそうです。赤字になる可能性もあるので、日本勢は難色を示して結局動かなかったみたいです。タイの高速鉄道計画はどうなってしまうんでしょうか?
幻に終わった「日中鉄道協力」 タイ高速鉄道計画に日本企業がそっぽを向いた理由、現地で見えた
12/30(日) 9:13配信 GLOBE+タイと中国が建設へ
タイの新たな高速鉄道計画が動き始めた。大詰めを迎えた国際入札は、地元大手財閥と中国国有企業を中心とした企業連合の落札が濃厚だ。日本政府は中国との外交関係の改善の象徴として、日中両国の企業が協力して参画する案にこだわっていたが、幻に終わった。その背景を、新線の区間とほぼ重なる在来線に揺られながら考えた。(朝日新聞編集委員)
高速鉄道始動 一日一往復から乗客激増を期待
この高速鉄道は、バンコク首都圏のスワンナプーム、ドンムアン、ウタパオの3空港をつなぐ。総延長は約220キロ。名古屋―新神戸間とほぼ同じ距離だ。最高時速は250キロを予定し、約1時間で結ぶ。プラユット暫定首相が率いる軍事政権が、経済振興策の目玉とする「東部経済回廊(EEC)開発構想」のひとつで、日本企業が多く進出する地域を走り抜ける。費用は2471億ドル(約8000億円)とされる。
12月21日に明らかにされた国際入札の結果によると、地元の最大財閥チャロン・ポカパン(CP)グループと中国国有の鉄道建設会社である中国鉄建(CRCC)が出資する企業連合が優先交渉権を獲得した。問題がなければ、年明け1月中に正式に決まる。
新線の沿線にエビ養殖の土地などを持つCPは早くから意欲を示してきた。タイの高架鉄道を運営するBTSグループが主導する企業連合も入札には参加したものの、当初からCPが本命視されていた。軍事クーデターで2014年に生まれた現政権は、初めての総選挙を2月に予定している。その直前に確定させるのは、大型の利権を有力財閥に分配すると同時に、経済的な成果として有権者にアピールする狙いもあるはずだ。
(中略)
日本政府が、日中両国の企業が協力してタイで高速鉄道の建設に取り組む案に熱をあげたのだ。世界各地で受注に火花を散らしてきた日中の協力は、外交関係の改善の象徴になると考えたからだ。中国政府も、のった。米国のトランプ政権との衝突が強まるなかで、隣国日本との関係強化を示すには好都合な案件だった。
タイ政府も最終的には歓迎した。タイのお家芸は、安全保障を含めて競い合う日中を両てんびんにかけて、自国の利益を最大化しながら八方美人的にバランスをとること。地図にもあるバンコクから北へ向かう高速鉄道の場合、東は中国、西は日本へ委ねてバランスをとった。今回の路線も、本音では日中が張りあって良い条件を出してくることを期待していたかもしれない。だが、80年代から浮いては消えてきた大事業だ。日中そろえば、事業の具体化をより裏打ちできると踏んだ。
日本政府は、安倍晋三首相の10月の訪中時にあわせて「第三国での日中協力」の目玉として合意を発表できるように、日本企業の背中をおしていた。6月の時点では伊藤忠商事や日立製作所、フジタなどが入札に参加する条件となる資料を購入した。とりわけ、伊藤忠商事はCPグループ、中国国有の巨大企業集団である中国中信集団(CITIC)と提携関係にあるだけに、この案件にも参加が期待されていた。だが、日本勢は結局、動かなかった。
なぜか。
タイ政府は財政負担を嫌い、土地の収用や既存の鉄道施設の修繕にかかる費用以外は、補助しないと譲らなかった。一等地の駅前開発を抱き合わせるのだから、民間でうまくやってくれ、という理屈だ。巨額の投資が必要となる公共事業にもかかわらず、タイ政府が利益の保証をしないため、日本企業は消極的な姿勢を変えなかった。
「大赤字になりうるリスクを抱える路線に、政治の要請とはいえ、民間企業がのれるわけがない。誰も手をあげないと思う」。日本の大手商社の幹部は早くから断言していた。「新幹線」の輸出に必要なJR各社は当初から関心を示さなかった。インドで受注した高速鉄道の建設で手いっぱいでもある。日立製作所はイタリアの子会社で製造した車両の販売には関心を示しても、事業のリスクを背負う出資者になるつもりはなかった。
あちこちで頓挫している原発輸出と同様に、政治と経済の現実にはしばしば乖離(かいり)が生じるものだ。日本の民間企業は、国家との関係も利益構造も中国の国有企業とは異なる。当然の選択といえよう。
政熱経冷―。日中協力は幻に終わった。
(以下略)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181230-00010000-globeplus-int
目次
タイ政府が財政負担を嫌がったのが原因?
いいねこういう話題。射撃レーダーの話ばかりでちょっと疲れが出ていた。
ファーウェイの話もなんだかマンネリ化してたので、高速鉄道の話にしました!
タイの高速鉄道計画が結局中国主導で進むことになったという話か。そして日中協力は幻となった。インドネシアの失敗がありながら何とも絶望的な流れだけど、どうしてだろうね?
タイ政府が財政の負担を嫌って、ほとんど補助しないと明言したからだそうです!赤字のリスクもあるので、日本勢が難色を示して参加を取りやめたみたいです・・・。どうなってしまうんでしょうか?
ちなみにこの路線はどことどこを結ぶの?
バンコクとウタパオという場所を繋ぐみたいです!総距離は220キロで、大体名古屋から神戸までと同じ距離だそうです。
そこまで長い路線ではないな。記事中に図があるけど、一番重要と思われるチェンマイとの高速鉄道は日本が押さえてるんだね。この点については安心できる。
中国が協力している北東に伸びてる路線は、ラオス経由で中国に向かうと書かれてます・・・。
一帯一路計画だね。陸路でアジア全体を繋ぐにはタイの位置は重要だな。日本がチェンマイを押さえてなければ危なかった。
ワシは鉄道の旅は苦手じゃ。何十時間も同じ場所に座るなぞ耐えられん。
確かに船の方が景色もいいしロマンがありますよね…。
肝心の高速鉄道の駅まで辿り着くのが大変?
ネットユーザーは、むしろ中国とのビジネスを進めないことを歓迎してます!
・中国とやっても技術を取られるだけで利益にならない
・複数の国を両天秤にかけるような事業はインドネシアでも、フィリピンでも見られる。採算性を重視するのは当然
・中国にはシビアに接するべき
・鉄道は初期投資が大きいので慎重になる
・駅前開発の利権をホントに自由にできるなら、全部撤退はありえない
・もう少し記事を簡潔に書くべき
・まず高速鉄道の駅まで行くのが大変。渋滞の中タクシーを使うの?
・タイは完成してから悔やんでも遅いと思います
・みんな車や飛行機を使うから、高速鉄道でも黒字は見込めないのかな?
・日中の協力が幻で終わってよかった
・肝心のタイが冷たいし、関わらなくてむしろ正解
「タイが冷たい」
ちょっと!ふざけないでください(笑)
まあ仮に日本が協力するとしても単独だわな。中国との協力事業なんて何があってもやってはいけないだろう。こういうのも経団連が押してたんだろうね。
安倍首相の訪中で約束してたことが、結局実現しなかったんですね・・・。
米中貿易戦争の経過も見つつということだろう。まあ当初からそうなるのではないかと思われてたけど、日本の重要な技術が中国に流出するリスクは少しでも減らしたいからな。
あと、記事の半分以上が旅行記のようだったので、大半をカットしました・・・。
一応目を通してみたが、写真もなく文字だけの旅行記は小説でもない限りちょっとね。さして面白いドラマがあるわけでもなく。そして3ページ目の後半は観光地としての駅の説明だ。現地ルポ仕立てにしようとしたのが裏目に出た感じの記事だね。
渋滞については特に書いてなかったんですけど、確かにバンコクの渋滞はひどいってよく言ってる人がいます!
それもツイッターランド、もといTSJ情報?
別の場所です!実は一度だけ行ったことがあるんですけど、なぜか電車が動いてなくて・・・。タクシーを使ったら渋滞で全然進めなくて、ストレスが溜まりました!
へー。バンコクねえ。高速鉄道よりも先にすることがあるんじゃないかな?
ボクは、最近各国の地図を見る趣味にハマってるんです!それでタイの道路を見てみたら、空港からの高速道路が1本しかなくて、すごく渋滞しやすそうな構造に見えたんです!
高速道路か。確かに羽田空港は2つの高速道路を使うことができるね。高速鉄道の駅にたどり着くまでが大変ってのは現実味がある話なんだろうか?
新駅ができる場所にもよると思うんですけど、渋滞が悪化すると思います!
今バンコクのGoogleマップを見てみたけど、思ったよりは空いてるように思える。まあ日曜はどこも似たよなものか。明日は大晦日だしもう少し混むかな?
最初は日本は乗り気だったのに、中国が入ったから諦めたの?
タイ政府は、どういう方針で進めるんでしょう?このままでいいんでしょうか?
チェンマイ路線が一番のドル箱だと思うんだけど、そこは日本が押さえてるのでまあいいんじゃないかな。記事にあるパタヤというところへの路線が不人気なのかもしれないけど、タイ側も不採算だと分かってるから財政を出し渋ってるのかもしれない。
じゃあ、不採算の路線を中国に押し付けるんでしょうか?
平たく言うとそうなる。ネット百科事典によれば、政権によって力を入れる路線が頻繁に変わるらしい。現段階では日本がチェンマイやラヨーンという都市へのルートに興味を示しているので、タイ政府としてもその意向を歓迎したい方向のようだ。こちらは財政負担をするんだろうか?
ドル箱路線なら、する必要がないのでは?
そうだな。採算性があると踏んだから日本が落札に意欲を示したんだろう…と思ったが、実はこのラヨーンという場所が今回のウタパオ空港がある県だったと今気付いた。
??
すまん。ラヨーン県にウタパオ空港があって、それこそが今回日本が諦めた路線だということ。日本は当初は意欲を示していたのに、中国が入ってきたから採算性がないと判断して諦めたんだろうか?
じゃあ、「大赤字になりうる」というのは後付けの理由だったんですね・・・。
そして重要案件のチェンマイ高速鉄道については、早ければ2018年着工の見通しとあるがまだ始まってはいないようだ。果たして日本勢はこの案件を守り通せるんだろううか?
どうなんでしょう?ちょっと怪しい気配になってきました・・・。
当初はラヨーン高速鉄道に意欲を示していたはずなのに、中国が入ってきた途端に大赤字路線だとして手を引いてしまった。これもネット百科事典情報だが、タイ政府は北西向けのチェンマイ路線にはあまり関心を持っていないようなんだよ。そして中国は記事の図にもあるように、北東向けのナコンラチャシマ路線を着工済みだ。加えて南西向けのホアヒン路線にも関心を持っているようなんだ。これは一帯一路の計画にピタリと符合する。
チェンマイに意欲的なのは、日本だけなんでしょうか?
まあタイ政府の意向はコロコロ変わるだろうから、日本が建設費の大部分を負担すると言えば嫌な顔はしないと思うがね。まとめるとこうなる。
・バンコク~ラヨーン路線(南東方向、中国落札、タイ最優先)
・バンコク~ナコンラチャシマ路線(北東方向、中国着工済み、タイ関心)
・バンコク~ホワヒン路線(南西方向、中国が関心、タイ関心)
・バンコク~チェンマイ路線(北西方向、日本が関心)
何だか不利な状況ですね・・・。大丈夫でしょうか?
分からない。こればかりはタイ政府次第だし、日本は別にタイでの高速鉄道を全部失ったとしても別に痛手はない。記事中にもあるようにインドの高速鉄道で手一杯だから、中国に片足を突っ込んでるような国とは仲良くする必要はないのかもしれない。日本勢が手を引いたのは、そういう警告的な意味も含まれてるのかもしれないね。チェンマイ高速鉄道がどうなるかでその方向性が明らかになるだろう。
タイの皆さん、このままでいいんですか!中国の一部になってしまいます!これが最後のチャンスです!