2023年4月27日、20年間にわたって米国のテネシー州メンフィス動物園で飼育されていたジャイアントパンダの「ヤーヤー」が、返還期限を迎えて中国に帰郷した。
ヤーヤーは、03年に友好親善のため中国から米国に貸与されたもので、同園へはオスの「ルールー」とともにやってきた。しかし、ルールーは今年2月に死亡しており、その後のヤーヤーの健康状態には懸念があった。
実際、ヤーヤーは中国へ帰る直前にやせ細っているように見え、SNS上では、そのやせ細った姿に米国側の飼育状況を批判する声が上がっている。中国のSNS上でも、「園がパンダを虐待していたのではないか」という批判の声があがっている。
動物園側は、ヤーヤーがやせ細ったのは栄養の問題ではなく、遺伝的なものだと説明している。皮膚のトラブルも、免疫システムに関連するホルモンの変動の影響だとし、動物ケアチームや獣医師らによって細やかに見守られてきたとしている。
中国外務省の毛寧副報道局長も、「ヤーヤーはメンフィス動物園にいる間、よく世話され、米国の人々に深く愛された」と述べている。
この話題は、冷え込む米中関係を映し出したかのようにも感じられる。パンダは、中国と米国の友好の象徴として、世界中で人気がある動物だ。
しかし、今回のような出来事が起こることで、パンダの飼育や貸与について、改めて検討が必要かもしれない。
ちなみに日本から帰郷したシャンシャンの方は健康で元気そうだったと報道されている。米国とは逆に、今の日中関係の深化を象徴するように思えてならない。(黒井)
やせて帰郷したパンダ、怒る中国ネット世論 友好の象徴だったけど…
https://news.yahoo.co.jp/articles/c0939e5f029121e9f7db0d537471513bbb25dd34