英国のチャールズ王の戴冠式に中国の韓正国家副主席が出席することが英国国内で波紋を広げている。韓氏は、旧植民地である香港の統制強化を主導した人物として知られており、これが問題視されている。
また、ロシアには招待状を送らなかったため、政府の対応に整合性がないとの声も上がっている。
中国政府は、英国の招待を受けて、韓氏を代表として送ることを発表した。昨年9月には、エリザベス女王の国葬に韓氏の前任者が参列しており、英国政府は「同格」を送る形をとったとされている。
しかし、香港返還の際に中国は英国との間で、香港の「高度な自治」や言論の自由を少なくとも50年間は保障することを約束しているが、中国は国際公約を無視し、反体制活動を取り締まる国家安全維持法を導入しており、香港民主派の弾圧を続けているため、英国政府は反発を強めている。
過去に政権幹部として香港政策を担った韓氏の出席には、英国国内で反発がひときわ大きい状況である。
与党である保守党の対中強硬派グループは、英中間の合意を破った「責任者」と批判し、英政府に派遣受け入れの撤回を求める声が出ている。
戴冠式には、約200か国・地域の代表が参加する予定であるが、英政府は原則として、外交関係のある全ての国に招待状を送った。
しかし、ロシアや侵略に協力するベラルーシ、自国民を抑圧しているミャンマー、アフガニスタンなどは招待しなかったとされている。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、招待を巡りロシアと中国で異なる対応に疑問を呈し、「中国の人権状況を無視する用意があるという危険なメッセージを送ることになる」と指摘している。
英国政府は、ロシアのウクライナ侵攻を続けていることから、ロシアの招待を見送ったと説明している。
一方、中国については、チャールズ王が即位する前の2017年に韓氏が英国を訪問しており、王室との関係が深いため、招待を見送ることは困難だったとの見方がある。
しかし、中国の人権状況や香港問題など、英中関係は緊張を増している。英国政府は、中国の人権問題に対して厳しく対処する方針を示しており、今回の戴冠式における韓氏の出席に対しても、中国政府に対して抗議する姿勢を見せている。
一方、中国政府は、韓氏の出席が「友好的な関係を強化する機会」となるとの見方を示しており、香港問題などを巡る英中関係の緊張が続く中で、韓氏の出席を通じて英中関係の改善を図る狙いがあるとされている。
コメント欄では以下のような意見があった。
「中国共産党がこの程度のジャブを放ってくるのは想定内。問題はここからの対処法である。」
チャールズ英国王の戴冠式、中国副主席の出席巡り波紋…香港の統制強化を主導
https://news.yahoo.co.jp/articles/c1992fe0f3dbd13d8cccfe3cd283d517ccb72903