日本の帝王切開率は約20%前後とされているが、国によっては30%以上も珍しくない?
病院や産院ごとに方針が違うため、同じ日本でも割合はバラつきがある。
母体や赤ちゃんの安全確保を目的に行われるが、産後の回復やリスク面で注意点も多い!
「帝王切開」という言葉を耳にすると、どうしても「手術は怖そう…」「痛そうだし、自然分娩とは違うの?」なんてイメージが先行しがちです。しかしながら、近年の日本では、実は帝王切開の割合がじわじわと増えていることが知られています! そもそも帝王切開とは、産道を通さずにお腹(子宮)を切開して赤ちゃんを出産する方法。母体の健康状態や赤ちゃんの安全を最優先にするための医療行為であり、命を救うための重要な手段でもあります。
ただ、国際的に見ると「帝王切開は日本ではどうなの? 他国はもっと多い? それとも少ない?」などなど、気になる声が多数ある模様www そこで、ここでは5つのポイントに分けて詳しく解説していきます。
目次
★1:帝王切開率、実は日本より高い国はゴロゴロある!?
世界保健機関(WHO)や各国の厚生当局による統計をチラ見すると、「帝王切開率」は国によってかなり差があるんですよね。例えば、ブラジルでは50%超えなんて報告もあったり、アメリカ合衆国では30%前後というデータがしばしば見られます。じゃあ日本はというと、概ね15~25%程度(医療機関や調査による差あり)とされることが多いです。
「え、日本もそこそこ高いじゃん?」と思われるかもしれませんが、実は世界的に見ると日本の帝王切開率は決して“飛び抜けて”高いわけではないんですね。むしろ20%前後というのは、先進国の中では“まあまあ平均~やや低め”と評価されることもあるんです。
★2:日本の病院・産院によって方針にバラつきアリ
同じ日本国内でも、「自然分娩をなるべく優先するところ」「リスクを考慮して早めに帝王切開に踏み切るところ」など、医療機関の方針や産科医師の考え方で帝王切開率には違いが見られます。さらに、妊婦さんの状態(高齢出産・持病の有無・双子などの多胎妊娠など)によっても判断は変わります。
そのため、「日本では○%だから必ずそうなる」というわけではなく、病院や産院によって極端に帝王切開率が高いor低いところもあるのが現状です。主治医や助産師とのコミュニケーションが大切になってきますよね。
★3:海外との違いは“保険・文化・医療制度”にもある
「日本は帝王切開率が多いのか?少ないのか?」を語るとき、単純に数字だけで比較するのは少々危険です。例えば、アメリカでは医療保険制度が日本とはまるで違いますし、ブラジルでは“社会的理由”や“美意識”などで帝王切開を選択する方が多いなんて話も聞きます。
一方で、日本では公的な保険制度が整っていて、妊娠・出産における医療費負担も海外とは異なる形態になっています。その結果、「自然分娩」を重視している産院が比較的多いと言われたり、逆に「母体リスクを回避するために帝王切開を推奨する」医師もいたりと、いろいろなケースが混在しているわけですね。
★4:帝王切開のメリット・デメリットを理解しよう
そもそも帝王切開は、リスクが高い出産や緊急時に“安全に”赤ちゃんを産むための手段です。出産時の負担軽減になる部分もあれば、逆に術後の回復に時間がかかる、傷口が痛むなどの大変さもあります。「自然分娩が絶対良い!」「帝王切開はダメ!」みたいな極端な話ではなく、必要に応じて選択されるべき医療行為ですね。
メリット・デメリットの具体例を挙げると…
メリット
母体や赤ちゃんに重大なリスクがある場合、安全性が高い
計画的に行うことができるため、ある程度の出産時期や流れが読みやすい
産道を傷つけない
デメリット
術後の痛みや回復に時間を要する
手術跡や癒着など、長期的なリスクが生じる場合がある
自然分娩に比べて医療費が高くなる(保険適用の仕組みや補助などもあり、自己負担は状況次第)
こうしたメリット・デメリットを踏まえつつ、日本では現場の医師たちが状況に応じて判断しているのが実際のところ。だからこそ、日本だけ特別に帝王切開が多い=悪いという話ではないんですよね。
★5:WHOは「10~15%」と言うが…現実はどうなの!?
WHOが以前から「帝王切開率は10~15%が望ましい」とする報告をしていたことは有名です。でも実際には多くの国で、この数値を上回っています。日本の20%前後もそうですが、アメリカの30%やブラジルの50%超えなんてのを考えると、とっくに理想値をオーバーしているw
ただし、WHOの指標はあくまでも「不必要な帝王切開を避けよう」といった目的で示されているもの。医療事情や文化的背景が違う国々をひとくくりにして論じるのは難しいのが現状です。むしろ、「不必要な帝王切開」をなくすことが大事であって、「数字が高い=悪い」「低い=良い」と一概には言えません。
■質疑応答コーナー
セイジ
「プロ先生、帝王切開って痛くないんすか??」
プロ先生
「痛みには個人差がありますが、麻酔を使用しますので手術中はそこまで激痛ではありません。ただし、術後に麻酔が切れた後は痛みを感じたり、回復に時間がかかったりすることは多いですね」
セイジ
「でも、自然分娩より帝王切開のほうがラクなんすか??」
プロ先生
「一概に『ラク』とは言えません。自然分娩も陣痛などの痛みがありますが、帝王切開は手術後の回復期間が長くなることが多いです。出産スタイルによって痛みや大変さのタイミングが違うだけで、どちらも大変なんですよw」
セイジ
「そうなんすね…じゃあ、国によって帝王切開が多いのって、単純に産婦人科医が少ないからとかじゃないんすか??」
プロ先生
「国ごとの産科医の数や医療制度も関係しますが、それだけじゃありません。文化的背景や、女性の体への考え方、保険制度などが組み合わさって帝王切開率が上がったり下がったりしています。だから数字だけでは判断できないんです」
■まとめ
帝王切開率は日本では約20%前後で、世界的には“平均~やや低め”の部類
病院や産院の方針・患者さんの状態・社会制度などによって左右される
「不必要な帝王切開を避ける」ことが大切だが、安全確保が最優先
以上、「帝王切開は日本で多いのか? 他の国では少数派なのか?」をめぐるアレコレでした。
色々と議論があるテーマですが、最終的には「母体と赤ちゃんの安全のために必要かどうか」が一番大事な基準ですよね。数字だけにとらわれず、ご自身の状況や主治医の意見をしっかり考慮したうえで、納得のいく出産方法を選びましょう!