関東の住宅街には想像以上に狭い裏路地が多い
歴史的背景や法律的な事情がいろいろ絡んでいる
再開発が難しく、結果的にそのまま残ってしまうケースが多い
「関東の住宅街にある細道ってホントに車がギリギリじゃねーかw」と思ったことはありませんか?
実際、狭すぎる道で車がすれ違えず、どちらかがバックして引き返す羽目になる…なんて場面に遭遇した方も多いはずです。とくに古くから人が密集して暮らしているエリアでは、道が狭いまま開発されずに放置されているケースが多々あります。そこには一体どんな事情があるのでしょうか? 今回は意外と知られていない「狭くなってしまった理由」を5つご紹介します!
目次
1. 【昔の農道や私道をそのまま再利用している】
まず挙げられるのは、そもそも昔の農道や私道が住宅地になったケースです。昭和の時代には、地主さんが自分の土地を細かく分割して販売し、そこに家が建っていったことがよくありました。農道は農作業用だったので、車同士がすれ違えるほどの幅なんて必要ありませんでした。
結果的に、その農道をそのまま「道路扱い」しちゃったものだから、現代の車社会には対応しきれないほど狭い道が出来上がってしまったんですねw
2. 【接道義務の緩和や古い時代の建築基準】
建物を建てる際には、建築基準法で「4m以上の道路に2m以上接しなければならない」という接道義務が基本的にあります。ただ、これには例外もあって、昔から存在する道路は幅員が4m未満でも「みなし道路」として認められることがあります。
また、道路だけでなく建物に関する基準も昔と今とでは大きく違います。古い時代に家が建てられた地域では、狭い道路がそのまま残されているケースも珍しくありません。現在の基準で見れば考えられない狭さの道が「合法扱い」になっているわけです。「えっ!? こんなに狭くてOKだったの!?」と思わず驚くこと請け合いですw
3. 【密集地ゆえの再開発の難しさ】
都市部の住宅地はとにかく人が多く、敷地も複雑に入り組んでいます。大きな商業施設や大通りなら再開発が進みやすいですが、裏路地となると話は別! 狭い土地が何軒も連続し、それぞれが所有者も違えば建っている家も古かったり新しかったりバラバラ。
「道を広げたい!」となっても、複数の土地の権利者が協力しなければ工事はできません。しかも資金もかかりますし、立ち退きや補償問題などハードルが山積みw 結果、「このままでいっか…」となりがちで、細い道がずっと維持されてしまうのです。
4. 【戦後の復興期に整備しきれなかった名残】
第二次世界大戦後の復興時、急激に人口が都市に集中したため、土地や住宅が必要とされました。しかし時間とお金が限られる中で、きちんとした都市計画が及ばなかったエリアも多かったのです。戦災復興で町が焼け野原になった場所では、新しく道を広くできた所もありますが、もともと被害が少なかったエリアほど逆に古い街並みを引き継いだままになったり…。
その結果、昔の路地や曲がりくねった道が再編されることなく、戦後数十年を経て現代まで放置され続けている…なんて事情もよくあります。「え、この幅じゃ車すれ違えないw」って言いたくなるのも当然ですねw
5. 【狭い道にもメリットが!? “風情”や“隠れ家感”が人気】
不便なことばかりに注目しがちな裏路地ですが、実は密かな魅力もあるのです。「下町っぽい風情が残っていて落ち着く」「外から車が入ってこない分、安全・静寂が保たれる」「隠れ家的な雰囲気で個性的な飲食店やカフェができる」などなど。
狭い道=デメリットと決めつけるのは早計かもしれません。最近ではむしろ、そのディープな雰囲気を観光資源として活用しようとしている地域もあります。あえて“レトロ”な道の狭さをウリにしている街もあるんですよ。
【質疑応答コーナー】
セイジ
「プロ先生! 狭い裏路地って夜道は危なくないんすか??」
プロ先生
「夜道の防犯面は確かに気になるわね。暗くて見通しが悪い道もあるし、人目が届かないから不審者が潜みやすい可能性もあるわ。地域によっては街灯を増やすなど対策をしているところもあるけれど、自己防衛としてライトを持ち歩くとか、なるべく人通りのあるルートを選ぶとか工夫が必要ね」
セイジ
「あと、車が入れないレベルの狭さだと救急車とか来にくいって聞いたんすよね」
プロ先生
「そうね、緊急車両が入れないほど道が狭い場合、建物の裏口や近くの大通りまで患者さんを運ばないといけないケースもあるから大変ね。自治体によっては小型救急車を導入しているところも増えてきてるわ。万が一に備えて、普段から地域の避難経路や救助ルートを確認しておくことが大事ね」
セイジ
「こういう裏路地って今後もどんどん増える可能性あるんすか??」
プロ先生
「むしろ、古い街並みを再開発しないまま住人が入れ替わっていくと、裏路地が“現役の生活道路”として残りやすいってのが現状ね。新規開発エリアは広い道が確保されるから大丈夫だけど、古い地域の細い道を広げるには、土地の権利関係や費用面で問題が山積しているの。だから今後も、狭い路地がしぶとく残っていく可能性は高いと思うわ」
【まとめ】
住宅街の狭い道には、歴史的背景や建築基準の影響が色濃く残る
再開発が難しいため、結果的に放置されるケースが多い
狭いなりに「風情」や「隠れ家感」という魅力を持つこともある
「狭い道なんて不便でしかないw」と思いがちですが、視点を変えると案外楽しめる部分もあるかもしれません。裏路地ならではの独特な雰囲気を味わってみるのも一興ですね! もし車で突撃する際には、ゆっくり慎重に走ってみてください…スリル満点ですよw