- 公式の診断基準(DSM-5/CDC)に“髪の質”は一切ナシ⇒根拠ゼロです!(ASD/ADHDの診断は行動・発達の評価が中心)。
- 髪質は主に遺伝と毛包の形で決まる⇒神経発達特性とは別物!(MedlinePlus/解説記事)。
- 薬や感覚特性・栄養などで「人によってバラバラ」⇒“艶髪で一括り”は誤り!(感覚過敏・嗜好の偏り・薬の副作用など)。
目次
【5つの反論】
① 「診断基準に髪」の文字なし ⇒ 公式に無関係!
ASD(自閉スペクトラム症)の診断は、社会的コミュニケーションの困難と反復的行動・興味などの観察に基づきます。毛質・艶・直毛かどうか等は一切触れられていません。CDCも「DSM-5の標準化された基準で診断」と明記しており、髪の項目はゼロです。ADHDも同様に、不注意・多動・衝動性の症状が基準であり、髪質は対象外。つまり「ASD/ADHD=サラサラ艶髪」は、診断学の土俵にすら上がっていない主張です。
② 「髪は遺伝の話」⇒毛包の形がカールや太さを左右!
髪が直毛か、波状か、縮れ毛か。これは毛包(毛根)の形や細胞の振る舞いといった生物学的・遺伝的要因でほぼ説明できます。たとえば、丸い断面は直毛に、楕円形や曲がった毛包はカールに関係します。神経発達の診断名と髪の形状に直接の因果を示す実証はありません。髪の「艶」も皮脂の分布や表面のキューティクル状態、ケア習慣の影響を強く受けます。したがって「神経発達特性=艶髪」という短絡は、遺伝学・皮膚科学の視点からも無理筋です。
③ 「感覚特性」でケアは多様⇒“いつもサラサラ”にはならない!
ASDでは感覚刺激(音・光・触覚など)への反応が独特であることが診断要素の一部に含まれます。触覚の苦手さからブラッシングや散髪を避けがちな人もいれば、逆に特定の手触りを好んで過度にいじる人もいます。つまり、ヘアケアの頻度・方法は人によって大きくブレます。「ASDや多動の人=常にサラサラ艶髪」という画一像は、現実の多様性と矛盾します。
④ 「薬や栄養」の影響も無視できない⇒むしろ“均一化”しにくい!
ADHDの治療で用いられる刺激薬(メチルフェニデート等)では、まれに脱毛(びまん性の抜け毛)が報告されています。症例報告や小規模研究では、投与増量期に急な脱毛が生じ、薬剤変更で回復した例も。これは「全員が艶髪」どころか、一部では髪の状態が悪化する可能性を示します。さらに、ASDで見られやすい選択的な食傾向や食事制限は、栄養の偏り(鉄・亜鉛など)を招くことがあり、艶やハリに影響します。つまり「診断名だけで髪がサラサラ決定」なんて法則は、薬理学・栄養学の観点からも成立しません。
⑤ 「エビデンスの在りか」を点検⇒髪ネタは“逸話”止まり!
学術データベースや公的機関の資料を見ても、ASD/ADHDと“髪の艶・直毛化”を直接結びつける信頼できる研究は見当たりません。一方で、ASDやADHDの子どもの髪試料を用いた微量元素分析などはありますが、これは「体内ミネラルの推定」を目的としたもので、艶や質感を“神経発達の本質的特徴”として扱ってはいません。したがって、インフルエンサーの主張は科学的合意(コンセンサス)不在。今のところは個人的印象(アネクドート)の域を出ません。
【さらに抑えておきたい論破ポイント(+α)】
- 観察バイアス&サンプルの偏り:同じタイプのフォロワーや画像ばかりを見て「艶髪が多い」と感じる罠。言及するなら、条件を揃えた比較試験が必要です。
- 文化・美容トレンドの影響:縮毛矯正・オイル・アイロンなどのケアで見かけ上の艶は変えられます。診断名とは独立です。
- スティグマ回避:「外見で○○っぽい」は偏見を助長します。科学的に不正確なうえ、当事者を不要に傷つけます。
【質疑応答コーナー】
セイジ
診断基準に髪って本当に出てこないんすか??
プロ先生
出てきません。ASDは社会的コミュニケーションと反復的行動、ADHDは不注意・多動・衝動性が軸で、髪質は診断項目ではありません。CDCの解説でもDSM-5の基準に基づくと明記されています。
セイジ
でもSNS見てると「発達の人は肌や髪がキレイ」って聞きますよね??
プロ先生
見た目は遺伝・毛包の形・ケア習慣が大きいです。直毛・カールは毛包形状の差で説明でき、艶は皮脂やキューティクル、スタイリングの影響も。神経発達特性と直接に結びつける研究は確認できません。
セイジ
薬で髪が変わることは…あるんすか??
プロ先生
個人差はありますが、刺激薬で脱毛が報告された症例はあります。用量調整や薬剤変更で回復したケースも。だから“みんな艶髪”と断定するのは逆に現場感覚からズレますね。また、ASDでは食の偏りが栄養状態(鉄・亜鉛など)に影響しうるので、髪の質感は一様ではありません。
【まとめ】
- 診断基準に髪は含まれない⇒「ASD/ADHD=艶髪」は根拠なし!。
- 髪質は主に遺伝・毛包形状・ケアで決まる⇒神経発達特性とは直結しません。
- 薬・感覚特性・栄養などの要因で“人それぞれ”⇒一括りは科学的ではありません。







































