- 大人の脳は25歳以降も可塑的で、学習法次第で伸びます。むしろ戦略的な学びが効きます。
- 「捨てる力」は“学ばないこと”ではなく“学習で得た判断基準の適用”。アンチ学習ではありません。
- 収入・健康・意思決定の質は継続学習と強く相関。忘却だけ重視はコスパ最悪です。
目次
はじめに
インフルエンサーの「25歳を超えたら学習能力は大して重要ではない、むしろ“アンチ学習能力(不要なものを忘れる力)”が大切」という主張は、一見それっぽく聞こえますが、実は肝心な部分を取り違えています。大人こそ“どう学ぶか”が効きますし、不要なものを見極めて捨てる判断も、結局は学習で鍛えた基準や知識があってこそ可能です。本稿では、脳科学・教育心理・キャリアの実証知見をベースに反論を5つお届けします。
反論1:25歳以降も脳は“学べる”どころか、学び方次第で爆伸びしますw
ポイント
* 脳の可塑性(新しい結びつきを作り替える力)は生涯にわたり続きます。若年期ほど速さは出やすい一方で、成人は「計画」「メタ認知」「動機づけ設計」が乗るぶん、到達点で負けません。
* 結晶性知能(知識・語彙・専門判断)は中年期まで伸びやすいことが多くの研究で示されており、経験に基づく“賢さ”は年齢とともに厚みを増します。
* 「大人はもう学べない」は誤り。正しい学習設計(間隔反復・想起練習・交互学習・フィードバック)を使えば、若い頃より短時間で深く定着させられます。
反論2:「捨てる力」は“アンチ学習”じゃない!⇒“高度な学習の産物”ですw
ポイント
* 何を切り捨てるかは、領域知識×ベイズ的更新×優先順位付けで決まります。これらは学習で獲得した評価軸がなければ機能しません。
* 専門家の“瞬時の見極め(チャンク化)”は、長期学習で形成されたパターン認識。学ばずに捨てるだけだと、そもそも“何を捨てていいか”が分からない。
* 実務の「不作為のコスト」は高い。情報を“見ない自由”は、見落とし・機会損失・リスク管理の失敗を誘発します。
反論3:「忘れるほうが重要」説の落とし穴⇒“忘却は味方”だが、放置は敵!
ポイント
* 忘却曲線は「勝手に忘れる」現象の記述。学習者が活用すべきは、意図的な“想起練習”や“間隔反復”で記憶を強化することです。
* 「忘れるほうが重要」ではなく、“忘れかけ→思い出す”負荷(望ましい困難)が定着を最大化します。“ただ忘れる”はスキル毀損。
* 実務でもクリティカルな手順(医療・航空・法務・インフラ)は学習とチェックリストで維持・更新します。忘却重視は安全文化に真っ向から逆行。
反論4:25歳以降のキャリアこそ“継続学習”が収入・選択肢を増やす!
ポイント
* 技能の半減期は短縮傾向(特にIT・データ・規制分野)。学び続ける人ほど“市場価値の耐久性”が高いのは各種調査で再現性が高い知見です。
* 継続教育・資格更新・マイクロラーニングを取り入れる企業は、生産性とエラー率で優位。個人側もジョブチェンジ・副業・昇進の選択肢が増えます。
* 「学ばずに捨てる」は短期的な時間節約に見えて、5年後の選択肢を削る“負債化”。
反論5:大人の学習は“体力勝負”じゃない⇒“設計勝負”だ!
ポイント
* 仕事×学習のデザイン(目的→成果指標→教材→実践→フィードバック→公開)は、成人に最適。“実務への即時転用”ができるため定着率が高いです。
* メタ認知(自分の理解を点検する)+プロジェクト化(成果物を出す)で、若年期の丸暗記よりROIが高くなります。
* 習慣化・環境設計(トリガー、場所固定、誘惑バンドル)を使えば、意思力に頼らず継続できます。
質疑応答コーナー
セイジ
大人になると覚える速度は落ちるんすか??
プロ先生
速さは少し落ちやすいけど、計画性とメタ認知で十分逆転できます。しかも大人は実務で即使うから定着率が高い。想起練習+間隔反復で“ゆっくり覚えて深く残す”のが勝ち筋です。
セイジ
忘れる力が大事ってのは、完全にウソっすよね??
プロ先生
半分だけ正しいです。雑音を切るのは重要。でもそれは学習で作った判断基準があるから可能。“学ばずに捨てる”は危険で、間違ったものを切ってしまいます。選択と集中=高度な学習の応用ですよ。
セイジ
仕事忙しくて時間ないっす…毎日やらないとダメなんすか??
プロ先生
毎日じゃなくてOK。週90分を3×30分に分けて、想起→実践→公開の小サイクルで回すだけで半年後に世界が変わります。“少量×高頻度×設計”が大人学習の最適解です。
まとめ
- 25歳以降も学習は重要⇒“設計された学び”が圧勝!
- 「捨てる力」は学びの副産物⇒アンチ学習ではない!
- 忘却は管理して活用⇒想起・間隔反復で武器化せよ!























