- 「既婚子持ちはSNSにいない」はデータ的に誤り。30〜40代も高利用です。
- 「唱え続けるだけ」導線にスピ商材は、ステマ規制や表示義務の観点でリスク高。
- ターゲティングはデモグラ前提ではなく、行動・課題ベース+検証が王道です。
目次
はじめに
「独身アラサー女だけを狙えば勝てる、既婚子持ちはSNSにいない、幸福を唱え続ければバズる、そして占い・スピ系を並べれば収益化」――こうした武勇伝は刺激的ですが、マーケ的にも法務的にも現実とズレが大きいです。この記事では、事実ベースのデータと現行ルールに照らしつつ、「それ、違います」を楽しくも的確に突きつける反論5選をお届けします。
反論①:「既婚子持ちはSNSにいない」→数字見て言ってる?w
「子持ち既婚はSNSに滞在しない」という断言は、年齢層の実データと矛盾します。総務省の調査を基に都道府県が整理した年代別利用率では、30代のInstagram利用が約51.7%、LINEは約85.6%、TikTokも約25.4%。40代でもLINEは約86%、Instagramも約22%の利用が確認され、そもそも「不在」ではありません。家庭や仕事の密度が高くても、連絡・情報収集・娯楽でSNSは「常在」ツールなのです。
さらに最新の通信利用動向では、インターネット利用目的のトップが「SNS(無料通話含む)」で約81.9%。ユーザー母数自体が広いのに、特定の属性だけを「暇で孤独」と決めつけるのは、機会損失を招きます。
反論②:「独身アラサー限定」はマーケットを狭めすぎ!⇒行動・課題で切り直すべし
「独身×年齢」だけでターゲットを括ると、利用動機・課題・接触時間帯という本質軸を取り落とします。たとえば「夜間に短尺動画で息抜きする保育世代」「朝にニュース系リールで効率よくインプットする管理職」「通勤中に占いで気分転換するライト層」など、同じ年齢でもニーズは多層です。
おすすめは“デモグラ固定”ではなく“行動×課題×文脈”でセグメントを切り、複数ペルソナをABテスト。訴求別にクリック率(CTR)→離脱率→CVR→LTVを見れば、「思い込みターゲット」より「問題解決ターゲット」の方が、持続的にCPAを下げやすいことが多いです。
(補足:SNS母集団の広さは上記データの通り。全方位配信ではなく、“仮説→小さく検証→スケール”の順で。)
反論③:「唱えるだけでバズる」導線にスピ商材⇒法務が一発レッドの可能性!?
いわゆるステルスマーケティングは、2023年10月1日から景品表示法違反。インフルエンサー等の第三者を介したSNS投稿でも、分からない表示はアウトです。バズ狙いで“自然投稿ふう”に商品を忍ばせるのは高リスク。
加えて通信販売の最終確認画面では、価格・支払時期/方法・引渡/提供時期・返品(特約)などの表示義務が定められています。ランディングで“都合の悪い情報を目立たなくする”のも、誤認のおそれ。導線設計は法定表示の順守が前提です。
反論④:「占い・スピを並べれば収益化」→クレーム多発領域で継続性に難w
国民生活センターには占いサイト・アプリの相談が年間1,000件超で、女性からが約8割という傾向が報告されています。無料だと思って登録→メッセージのやり取りで高額課金…といった典型トラブルが積み上がっており、返金・苦情・風評のリスクは現実です。短期の売上が立っても、返金コストやブランド毀損で損益が反転しかねません。
反論⑤:「ターゲット設定が大切」は正しい、でも“半分”だけ!⇒ポジショニング×検証が命
STPのS(セグメンテーション)とT(ターゲティング)だけを拡声器で叫んでも、P(ポジショニング)と検証設計が欠ければ再現性は出ません。
実践プロセスの例:
- 仮説設計:3〜5個の“課題ストーリー”を用意(例:孤独ケア/時間圧縮/自己効力感)。
- 訴求バリエーション:「変化の証拠(ビフォーアフター)」「社会的証明(レビューは表示に配慮)」など、3種×3トーン。
- KPI回し:流入(CTR)→中間(LPスクロール・滞在・重要セクション閲覧率)→CVR→リテンション(N日後継続率)。
- 合規チェック:Ad表記、最終確認画面の法定表示、アフィ/PR表記の整備。
“唱えるだけ”を卒業し、価値検証→勝ち筋の定量把握→クリエイティブの反復改善で、はじめてLTV>CACの構造が作れます。規制対応も設計にビルトインしましょう。
質疑応答コーナー
セイジ
既婚子持ちの人ってホントにSNS見てないんすか??
プロ先生
データでは30〜40代も高利用です。30代はInstagram約51.7%・LINE約85.6%、40代もLINE約86%・Instagram約22%の利用が確認されています。母集団が広いので「いない」は誤りっす。
セイジ
ステマって、ちょっと匂わせるくらいならセーフっすよね??
プロ先生
いいえ、分からせない表示は2023年10月以降NGです。SNS投稿も対象なので、表記は必須。さらにLPの最終確認画面では価格や返品特約などの表示義務もあります。
セイジ
「唱え続けるだけ」で売れるなら、占い並べれば楽勝っすか??
プロ先生
占い系は苦情・返金トラブルが多い領域で、長期のブランドには向きません。短期売上よりLTVと評判を優先し、価値提供型のコンテンツと正攻法の導線を磨いた方が再現性が高いです。
まとめ
- 「既婚子持ちはSNS不在」は誤り。30〜40代も普通に“そこ”にいますw。
- “唱えるだけ+スピ商材”は法務リスクと継続性の壁。表示義務&ステマ規制に要注意!
- 王道は行動・課題ベースの検証ループでLTV>CACを作ること。データと合規が最強です。







































