- MVは「オマージュ意図」だったが、原MVの一部無断使用が判明して公開停止。
- 音源の許諾はあったが、映像の権利処理は別物=ここが決定的な落とし穴。
- 日本法に「パロディ/オマージュ特例」は原則なし→“敬意”では免責されません。
目次
はじめに
Adoさんの「愛して愛して愛して」MVが突然の公開停止。理由は「原曲MVのクリエイティブの一部を無断で使用していた」ためという公式発表でした。しかも音源の許諾は取れていたのに、映像部分の法務確認が抜けていたという“意外”な構図。ネットでは「オマージュならセーフでは?」「Ado本人は関与?」など疑問が渦巻きました。本稿では、騒動の“なぜ”を一般論でなく事実ベースでスパッと解説。思わず「そこかよw」となる、ポイントを5つに整理します。
【なぜ問題になった? 事実5選】
① 「オマージュ意図」は明言…でも“無断使用”が事実認定 ⇒ 公開停止に
公式の謝罪文は、原曲MVを手がけたユニット「さしたま」(動画:赤卵さん/イラスト:さしみやまさん)のクリエイティブの一部を無断使用していたと自社調査で確認、レーベル判断で公開停止としています。「オマージュする意図はあった」ものの、許諾なしの使用はアウトという結論です。ここが今回の“根”。w (声明はユニバーサル・ミュージック合同会社とクラウドナインの連名)
② 音源の許諾はOKでも、映像は別権利 ⇒ 「音はセーフ、絵はアウト」の落とし穴
声明によれば2023年に原作者きくお氏の承諾のもと「歌ってみた音源」は制作済み。しかし映像は別の著作物で、原MV制作者の権利が及びます。音と映像は別レイヤーの権利体系で、音の許諾=映像もOKではありません。今回まさにここでミスが生じました。
③ 「Ado本人と外部制作チームは関与なし」と明記 ⇒ 責任の所在は“体制”に
謝罪文は「本件は弊社の管理体制の不備によるもの」「Ado本人および制作チームは法務確認の立場にない」と明確化。制作クレジット(イラスト:沼田ゾンビ!?/映像編集:Syamo.G/文字デザイン:Haる/映像制作:KZM)も示した上で、権利処理の責任はレーベル側にあると線引きしています。誰がどの権限だったのかをはっきり出したのが今回の特徴です。
④ 「日本法には“パロディ/オマージュ特例”が原則ない」⇒“敬意”は免罪符にならない!?
文化庁の検討資料でも、日本の著作権法に「パロディ(オマージュ)を包括的に許す個別の権利制限規定はない」と整理されています。引用等の例外に当たらなければ、原則として権利者の許諾が必要です。「オマージュです!」と言っても自動的に適法にはなりません。商業MVであればなお法務チェックは必須です。
⑤ 具体的な再発防止策が公開された ⇒ 「教育」「事前法務」「ガイドライン」
公式は(1)社内の著作権教育の再徹底(研修見直し)、(2)公開前の法務確認プロセスの強化、(3)外部作品利用のガイドライン策定・遵守を公表。単なる謝罪ではなく、運用改善のロードマップまで明記しました。プロセスの“仕組み化”が今後の鍵です。
補足の事実関係(時系列ざっくり)
- 原曲「愛して愛して愛して」はボカロP・きくお氏作、原MVは「さしたま」制作。
- 2025年4月:Ado版MVが公開(後に停止)。Adoのベスト盤にも収録された旨の報道があるほか、4/24公開の制作クレジット報道も確認できます。
- 2025年10月14日:ユニバーサル&クラウドナインが謝罪と公開停止を発表。
これが“意外”に感じる理由(プロ目線の考察)
* 「音はOKでも映像はNG」問題:音源に許諾があることで安心しがちですが、映像は別作品。広告・MV・PVの現場では権利の“多層構造”が定番の落とし穴です。
* 「オマージュ」の誤解:リスペクトを示す文化は尊い一方、法は“意図”でなく“結果(利用実態)”で見ます。日本法はフェアユース型の包括免除がないため、似せるほど許諾が要るという現実が立ちふさがります。
* 「責任の所在」表明:Ado本人・外部クリエイターの関与否定まで明記したのは、個人への二次被害(誹謗中傷等)を抑える趣旨もあるはず。組織として矢面に立つ判断が早かった点は、再発防止の実効性にもつながります。
質疑応答コーナー
セイジ
「オマージュって書けばOKだと思ってたんすけど…実際どうなんすか??」
プロ先生
「“オマージュ”の表現は文化的ですが、日本法に包括的な免除はありません。引用要件を満たすか、きちんと許諾を取るのが基本です。商用MVならなおさらです。」
セイジ
「音は許諾済みって話…じゃあ映像もセットでOKっすよね??」
プロ先生
「別です。曲の権利者と映像の権利者は違うことが多いです。音源OK=映像OKではありません。今回はそこがボトルネックでしたね。」
セイジ
「Adoさん本人は関係ないって公式が言ってるんすか??」
プロ先生
「はい、本人と外部制作チームは権利確認の立場ではなく未関与と明言されました。責任は組織の管理体制にあるという整理です。」
まとめ
- 「オマージュ」は文化、でも法は“結果”を見る⇒許諾なき使用は不可。
- 音源OKでも映像は別権利⇒音と絵は別々にクリアが必要。
- 再発防止は“人”でなく“仕組み”で⇒教育・事前法務・ガイドライン。





























