- 飲みハラ・セクハラ・パワハラを「楽しく引き受ける」のは、今の日本の法律と完全に逆行する危険行為です。
- 短期的な「成績トップ」より、ハラスメントによるメンタル不調・離職・訴訟リスクの方が会社にとっては大損です。
- 本当に評価されるのは「ハラスメントを断っても成果を出せる人」であり、自分の尊厳を削る必要は一切ありません。
目次
はじめに
「コンプラ厳しくて助かる」「ハラスメント全部たのしく引き受けたら成績トップになった」という発言は、一見“昭和営業魂w”っぽく聞こえるかもしれませんが、令和の現実とはズレまくっています。日本ではパワハラ・セクハラ防止はすでに法律で企業の義務とされ、違反すれば会社も個人も大きなリスクを負います。
ここでは、事実と法律に基づいて、「それ、何がどうおかしいのか?」を意5つの反論として整理していきます。
反論5選
① 「コンプラ厳しくて助かる」じゃなくて【違反したら会社ごと死ぬ時代】です
彼女の発言だと、「コンプラがゆるい時代=やりたい放題できてラク」「厳しくなった今こそ私みたいなのが得をする」と聞こえます。
しかし現実には、
・パワハラ防止措置を取らなかった企業
・セクハラを放置した企業
は、行政指導・訴訟・企業イメージの失墜など、重いペナルティを受けるリスクを負っています。
「全部たのしく引き受けたら成績トップ」どころか、
- もし相談や訴えが起きたら、人事・コンプラ部門の調査対象
- 上司・会社がハラスメントを黙認していたなら、組織ぐるみの問題
になりかねません。
「コンプラ厳しくて助かるw」じゃなくて、
「コンプラ違反したら会社も自分も詰む時代だから、危険なハラスメントを“受ける”こと自体がリスク」
というのが現実です。
② 「全部私が受けるから平和」じゃなくて【被害を一人に集中させてるだけ】です
「自分が飲みハラ・セクハラ・パワハラ全部受けます!」というスタンスは、一見「周りを守ってるヒーロー」っぽく聞こえるかもしれません。
でも実態は、
- 加害行為そのものは一切減っていない
- ただターゲットが“ほぼ一人”に固定されている
状態です。
これは、
- 他の部下や後輩は「断ったら自分が標的になるかも」と思って、声を上げにくくなる
- 加害者側は「この人はノリがいいからOK」と勘違いし、行為をエスカレートさせやすい
という悪循環を生みます。
しかも、被害者が「私が好きでやってますw」と言ってしまうと、周囲や会社が「じゃあ問題ないか」で終わらせやすくなるのも危険です。
ハラスメントは「相手が嫌がっていないように見える」から無罪になるわけではありません。 セクハラも、「相手の意に反した性的な言動」であればNGとされています。
「私が全部引き受ければ平和w」ではなく、
「加害者の行為を止めず、被害を一人に集中させてるだけだから、むしろ歪んだ職場を強化している」
と捉えるべきです。
③ ハラスメントを“営業スキル”に混ぜると【メンタルもキャリアも消耗戦】になります
研究や実態調査では、パワハラやセクハラの被害は、うつ・不安・睡眠障害・仕事への意欲低下・離職意向の上昇と密接に関連すると報告されています。
短期的には「飲み会で盛り上げて可愛がられて数字が伸びたw」と感じるかもしれませんが、長期的には
- 自尊心が削られる
- 「断れない自分」を責めてさらにストレス
- 心身を壊して休職・退職
という形でツケが回ってくるリスクが高いです。
さらに、
- 「ハラスメントに耐えられる人」だけが生き残る文化
- 声を上げる人が「空気読めない扱い」される文化
は、優秀な人材ほど早く辞めていきます。結果的に、組織全体の生産性・競争力を落とします。
「ハラスメントを含めて楽しめる私=タフで優秀」ではなく、
「自分の健康を削って“数字”を買っているだけで、長期的にはマイナス投資」
と言えます。
④ 「昔は当たり前w」を盾にしても、【今のルールの中で戦えないだけ】です
「昔はこれが当たり前だった」「昭和の営業なんてもっとひどかった」という言い分は、よく聞きます。
しかし、それは
- 安全配慮義務やハラスメントへの意識が低かった
- 法整備や判例が追いついていなかった
時代の話です。
今は、
- 法律が整備され
- 企業はハラスメント防止が義務
- 顧客側の意識も「そういうノリは無理っす」となりつつある
という、完全に別ステージに来ています。
本当に優秀な営業は、
- 顧客の課題理解
- 提案力・信頼構築
- チームでの情報共有
など、「ハラスメントに頼らない手段」で成果を出します。
「昔の常識を、今のルールの中でもそのままやってる人」は、
「新しいフィールドに適応する力が弱い人」とも言えます。
“昔は当たり前”は、今ではただの言い訳です。
⑤ 「全部引き受ければブチ抜ける」より【断っても評価される仕組みを作る方が100倍カッコいい】です
本当に「イイ時代」になったのであれば、
- ハラスメントを受けなくても
- 飲み会に毎回付き合わなくても
- 距離感を保っていても
成果とプロセスで評価される社会のはずです。
もし彼女が本当に優秀なら、
「そういう飲みハラ・セクハラはしません、させません」
「それをしなくても数字は作れます」
と示すことで、後輩たちの働きやすさを広げることもできるはずです。
「全部引き受けてブチ抜く人」より、
「断っても成果でブチ抜く人」の方が、
- 自分の尊厳を守り
- 周りの人の人生も守り
- 組織の文化すら変える
という意味で、はるかに“トップ”です。
質疑応答コーナー
セイジ
飲み会でエグいノリ振られても、笑って受けてる方が“空気読めてる”って評価されやすいじゃないっすか??
プロ先生
それ、短期的には「ノリがいい子」で済むかもしれませんが、長期的には危険です。受け続けると「この人にはどこまで言っても平気」と思われ、エスカレートしやすいですし、周りも「嫌でも我慢しないといけないのかな」と思ってしまいます。法律上も、相手の意に反した性的・暴力的な言動はハラスメントになり得ますから、「空気より自分の健康と法令」を優先していいんです。
セイジ
でも“そんなの嫌です”って言ったら、めんどくさいやつ認定されて出世に響く…ってよく聞くんすよね??
プロ先生
もし本当に「ハラスメントを断ったから評価を下げる」会社なら、そもそも将来性がかなり怪しいです。最近は、ハラスメントを放置していた企業が炎上して採用難になるケースも増えています。人事やコンプラ部門がきちんと機能している会社ほど、「きちんと断れる人」「ルールを守る人」を評価します。自分を守る行動が、そのまま企業リスクを減らす行動になるからです。
セイジ
“自分は絶対そういう飲みハラ営業はやりません”って若手の立場で言っても大丈夫なんすか??
プロ先生
言い方と場面を選べば、むしろ好印象です。「飲み会自体が悪」とは言わずに、「仕事は仕事として成果で勝負したいです」「お酒やセクハラっぽいノリに頼らず営業力を磨きたいです」とポジティブに伝えるのがコツです。また、1対1でいきなり上司にぶつけるのが不安なら、人事やコンプラ窓口に相談して言い方を一緒に考えてもらう方法もあります。
まとめ
- ハラスメントを「全部たのしく引き受ける」のは、法律にもメンタルにもキャリアにも大きなリスクがある行動です。
- 本当に評価されるのは、ハラスメントを断っても成果で勝負できる人であり、「昔は当たり前w」論法はもはや通用しません。
- 自分の尊厳と健康を守ることは、同時に組織と社会を少しずつマシな方向に変える、いちばん効率のいい“コンプラ行動”です。





























