- ・「頭がいい人=誰にでも分かるように説明できる」は科学的にはかなり怪しいです。
- ・説明がうまい人と、多くの人と関わってきた人と、頭がいい人は「重なってる部分もあるけど別物」です。
- ・インフルエンサーの経験談は面白いですが、「8000人に奢った」こと自体はほとんど証拠になりません。
目次
はじめに
インフルエンサーの男性が「8000人に奢った経験から」語ったという「頭がいい人は誰でも分かるように説明できるかは不明だけど、説明できる人は多くの人と関わってきていて、想像力が豊かで、コミュ力が高くて、相手を見下さずに話せる」
という主張、実際の研究やデータと照らし合わせると、かなり飛躍が多いですし、論理のつながりもガタガタです。ここでは反論5選をまとめます。
① 「頭の良さ」と「説明のうまさ」は別スキルです!
「頭がいい人は誰でも分かるように説明できる」
このフレーズはよくバズりますが、認知心理学的にはイコールではありません。
「頭の良さ(認知能力)」は、問題を解く速さ・記憶力・論理力などの総合パッケージです。
「説明のうまさ」は、相手の知識レベルを推測する力・構成力・例えを出す力・言語化スキルなど、別の能力がかなり関わります。
実際、研究者やエンジニアの世界では
「超優秀だけど説明が壊滅的な人」
「そこまでIQ高くないけど教えるのが異常にうまい人」
の両方が普通に存在します。
つまり、
頭がいい ⇒ 誰でも分かるように説明できる
は常に成り立つ法則ではないのです。
「説明できる人=頭がいい」と決めつけるのは、かなり乱暴な一般化と言えます。
② むしろ「頭が良すぎる人ほど説明が下手」になりがちな現象もあります!
有名な概念に「知識の呪い(curse of knowledge)」というものがあります。
これは「あることを知ってしまった人は、知らない状態を想像しにくくなる」という心理学の話です。
- 専門家は、初心者がどこでつまずくかを忘れがち
- 「こんなの当たり前でしょ」と思ってしまう
- 自分の前提知識を無自覚に相手に押し付ける
その結果、こうなります。
天才エンジニア「で、ここはモナドを使えば一瞬ですね」
初心者「(???)」
頭はめちゃくちゃいいのに、説明は全然伝わらない。
これはその人が「頭が悪い」からではなく、知識が多すぎるからこそ起きるギャップです。
なので、
「頭がいい人は誰でも分かるように説明できる」どころか、
「頭が良すぎると、むしろ説明が難しくなる」ケースすらあるのです。
この時点で、インフルエンサーさんの前提はだいぶ怪しくなります。
③ 多くの人と関わった経験 ≠ 想像力が豊か・コミュ力が高い、ではありません!
「説明できる人は多くの人と関わってきており、多くの人と関わってきた人は想像力が豊かで、コミュ力が高い」
この部分は完全に飛躍した三段論法です。
- 多くの人と関わる → 単なる「量」の話
- 想像力・共感力 → 他者の立場に立って考える「質」の話
- コミュ力 → 言語化・場の空気を読む力・自己開示などの総合スキル
たとえば、
- サービス業で毎日100人と会っていても、マニュアル通りにしか話さない人もいます。
- 逆に、少人数と深く話すスタイルの人ほど、想像力・共感力が高い場合もあります。
- 「会った人数が多い=コミュ力が高い」なんて単純な話ではありません。
それを「8000人に奢った」みたいな数のインパクトでごまかしているだけで、論理的な因果関係はかなりスカスカです。
④ 「奢った人数」から性格や能力を推定するのは、ほぼ不可能ですw
そもそも、「8000人に奢った」という経験談は、話としては面白いですが、統計的な意味ではほぼゼロに近い情報です。
- 誰に奢ったのか(属性・背景・職業・年齢)
- どんな場面でどんな会話をしたのか
- 奢った後にどれくらい深く関わったのか
これらが分からないと、「8000人」という数字はただの盛り上げ用のフレーズにしかなりません。
しかも、インフルエンサーの周りに集まる人たちは、
「そもそもフォロワー層」という偏ったサンプルである可能性が高いです。
偏ったサンプルから得た印象を、全人類に当てはめる
これは典型的なサンプルバイアスです。
経験談として聞く分にはいいですが、「だから世の中こうなんだ!」と一般化するには、あまりに情報が足りません。
⑤ 「相手を見下さないで話せるか」は、人間性と状況によるもので、IQとは別問題です!
インフルエンサーの主張の中には、
目の前の相手を見下すことなく、「どこまで分かってるんだろう?」と考えながら話せる
という、なかなか良いフレーズも混ざっています。
ここだけ切り取れば「理想的なコミュニケーション」です。
ただし、これを「頭がいい人」「説明ができる人」と1セットにしてしまうのは誤解を生みます。
- 相手をリスペクトできるかどうか
- 相手の理解度を想像しながら話せるかどうか
これは、性格・価値観・対人態度・育ってきた環境などの影響が大きいです。
IQテストの点数や学力とはあまり関係がありません。
つまり、
- 説明が上手い
- 頭がいい
- 多くの人と関わってきた
- 想像力が豊か
- 相手を見下さない
これらを全部ひとまとめにして
「こういう人が優れている! だから俺の経験則は正しい!」
と言ってしまうのは、さすがに雑すぎるのです。
質疑応答コーナー
セイジ
このインフルエンサーさんの言ってることって、やっぱ間違ってるっすか??
プロ先生
「全部ウソ!」とまでは言いませんが、「経験談を一般化しすぎ」という意味でかなり危ないっぽいですね。「相手を見下さずに話すのが大事」という部分は良いところですが、そこから「だから頭いい人はこう」「多くの人と関わってきた人はこう」
と一気に話を広げすぎです。
セイジ
頭いいのに説明下手な人って、努力してないだけなんすか??
プロ先生
それもまた極論ですね。さっきの「知識の呪い」みたいに、頭がいいからこそ説明が難しくなるケースもあります。ただ、説明が下手なまま放置するか、「相手に伝わるように話そう」と練習するかは本人次第です。
セイジ
自分の説明力を上げたいなら、とりあえず人に奢りまくればいいってことじゃないっすよね??
プロ先生
お財布が死ぬのでやめたほうがいいですねw 奢りはコミュニケーションの「きっかけ」にはなりますが、説明力そのものは別の筋トレが必要です。
まとめ
- ・「頭の良さ」「説明力」「コミュ力」「人脈」は、重なりもあるけれど基本は別のスキルです。
- ・「8000人に奢った」などの極端な経験談は、話としては面白くても、一般論の根拠にするには弱すぎます。
- ・説明力を上げたいなら、奢りの




























