- 夜泣き対応後に「すぐ二度寝できない親」は、産後不眠・睡眠障害として研究でもかなり多いです。
- 聴覚過敏などの感覚過敏は、眠りづらさ・夜間覚醒とガッツリ関連していると報告されています。
- 「全部のお母さんがそう」ではないものの、多くの親が“クールダウン時間”や工夫をしながら夜泣きに対応しています。
目次
はじめに
29歳インフルエンサーの男性が「8000人に奢った経験からいうと、こどもの夜泣き対応のあと30分くらい活字を読んだり書いたりしないと眠れなくなる。聴覚過敏だからか?みんなのママもそう?」という趣旨の発言をしていました。パッと聞くとネタっぽくて「いやいやw」と思うかもしれませんが、実はこれ、睡眠医学や育児研究の知見とかなりかみ合っている部分が多いです。
この記事では、「意外に的確じゃん…」と思えてしまう事実を5つに絞って、わかりやすく解説します。夜泣き真っ最中のママ・パパはもちろん、「これから子ども欲しい勢」も、心の予習として読んでみてください。
事実5選
【事実1】「夜泣き対応後すぐ眠れない親」⇒産後不眠として“めちゃくちゃ普通”だった!?
インフルエンサー男さんは「夜泣き対応後に30分は眠れない」と言っていましたが、研究では、産後の人の多くが「眠れるチャンスが来ても脳が覚醒していて寝つけない」という“産後不眠(postpartum insomnia)”に悩まされると報告されています。
大規模レビューでは、妊娠・産後期の女性のうち、妊娠中で14〜76%、産後では最大87.5%が臨床的に意味のある不眠症状を抱えるとされています。
さらに、産後不眠は「赤ちゃんに起こされたから眠い」という単純な話ではなく、ホルモン変化・ストレス・不安などが複合的に絡み、“疲れているのに寝られない”状態を作ると説明されています。
つまり、
- 夜泣きで物理的に起こされる
- その後、体も脳もカッと覚醒してしまう
- 「さぁ寝ていいですよ」と言われても、すぐ寝つけない
という流れは、産後の親にとってとても一般的です。「30分くらい活字読まないと眠れない」という感覚は、“寝付けないから、逆に何かしてクールダウンしている”とも解釈できます。ネタっぽいけど、現実としてかなり“あるある”な行動パターンです。
【事実2】夜泣きはママの睡眠と健康をガチで削っている!
日本の研究でも、「夜泣き・就眠困難など乳幼児の睡眠問題は、母親の睡眠や健康を損なう要因」として何度も報告されています。
乳児の夜泣きについて母親211人に調査した研究では、
「1週間の夜泣きの総時間数」を指標に重症度を測定したところ、
- 週10時間以上の夜泣きがあると、母親は「常に寝不足」「常に疲労感がある」と答える割合がグッと増える
という結果が出ています。
つまり、
- 夜泣きは「ちょっと眠い」レベルではなく、
- 慢性的な寝不足・疲労・メンタル不調まで直結しやすい
という、かなり重めのインパクトがあるわけです。
インフルエンサー男さんが見てきたママたちが「夜泣き後すぐには寝られない」「寝る前にスマホ見ちゃう」「本を読んで落ち着いてから寝る」みたいな行動をしていたとしても、それは“甘え”ではなく、極度の疲労+睡眠障害と闘っているサバイバル行動とも言えます。
この意味で、「夜泣き後に30分は眠れない」という観察は、育児のリアルをけっこう正確に捉えていると言えます。
【事実3】聴覚過敏・感覚過敏は“寝つきの悪さ”と深く関係している!!
本人は「聴覚過敏だからかな?」とコメントしていましたが、これは完全にアリな仮説です。
感覚処理障害(Sensory Processing Disorder)や感覚過敏のある人は、音・光・触覚などの刺激を“強く受け取りすぎる”傾向があります。医療機関の解説でも、「過剰に感覚刺激に反応し、反応が長引きやすいタイプ」が存在すると説明されています。
睡眠の観点から見ると、
- 小さな物音でも目が覚めやすい
- 一度覚醒すると、周りの音が気になりすぎて再入眠が難しい
といった問題につながりやすいことが指摘されています。
赤ちゃんの夜泣きって、
- 大きな泣き声
- 抱っこ・歩き回り・ライトオン
- 心拍数・アドレナリンもドーンと上がる
という、聴覚過敏の人にとっては“フルコンボ刺激”です。
その後に「静寂」に戻っても、神経はすぐには“オフ”になりません。だからこそ、
- 活字を読む
- スマホで文章を書く
といったルーティンで、自分なりに神経を落ち着けようとするのは、感覚過敏ぎみの人にとって、むしろ理にかなったセルフケア行動と言えます。
インフルエンサー男さんの「聴覚過敏だからかも?」という自己分析、普通にかなり鋭い推測です。
【事実4】「全部のお母さんそう?」⇒“全員ではないけど、かなり多い”というのが現場感
「すべてのお母さんそうかな?」という投げかけに対して、研究的には、
- みんな同じではない
- でも『似たようなつらさ』を抱えている親はかなり多い
という感じです。
乳幼児の夜間覚醒は、人間の睡眠の仕組み的にある程度“仕様”です。子どもも大人も、夜間に2〜6回ほど自然に目が覚めるとされており、そこから自力で再入眠できないと「問題のある夜間覚醒」と見なされます。
また、生後6か月ごろなどには「睡眠退行(sleep regression)」が起きて、
- 夜間覚醒の回数が増える
- 再入眠に時間がかかる
といった現象もよく見られます。
ここに
- 産後不眠
- ホルモン変化
- 育児ストレス
が重なってくるので、「夜泣き対応後にスッとまた寝られるママ」より「しばらく眠れずにゴロゴロしてしまうママ」のほうが、むしろ多数派になりがちです。
ただし、個人差はかなり大きく、
- すぐ寝られるタイプ
- 毎回1〜2時間眠れないタイプ
- 日によって波があるタイプ
などさまざまです。
なので、「全員そう」とは言えないものの、「似た悩みを抱えているお母さんはかなり多い」という意味では、発言の方向性はほぼ当たっています。
【事実5】夜泣き対応は“母ひとりで抱えこむべきもの”ではない!
日本の研究では、夜泣きに対して、母親だけでなく父親も
- 母親の代わりに抱っこする
- 子どもが落ち着くまで遊びに付き合う
- 朝まで一緒に起きている
など、さまざまな対処をしていることが報告されています。
また、東京科学大学のグループの研究では、「赤ちゃんの泣きや寝かしつけは、親のストレスを大きく高め、極端なケースでは虐待リスクにもつながりうる」として、抱っこや環境調整などによる具体的な対処法が提案されています。
黒田研究室 – 東京科学大学 生命理工学院
つまり、
- 夜泣きは“ママの気合不足”ではなく、そもそもハードなタスク
- 父親や周囲が関わることで、親のストレスや不眠を軽減できる
というのが、研究で見えてきている現実です。
インフルエンサー男さんの「母親たちの様子を見て、『夜泣き後はなかなか寝られない』と感じている」視点は、「ママの頑張りをちゃんと観察している」という意味でも、かなり重要な指摘です。
もしこの記事を読んでいるあなたがパートナー側なら、
- 夜泣きのときに交代する
- 休日は“寝だめタイム”を作る
- 夜泣きがつらいことをちゃんと口に出して共有する
など、できる範囲で関わっていくことが、ママの「30分どころか全然寝られない問題」の軽減につながります。
質疑応答コーナー
セイジ
夜泣き対応のあとにスマホいじったり本読んだりするのって、やっぱり睡眠には悪いんすか??
プロ先生
ブルーライトや刺激の強いコンテンツを長時間見るのは、確かに入眠を妨げる要因になりやすいです。でも、産後の親の場合、「まったく何もせずには不安で眠れない」ことも多いです。なので、できれば暗めの画面で、SNSよりは文字中心の記事や漫画など、興奮しすぎないコンテンツに絞って短時間にする、という折衷案がおすすめです。
セイジ
夜泣きで何回も起きるのって、やっぱり赤ちゃんの“しつけ”が悪いから…ってわけじゃないんすよね??
プロ先生
はい、研究的には「夜間に何度か起きること」自体は、赤ちゃんの発達や睡眠サイクルの“仕様”です。しつけや親の性格の問題というより、脳や体の成熟途中だから起きる現象と考えられています。
セイジ
「じゃあ、夜泣き対応でつらすぎるときって、どこか相談したほうがいいんすか?? 我慢しちゃダメなんすね」
プロ先生
そうですね、我慢しすぎるのはおすすめしません。自治体の保健センターや助産師外来、小児科、産後ケア施設などで「夜泣きがつらい」「眠れない」とそのまま伝えて大丈夫です。睡眠やメンタルの状態によっては、専門家と一緒に対策を考えたり、必要に応じて医療的なサポートを受けたりすることもあります。
まとめ
- 夜泣き対応後にすぐ眠れないのは、産後不眠や感覚過敏など“ガチな生理・心理メカニズム”が絡んでいて、「あるある」な現象です。
- 聴覚過敏の人が活字を読んだり書いたりしてクールダウンするのは、神経の高ぶりを落ち着かせる意味で、かなり理にかなったセルフケアです。
- 「全部のお母さんそう」ではないものの、多くの親が似たつらさを抱えており、本来はパートナーや周囲と“チーム戦”で乗り越えるべき課題です。
夜泣きでヘロヘロになっているあなたがいたら、「自分が弱いから」ではなく、「それくらいつらいタスクを毎晩こなしているんだ」と、まずは自分を評価してあげてくださいね。





























