- 社会で伸びるのは「頭の良さ」よりも、行動力や性格など非認知スキルのほうが効くデータが多いです。
- 受験制度は「頭が良いだけの人」を増やしやすく、創造性や主体性は評価されにくいことが研究でも指摘されています。
- 「行動しない奴はカス」と説教する人ほど、自分の能力を過大評価するバイアスにハマっている可能性があります。
目次
はじめに
29歳インフルエンサーの男性が「社会は頭が良くて自分で動く奴が支配している」「頭が良いだけの奴は受験制度でチヤホヤされて勘違いしたまま」「自分で動かない奴はカス」といった趣旨の持論を語り、「そういう説教する奴ほど自分がカスだと気づいてない」と自虐(?)混じりに語った、というネタがバズりました。この人は実際に「8000人に奢った」というかなり極端な経験を売りにしていて、その体験から人間観や社会観を語るスタイルで注目されています。
一見ただの煽り持論に見えますが、「頭の良さ」「行動力」「受験制度」の話は、教育・心理・経済の研究と重なる部分もけっこうあります。
ここでは、このインフルさんの主張の“どこが事実寄りで、どこがただのイキりか”を、意外にガチな5つの事実として整理してみますw
① 「頭が良いだけマン」は、意外と社会で伸びにくい!?
インフルさんの言う「頭が良いだけの奴」と「頭が良くて、自分で動く奴」を分ける発想は、実は学術的にもかなり近いです。
- テストで測れる認知能力(IQや学力)
- コツコツやる力・社交性・主体性などの非認知スキル(性格・行動特性)
この2つは別物として扱われていて、収入やキャリア成功は“性格やモチベ、行動習慣”もセットで見ないと説明できないことが、大規模な研究で何度も示されています。
ざっくり言うと、
そこそこ頭が良くて、ちゃんと動く人
>> 超頭いいけど面倒ごとは全部スルーする人
という構図になりやすいです。
インフルさんの「頭が良くて、自分で動く奴が支配してる」という言い方はあおり強めですが、“行動力も含めての頭の良さが評価される”のは、けっこうガチな傾向です。
ただし、ここで注意なのは、
「自分で動かない=努力不足」ではなく、環境やメンタルの問題で動けないケースも多いという点です(これは⑤で触れます)。
② 受験制度は「頭が良いだけの人」を量産しやすい現実
インフルさんは「頭が良いだけの奴を受験制度でチヤホヤして勘違いさせる」と言っていますが、受験が“測っていない能力”が多すぎるのは、専門家の間でもかなり前から言われていることです。
- 共通テストや標準テストは、基本的に分析・記憶・計算など“正解のある問題”に強い人を選別する
- 一方で、創造性・実行力・倫理観・リーダーシップといった「世界を変えるタイプの力」はほとんど測れない
認知心理学者のロバート・スタンバーグらは、標準化テストは“狭すぎて”、世界を変えるタイプの人材を見つけるのに向いていないと批判しています。
その結果、
- テスト勉強・空気を読むことには異常に強い
- でも、自分からリスクを取って動くのは苦手
- 「テストで勝ってきた=自分は優秀」と思い続けてしまう
という、“頭が良いだけの優等生”を量産しやすい構造になっています。
インフルさんの「受験でチヤホヤされて勘違いしたまま」という表現は乱暴ですが、「評価システムが偏っている」と言う意味では、割と事実寄りなんですよね。
③ 「頭いいね」だけ褒められると、マジで動けなくなる件
「頭が良いだけの奴止まりになるメカニズム」として、“褒められ方の問題”も大きいです。
心理学者キャロル・ドゥエックの研究では、
- 「頭がいいね」と能力そのものを褒められた子よりも
- 「よく頑張ったね」と努力を褒められた子のほうが
失敗から立ち直りやすく、難しい課題にも挑戦する傾向があることが示されています。
つまり、
- 子ども時代から「テストで点取る=頭いい=すごい」と言われ続ける
- 「失敗したら“頭よくない側”に落ちる」と感じる
- リスクを取りたくなくなり、“動かない優等生”が完成
という流れが起きやすいのです。
インフルさんの言う「頭が良いだけの奴」が生まれる背景には、
・受験制度の評価の偏り(②)
・“頭の良さ”だけを過剰に褒める文化(③)
がセットで働いていると考えると、かなりスッキリ説明できます。
④ 「行動しない奴はカス」と説教しがちな人ほど危うい理由w
じゃあ、「自分で動かない奴はカス!」と煽り散らす人は“行動力の塊”なのかというと、そうとも限らないのが人間のめんどくさいところですw
心理学で有名なのが、いわゆるダニング=クルーガー効果。
これは、能力が低い人ほど「自分は平均より上」と思い込みがちというバイアスです。
- 実力が高い人ほど「上には上がいる」と思いやすく、謙虚になりがち
- 中途半端な人ほど「自分はわかってる側」だと思って説教しがち
という傾向が、いろんな分野で観測されています。
なので、
「社会とはこういうものだ!」「お前らはカス!」と断言しがちな人ほど、
実は自分の限界をちゃんと測れていない可能性は高いです。
インフルさん自身がそこに含まれるかはさておき、
「社会をざっくり言い切って他者をカス呼ばわりする人」がちょっと危うく見えてしまうのは、人間の認知バイアス的には筋が通っていると言えます。
⑤ 「自分で動けない人」は、性格だけじゃなく“環境”にも縛られている
インフルさんは「自分で動かなければ価値はカス」と言い切っていますが、ここは事実とはズレている部分です。
- お金の不安
- 介護・育児・病気
- ブラック職場やハラスメント
こうした要因は、行動するための“脳の余裕(メンタル・認知資源)”を削ります。
経済学や心理学の研究では、極端な経済的不安やストレスは、注意力・判断力・遂行機能に影響し、行動の質を下げうることが報告されています。
つまり、
行動しない=怠け
ではなく、
行動する余裕を奪われている人も多い
ということです。
「行動した人だけが偉い」ではなく、
「行動できる環境・メンタルをどう整えるか」まで含めて考えないと、公平な話になりません。
インフルさんの「自分で動かない奴はカス」という表現は、
・“行動の大事さ”を極端に強調している点では事実寄り
・“動けない人の事情”を完全に無視している点では、ただの切り捨て
と言えます。
じゃあ、どうすれば「頭が良くて、自分で動ける側」に寄れるのか?
インフルさんの煽りを、現実的な行動に落とすなら、「天才になれ」ではなく「普通レベルの頭でいいから、動きやすい土台を作る」が正解寄りです。
- 「頭が良いね」ではなく「やり切った自分」を褒めるクセをつける ⇒ 固定観念を減らす
- いきなり人生大逆転ではなく、「今日30分だけ作業」「1人にだけ連絡」みたいな“超小さい行動”から始める
- 自分を「カス」と断定するSNSを見すぎない ⇒ メンタルの帯域を無駄に消耗しない
- お金・健康・人間関係など、“行動を邪魔している環境要因”を一個ずつ減らす
「頭が良くて、自分で動く奴だけが上」というより、
「そこそこ頭を使いながら、動ける自分でいられる環境を確保した人」が結果的に有利、というイメージのほうが現実に近いです。
質疑応答コーナー
セイジ
頭いいだけマンは伸びにくいって話でしたけど、じゃあ学歴とか資格ってあんま意味ないってことっすか??
プロ先生
学歴や資格は「入口の切符」としては今でもかなり意味ありますよ。ですけど、それだけで一生安泰という時代ではなくなってます。問題は「学歴があるから自分は優秀」と思った瞬間に、学びや行動が止まりやすいことです。
セイジ
行動力が大事なのは分かるんすけど、そもそもビビりで動けないタイプなんすよ…こういうのって、やっぱ才能なんすか??
プロ先生
ビビりかどうかって、半分くらいは性格ですけど、残り半分は“設計の仕方”でかなり変わります。行動力って、“怖さを感じつつ踏める一番小さいペダルを踏み続けるスキル”に近いです。だから、才能というより「段階の刻み方」と「自分を責めすぎないメンタル設計」のほうが大事なんですよ。
セイジ
SNSで『行動しない奴はカス』とか『お前らは搾取される側w』とか言ってる人、もう全部ミュートしたほうがいいっすか??
プロ先生
自分を本気で動かしてくれる言葉なら残しておいてもいいですが、見たあとただ凹くだけならミュートでOKです。さっき触れたように、他人をカス呼ばわりして断言する人ほど、自分の限界を客観視できていない可能性もあります。
まとめ
- 社会で効くのは「頭の良さ」+「行動力」+「環境」のセットで、どれか1個だけドヤ顔しても微妙ですw
- 受験や「頭いいね」だけの褒め文化は、「頭が良いだけで動けない人」を生みやすい仕組みになっているのは事実寄りです。
- 「行動しない奴はカス」と切り捨てるより、自分が動きやすい土台をちょっとずつ整えていく人のほうが、静かに強いです。





























