- 「友だち多いアピール」は、しばしば“距離感バグ”とセットになりやすいです。
- SNS時代は「知ってるだけの他人」が「友だち」にカウントされやすくなっています。
- 本当に心を預けられる「マブダチ」は、数字よりも「深さ」と「積み重ね」で見えてきます。
目次
はじめに
マッチングアプリ経由で結婚したいわゆる「アプリ婚マン」が、「マブダチ10人います!」と胸を張ったものの、「でも全員推し活の人です」と続けた――こうしたエピソードは笑えるようでいて、現代の人間関係の本質をけっこうえぐっている気がします。SNS全盛のいま、「友だち」の定義が広がりすぎて、顔と名前を知っているだけの人までカウントされがちです。本記事では、この現象から見えてくる事実を5つにまとめ、笑いつつも自分の人間関係を見直すきっかけにしてもらえたらと思います。
① 「友だち10人います!」の“10人”は、だいたい「条件付き」w
「マブダチ10人います!」と言う人に、「じゃあ、その10人に深夜2時に助けを求められたら全員行く?」と聞くと、たいてい言葉に詰まります。
実際には、その「10人」にはこんな人たちが混ざっていることが多いです。
- 会うのはイベントのときだけの人
- 同じ趣味で盛り上がるけど、弱音はほぼ話さない人
- SNS上でいいねを押し合う「顔見知りレベル」の人
こういう人たちを「マブダチ」と呼んでしまうと、数字は一気に増えますが、実態はだいぶ薄くなります。
つまり、「友だちの数」って、定義をゆるくすればいくらでも盛れるんですよね。
数字だけ聞いて「うわ、友だち多くてすご!」と感じる前に、「その人たちとはどんな関係?」と一歩踏み込んで考える必要があります。
② 推し仲間=マブダチとは限らない現実…!
アプリ婚マンの「全員推し活の人です」という一言には、現代の人間関係の特徴がギュッと詰まっています。推し活仲間は、
・初対面でも一瞬で盛り上がる
・イベント中はテンションMAXで一体感がすごい
という強烈な「場のつながり」があります。
しかし、その一方で、
- 推しの話題がなくなると、会話がほとんど続かない
- お互いの仕事・家族・お金の悩みなどは深く知らない
- 推しへのスタンスが変わると、急に距離があく
といった脆さもあります。
「推し」という共通テーマがあるからこそ強く繋がれている一方で、「推し」がなくなった瞬間に消えてしまう可能性がある関係でもあります。
それを「マブダチ10人!」と言い切ってしまうのは、やっぱりちょっと距離感がバグっていると言わざるを得ません。
③ 「知り合い」と「友だち」の境目は、“弱音”と“秘密”でバレる!?
「友だち多いです!」という人の話を聞いていると、よくよく考えるとそれ「知り合い」じゃない?というケースが多いです。
「知り合い」と「友だち」を分けるシンプルな基準として、次の2つがあります。
- 弱音を安心して吐けるかどうか
- 人には言いにくい話を共有したことがあるかどうか
推し活の場では「推しが尊い」「グッズ積みすぎたw」といった“楽しい弱音”は共有できても、
・仕事でミスをして落ち込んでいる
・家族との関係がしんどい
・将来のお金が不安
といった、生身の自分に関わる弱音はなかなか出しづらいですよね。
もし、「その10人のうち、ガチの弱音をぶつけられるのは何人?」と聞いてみて、「1人…いるかな…?」レベルなら、それはもう「マブダチ10人」ではなく、「推し活仲間9.5人+ちょっとだけ本音を話せる人0.5人」くらいかもしれません。
④ SNSの「つながり」は“広く薄く”になりやすい現象w
SNSの普及で、人間関係はとにかく「広く」なりました。
・フォロワーは数百〜数千人
・オンラインサロンやコミュニティに複数所属
・マッチングアプリ・ゲーム・配信コメント欄など接点は無限
結果として、「知っている人」「タイムラインに見かける人」は爆増しましたが、そのぶん1人1人との関係は薄くなりがちです。
- いいねを押し合っていても、リアルでは会ったことがない
- スペースや通話で盛り上がっても、悩みはあまり共有しない
- 少し距離を置くだけで、あっさりフェードアウトする
こうした「広く・薄い」関係を大量に抱えていると、人によっては「自分、友だちめっちゃ多いじゃん!」と錯覚しやすくなります。
しかし、いざ自分が本気で困ったときに連絡できる人を数え直すと、「あれ…?」となることも少なくありません。
なので、「フォロワー数=友だちの数」と思い込むのは、かなり危険な計算式です。
⑤ 大人になるほど「ガチの友だち」は減るけど、むしろそれが普通!
もう一つ押さえておきたい事実は、「大人になればなるほど、ガチの友だちは減っていくのがむしろ普通」ということです。
社会人になると、時間も体力も有限になります。
- 仕事・家事・育児で、自由時間が激減する
- 引っ越し・転職・結婚などで生活圏がズレる
- 価値観の変化で、学生時代のノリが合わなくなる
こうした変化を経てもなお、連絡を取り続け、お互いの変化を受け入れ合える人は、どうしても限られてきます。
だから、「マブダチは2〜3人いれば多いほう」「ゼロの時期があってもおかしくない」くらいの感覚のほうが、現実的です。
むしろ、大人になってまで「マブダチ10人!」「友だち50人!」と数を誇らしげに語ってしまう人ほど、「ちゃんと関係を深められているのかな?」と疑ったほうが安全なケースもあります。
数を盛るより、「この人には何でも話せる」「連絡が途切れても、久々に会えばすぐ戻れる」――そんな人が1人でもいるなら、それはかなり恵まれていると言っていいのです。
質疑応答コーナー
セイジ
正直、自分マブダチなんて1人いるかいないかなんすけど、それってやっぱヤバいっすか??
プロ先生
全然ヤバくないです。むしろ、大人になっても「この人には弱音を見せられる」と思える相手が1人いる時点で、かなり勝ち組です。数字だけ見て「友だち多いほうが偉い」と思いがちですが、実際は「どれだけ本音で話せるか」「どれだけ長く続いているか」のほうが重要です。マブダチ1人=薄い知り合い10人分以上の価値がある、と考えていいくらいですよ。
セイジ
推し活の仲間って、やっぱ“友だち”って呼ばないほうがいいんすよね??
プロ先生
呼んじゃダメ、というわけではありません。「推し活仲間=友だち」でもいいのですが、心の中で「この関係は“推し”があるから成り立っている部分も大きいな」と一歩引いて見ておくのが大事です。ラベルは何と呼んでも自由ですが、「どこまで踏み込める相手か」を自分で理解しておくことが大事ですね。
セイジ
「友だち多いです!」って言ってくる人と距離置いたほうがいいパターンとか、あったりしますません??
プロ先生
あります。全部が全部とは言いませんが、注意したほうがいいのはこんなタイプです。会ってすぐ「友だち認定」してきて、距離を一気に詰めてくる人。「友だち多い=自分はすごい」とマウント材料にしてくる人。こういう人は、関係の「深さ」よりも「数」や「ノリ」を重視しがちで、トラブルになったときに簡単に切り捨てたり、人に話してしまったりすることがあります。
まとめ
- 「友だちの数」は定義をゆるくすればいくらでも盛れるので、数字より中身を見るのが大事です。
- 推し活仲間やSNSのつながりは尊いけれど、「弱音」や「秘密」を預けられるかどうかで本当の友だちか判断できます。
- 大人になっても本音を話せる相手が1〜2人いれば十分で、「友だち多いアピール」には距離感バグのサインが隠れていることもあります。



























