- 中学で「所属感」がないまま高校デビューすると、無理なキャラ作りで燃え尽きやすいです。
- 不登校は「サボり」ではなく、自己否定と人間関係の疲弊が積み重なった結果になりやすいです。
- SNSでの「陽キャごっこ」で同じループを繰り返す前に、等身大の自分でいられる居場所を作ることが大事です。
目次
はじめに
29歳インフルエンサー男性が「9000人に奢った経験」から語ったという、「中学でリア充グループに入れない ⇒ 高校で陽キャになりすます ⇒ 嫌われて不登校 ⇒ 受験失敗 ⇒ 社会人になってもSNSで陽キャを演じ続ける」という負けループ。誇張表現や笑いどころも多いですが、「あ、これ友だちで見たやつ…」「自分も半分そうかも…」と感じる人も少なくないはずです。この記事では、煽りっぽい表現の裏側にある“意外とガチな事実”を、5つのポイントに分けて解説します。
事実5選
①「中学でリア充グループに入れない」⇒「自分は負け組」レッテルが貼られやすい
インフルエンサーの語るループの一番最初にあるのが、
「中学でリア充グループに入れない」というスタート地点です。
ここで重要なのは、
「リア充かどうか」より「居場所があるかどうか」です。
- 同じメンツでつるむグループがない
- LINEグループや通話に、呼ばれたり呼ばれなかったりが続く
- 教室では特に話す相手がいない時間が長い
こういう状況が続くと、多くの子は
「自分はハズレ枠なんだ」「自分には価値がないのかも」
という自己イメージを持ちやすくなります。
実際のところ、大人から見ると「たまたま相性の合う子が同じクラスにいなかった」「部活を変えれば一気に友だちができるタイプ」の子も多いのですが、10代の感覚だとクラスでのポジション=人生のランクくらいの勢いで思い込んでしまいやすいです。
この「自分は下側の人間」というレッテルが、高校以降の行動をかなり強く縛ることになります。
②「高校で陽キャになりすます」⇒無理なキャラ作りは高確率で燃え尽きる
インフルエンサーが描いていたルートでは、
高校で陽キャになりすます
⇒ 最初はチヤホヤ
⇒ 数カ月で嫌われムーブ突入
という流れになっていました。これ、精神的にはかなりリアルです。
高校デビューでありがちなのが、
- テンションを無理に上げる
- キャパ以上に飲み会・遊び・通話に参加しまくる
- 実は得意でもないノリ(いじり・下ネタ・マウント)を無理に使う
最初は周りも「ノリいいやつ来たw」と受け入れてくれますが、
本人はずっと「演技モード」で疲弊していきます。
疲れがピークに来ると、
- 急に連絡が面倒になって既読スルーが増える
- テンションを保てなくなり、急に無口になる
- ノリについていけない自分に自己嫌悪する
その結果、周りからは
「あいつ最初と違う」「裏表あるやつじゃね?」
と見られて、距離を置かれやすくなります。
インフルエンサーが言う「陰キャバレで一気に距離置かれる」というのは、
“嫌なやつだから”というより、“キャラが無理ゲーだったから”というケースがかなり多いです。
③「不登校」⇒さぼりじゃなくて自己防衛のスイッチが入った結果
そこからさらに進むと、
⇒ そのまま不登校
⇒ 大学受験失敗
というルートが続いていました。
ここも「あるある」なポイントがいくつかあります。
- 教室に行く=キャラを演じる場所に戻らされる感じがある
- 元の「陰キャ」側にも戻れない気がして、どこにも居場所がない
- 「また変な空気になったらどうしよう」という不安が毎朝襲ってくる
こうなると、頭では「行かなきゃ」と分かっていても、身体が反応的に止まることが多いです。
- 家を出ようとするとお腹が痛くなる
- 駅まで行ったのに足が動かなくなる
- 学校のラインを開くだけで動悸がする
これは「怠け」ではなく、ストレスや不安から身体が全力でブレーキを踏んでいる状態です。
インフルエンサーの煽り風表現だと軽く見えますが、現実としては
自己否定+人間関係のトラウマ ⇒ 不登校
という流れは、かなりよく起こるメカニズムです。
そして一度ペースを崩すと、
- 勉強の遅れが現実的に追いつきづらくなる
- 「どうせもう無理っしょ」という思考が強化される
- 受験や進路を考える気力すら湧かない
結果として「受験失敗」や「望まない進路」を選ばざるを得なくなるケースも少なくありません。
④「年齢だけ社会人」⇒メンタルが追いつかないまま大人の世界に放り込まれる
インフルエンサーのストーリーには
⇒ 高卒
⇒ 雪山で餓死寸前
⇒ 年齢だけ社会人になる
という、だいぶ盛った表現も入っていますが、
「年齢だけ大人・中身はボロボロ」の状態で社会に出る若者が多いのは事実です。
- 学生時代からつまずきが続いて「自信ゼロ」のまま就活する
- 「とりあえず受かったところ」に入社して、また人間関係で消耗する
- 働きながら「自分は外れルートに来ちゃった感」を抱え続ける
こうなると、
「みんな普通にやってるのに、自分だけしんどい」
という感覚が強くなり、
SNSでキラキラして見える同世代を見て、さらに落ち込む…という流れが生まれます。
インフルエンサーの「雪山で餓死寸前」はギャグ寄りですが、
経済的・精神的に限界ギリギリで生活している若年層が現実に多いのは、各種調査やニュースでも繰り返し取り上げられています。
⑤「SNSで陽キャになりすます」⇒同じループを繰り返すか、そこで抜けるかの分かれ道
最後のループとして挙げられていたのが、
⇒ SNSで陽キャになりすます
⇒ 最初はチヤホヤ(以下ループ)
というパターンです。
ここも、現代っぽいけれどかなり本質を突いています。
SNS上では、
- 本来の性格より「盛った自分」を演出しやすい
- テンション高めの投稿の方が、反応がもらいやすい
- フォロワー数やいいね数が、自分の価値のように感じやすい
その結果、リアルの高校でやったことを、
今度はオンラインで繰り返してしまうことがあります。
ただし、ここには一つ大きな違いもあります。
それは、SNSでは「距離の取り方」を自分で選びやすいという点です。
- 無理なノリのアカウントは、いったん捨てる・非公開にする
- 趣味垢・創作垢など、キャラではなく「好きなこと」を前面に出せる場を作る
- 同じような経験をした人の発信を見て、「自分だけじゃない」と知る
こうした使い方をすれば、
同じループを「繰り返す装置」にもなりうるし、「抜け出すきっかけ」にもなりうるのがSNSです。
じゃあどうすればループから抜けられるのか?ざっくり3ポイント
インフルエンサーの煽りストーリーは面白くもありつつ、
「詰んだw」で終わらせるとただのネタです。
そこで、ループを抜けるための実践的なポイントを3つに絞っておきます。
①「リア充か陰キャか」より「安心して話せる人を1人確保」
大人数グループより、正直に弱音を吐ける人を1人作るほうがメンタル的には安定しやすいです。
② 「キャラを盛る」より「できる範囲のノリに絞る」
ずっと演技していると、必ずどこかで燃え尽きます。無理にテンションを上げすぎない・嫌なノリには参加しない、も有効な自己防衛です。
③ 不登校やドロップアウトを「人生終了」と決めつけない
通信制・高認・専門学校・再進学など、ルートはいくらでもあります。「一回こけたら終わり」ではないと知るだけでも、自己否定はかなり減ります。
質疑応答コーナー
セイジ
中学ぼっち側だった人って、もうその時点で人生ハードモード確定っすか??
プロ先生
確定では全くないです。中学って「たまたま同じ学区だった人の集まり」なので、相性ガチャの要素がかなり強いんです。そこでうまくいかなかったからといって、あなたの人間性そのものがダメという意味ではありません。大事なのは、「ぼっちだった=自分は価値がない」という公式を、自分の中で採用しないことです。
セイジ
高校デビューでキャラ盛ってる友人、多いっすけど…やっぱやめたほうがいいんすよね??
プロ先生
「キャラを変えること自体」は悪くないんです。環境が変われば、コミュニケーションの仕方を調整するのは普通のことです。ただ、問題なのは「自分がしんどいレベルまで盛る」ことです。たとえば、もともと静かなタイプなのに、毎日ハイテンションでいじり役をやり続けるとかですね。それは長距離走で全力ダッシュしているような状態で、いつか必ず息が切れます。
セイジ
不登校期間とか空白期間あると、就活とか結婚とか全部詰み…ってイメージあるんすけど、本当なんすか??
プロ先生
「絶対詰み」では全然ありません。ただ、日本社会の今の仕組みだと、何も説明しないと不利になる場面は正直あります。大事なのは、「その期間に何があって、そこから何を学んで、今どう動いているか」を、自分の言葉で話せるようにしておくことです。「ここから何を積み上げるか」を一緒に考えていくのがめちゃくちゃ大事です。
まとめ
- 中学・高校での「うまくなじめなかった経験」は、人格の欠陥ではなく、環境との相性やキャラ盛りの無理が原因になっていることが多いです。
- 不登校やドロップアウトは、怠けではなく「これ以上は無理」という心と身体のブレーキであり、そこからのリカバリー手段もいくつも存在します。
- SNSで同じループを繰り返す前に、等身大の自分でいられる居場所・人間関係・進路の選択肢を少しずつ増やしていくことが、ループ脱出の一番の近道です。
こんな感じで、「ネタw」に見える話の中にも、けっこう生々しい現実と抜け道のヒントが隠れてます。自分に当てはまりそうなところがあったら、「もう詰んだw」で終わらせずに、「じゃあどこから崩そうか」を一緒に考えていきましょう。
























