韓国政府が追い詰められている。イランのダヤニ一族にISD訴訟で敗訴したことで、賠償金を支払う義務が生じているからだ。ところが米国が科したイラン制裁のためにイラン側に支払いたくても支払えない状況だという。米国は韓国ウォン決済でさえも認めていない。苦肉の策として様々な方法を検討しているようだが、どれも実現性は低くパニック状態になるしかないようだ。
韓国政府、イランに支払う750億ウォン「ISD敗訴金」…米国の制裁のため方法なし
1/6(月) 10:18配信 中央日報日本語版韓国政府が先月、イランのダヤニ一族が提起した国家・投資家訴訟(ISD)で敗訴した後、750億ウォン(約69億円)を支払う方法がなく悩んでいる。消息筋によると、米国の制裁を回避すると同時にイランとの関係も考慮し、政府は海外送金の代わりに賠償金を国内投資に回す案を模索している。
◆開始も終わりもイラン制裁が障害
米国とイランの間に挟まれた韓国政府の事情はこうだ。イランのダヤニ一族は2010年に大宇エレクトロニクス買収を進めた。しかし同年、米国のイラン制裁施行などの影響でダヤニ側が買収額を引き下げようとすると、韓国の債権団はこれを根拠に契約を破棄し、契約金(578億ウォン)も返さなかった。これに対しダヤニ一族は韓国政府を相手にISD訴訟を提起し、仲裁裁判を経て先月、韓国側の敗訴が最終的に確定した。その間の遅延利子200億ウォンを含めて韓国が支払うべき金額は約750億ウォンとなった。
問題は適当な支払い方法がないという点だ。2018年5月に米国はイラン核合意(JCPOA、包括的共同行動計画)を離脱し、同じ年に「イラン金融制裁規定(IFSR)」を全面的に復元した。イラン中央銀行および50の銀行・金融機関を制裁対象とし、外国金融機関が米国の金融機関を通じてイランと金融取引をしてはならないというのが核心だ。
◆「ワンポイント」イラン制裁免除を申請したが
韓国外交部は先月、ユン・ガンヒョン経済外交調整官を米国に派遣し、この件に関連して「ワンポイント」制裁免除を米国政府に要請した。賠償金を支払っても米財務省外国資産管理局(OFAC)レベルで問題はないという保証を受けるためだった。また外交部は昨年5月から凍結された国内都市銀行のイラン中央銀行韓国ウォン決済口座のうち人道的支援など特定項目への制裁も免除してほしいという要請もしたことが分かった。
しかしこの1カ月間に米国とイランの関係は軍事的衝突にまで拡大した。このため「米財務省の保証」は難しい雰囲気だ。「OFACの免除を期待するのは最後の手段」という声が出ている。米政権は対北朝鮮制裁関連の特別免除をしたことはあるが、イランに対しては非常に強硬な立場という。
・・・https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200106-00000019-cnippou-kr
楽観的すぎる韓国政府の自業自得
米国とイランの双方から利益を得ようとする韓国
ここで核心的なのが「韓国ウォン決済口座」だった。韓国の都市銀行にイラン中央銀行名義の口座を開き、石油輸入代金をイランに送金する代わりに韓国企業のスマートフォン・家電など輸出代金を相殺する方式で韓国ウォン決済ができるようにしたのだ。しかし昨年5月から米財務省はこれも認めていない。米国はポンペオ国務長官が「イランの原油輸入をゼロにする」と公言するなど、イランに対する圧力を最大限に強めた。米国は昨年11月からイラン中央銀行を制裁リストに含めた。
◆韓国、イラン資金の国内消化を誘導
苦肉の策として韓国はダヤニ側に韓国ウォン口座を開設し、子会社がこれを国内で消化する方式を提案する計画という。イランの資金が韓国の外に出ていかないのが最も安全だが、とはいえ国際仲裁裁判の決定を無制限に先延ばしすることもできないからだ。政府当局者は「韓国としては米国も重要だが、イランとの関係も重要だ」とし「ダヤニ側に(賠償金を)できる限り早期に支払わなければいけないという共感がある」と述べた。
イラン政府、核合意には「縛られない」
1/6(月) 7:02配信 TBS News iアメリカとの緊張が高まる中、イランは核開発を制限する「核合意」には「もはや縛られない」と発表、核兵器につながる濃度のウラン濃縮も辞さない姿勢を示しました。
イラン政府は5日夜に声明を発表し「もはや核合意によって決められたいかなる制限にも縛られない」と述べました。さらに「これには濃縮能力や濃縮度、濃縮ウランの貯蔵量、核の研究開発が含まれる」と、核兵器に利用できる濃度のウラン濃縮も辞さない姿勢を示しました。
イランは2015年に結ばれた核合意の制限を4度、段階的に破ってきましたが、イラン革命防衛隊のソレイマニ司令官が殺害された直後だけに、これまでより強い措置に出るとの見方が出ていました。
イラン政府は「第五段階かつ最終段階」だとする今回の措置について具体的な数値などは示さず、「経済制裁が解除されれば再び核合意を履行する」と述べていますが、アメリカが応じる可能性は低いとみられ、緊張はさらに高まりそうです。(06日04:58)
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20200106-00000008-jnn-int