米中の貿易摩擦で一番被害を受けるのは韓国だ、という報道が米国メディアでなされました。保護貿易主義が強まると輸入品が値上がりしてしまい、輸出依存度が高い国に打撃となるというのがその理由です。アジアでは他にも台湾やシンガポール、欧州ではハンガリーやチェコが被害を受けるとされています。
「米中貿易紛争の最大被害者は韓国など小規模開放国」
7/23(月) 15:55配信激化する米国と中国の貿易紛争で最大の被害者は韓国など小規模開放経済国家になるという分析が出てきた。
米ウォールストリートジャーナル(WSJ)は22日(現地時間)、「全世界貿易紛争で最大の被害者は『ビッグプレーヤー』ではなく韓国など間に挟まれた小規模開放経済国家になるだろう」と報じた。
小規模開放経済国家は世界供給チェーンのあちこちと関連している。他国から輸入してきた原材料および部品を使って自国で新しい製品を生産した後、また輸出する構造だ。しかし保護貿易主義が強まるほど輸入コストは上がって輸出需要は減少し、大きな打撃を受けるしかないということだ。
世界貿易機関(WTO)によると、輸出全体のうち世界サプライチェーンと関連する比率が最も大きい国は台湾(67.6%)。次いでハンガリー(65.1%)、チェコ(64.7%)、韓国(62.1%)、シンガポール(61.6%)、マレーシア(60.4%)、アイルランド(59.2%)の順。
英シンクタンク国立経済社会研究所のアミート・カラ・マクロ経済予測責任者は「経済が貿易に依存する小規模開放経済であるほど貿易紛争に脆弱になるしかない」と述べた。米国をはじめとする経済強大国も貿易紛争による被害を受ける可能性があるが、原材料および部品を独自で生産する余力があるうえ、消えない内需が盾の役割をすると、WSJは分析した。
トランプ米大統領は連日、貿易紛争のきっかけをつくっている。すでに鉄鋼、アルミ、太陽光パネルなどに高関税を適用し、中国産輸入品に対しても340億ドルの関税をかけることにした。関税追加の可能性も示唆した。トランプ大統領の発言を総合すると、最大9000億ドル(約100兆円)に該当する輸入品に関税適用が可能だ。
小規模開放経済国家は世界経済に波紋が広がるたびに揺れた。米サブプライム問題が発端となったグローバル金融危機当時、ハンガリーは生産が6.6%減、チェコは4.8%減となった。台湾は10年ぶりに最悪の景気低迷を迎えた。
今回も変わらない。KOSPI(韓国総合株価指数)は米中間の貿易紛争ですでに今年に入って7.5%下落した。ハンガリーとシンガポールの株価はそれぞれ10.8%、3.7%下落した。
国内主要機関は今年の経済成長率を次々と下方修正している。韓国銀行(韓銀)は従来の3%から2.9%に引き下げた。LG経済研究所と現代経済研究院など民間研究機関は今年2.8%の成長率を予想している。
WTO統計を集計したピクテ資産運用会社は報告書で「この貿易紛争で勝者はいない」とし「投資先を訪問している投資家なら、該当国の貿易開放の程度だけを考慮するのではなく、信用度、保有外貨など経済および政治の安定なども確認する必要がある」と述べた。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180723-00000026-cnippou-kr
日本やアメリカも輸出していると思うんですが、どうして小規模経済国家の韓国が被害を受けるんですか?
日本や米国の場合、原材料を国内で調達できると記事にも書いてありますよね。要するに原材料を生産できる企業をどれだけ保有しているかが強みにもなるわけですが、東日本大震災の時には日本のサプライチェーンが止まり世界に大きな影響が出ました。韓国にはそういった原材料を作れる企業が少ないので輸入するしかなく、貿易摩擦の影響をもろに受けてしまうということですね。
じゃあ日本がいなかったら、韓国は何も作れないんじゃ・・・?
その通りです。韓国経済は日本製の部品や原材料なしには成立しません。表向きは日本に対して愛国心を発揮しているようですけど、裏では絶対に逆らうことのできない主従関係が成り立っているのです。それに加えて日本は世界的に見ても内需が大きな割合を占めますので、こういった世界的な不況の時ほど粘り強さを発揮します。一方の韓国では内需がほとんど育っておらず、貿易依存度が高すぎるのも不安要素の1つです。
確かに日本の市場って独特ですよね。海外で家電を買うと色んな言語がくっついたマニュアルが入ってるのに、日本で買うと日本語だけのマニュアルだったりします。
私は確認していませんが、それが事実なら日本向けに独自のマーケティングをしている証拠かもしれませんね。
韓国の株価指数KOSPI、直近1年の安値を割り込む?
株価のチャートを見てるんですけど、韓国ヤバくないですか?
そうですね。韓国の総合株価指数KOSPIはここ1年の安値を割り込んでしまっています。中国の上海総合指数や香港のハンセン株価指数も同じく危険な状況ですね。一方の日経平均株価は昨年の大きな上げがあるため、まだそこまで影響は出ていません。ダウ平均株価に関しては上下しつつ堅調に推移していますね。この差がそのまま貿易戦争の勝者と敗者に分かれるのではと思います。
つまり米国株を買っておけば安泰ということじゃな。
でも、ボクが買うと途端に下がるんですよ・・・。
安心して下さい。世界中に株のトレーダーは山ほどいますから、買った途端に下がると感じている人が数万人から数十万人はいると思います。自分だけが損していると思わない方がいいですよ。それに、長期保有していればいつかは上がるかもしれません。もっとも、中国株を買ってしまうようなミスをやらかさなければの話ですが。
何とか下がったところで買いたいんだけどなあ・・・。下がったと思って買ったらさらに下がるし、それで売ったら今度は上がるんですよ?
下手の横好きとはまさにこのことじゃのう。もっと精進せい。
小規模開放国なのに大韓民国?
あと気になったのは、小規模開放国て何なんですか?いつも何とか大国って言っている印象があるんですが?
小規模開放国と書いているのは米国のウォールストリートジャーナルだと思いますが、そのフレーズをそのまま使っているということは、韓国自身も自国を小国だと暗に認めていることになりますね。国の名前に大韓民国と大が入っているだけに、余計に皮肉に感じます。理想では自国を大国だと思いたいけれど、実は小規模な国だということを分かっている。でもそれを表向きには認めたくないのかもしれませんね。
何だかなぁ~。別に小規模国家でもいいじゃないですか?スイスやベルギーなんて韓国より人口も少ないし面積も小さいし、リヒテンシュタインなんてもっと小さいですよ?
遠い欧州の国のことは目に入らないのだと思います。やはり目の前に超大国である中国という国があるから、余計にそう感じやすいのではないでしょうかね。その中国は正式名称が中華人民共和国ですが、「大」という文字が入っていないのです。アメリカ合衆国もそうですね。Make America Great Againのようなキャッチフレーズにも、BigやHugeと書かれることはありません。本物の超大国であるほど余裕がある印象を受けます。
中国の小米という企業名にも余裕がない?
じゃあ、大日本帝国は余裕がなかったんですか?
きわどい質問ですね。私は大日本帝国の偉業は認めていますが、理念にはあまり賛同していません。複数の民族を束ねて1つの国家にまとめるのは、やはり無理があったと思います。そういう意味では米国も内部に多くの問題を抱えていますので、いつまでこの世界が安定するかも分かりませんけど。関係ありませんが、中国の小米という名前の企業にも余裕が感じられませんね。相手を無理やり小さい国だと貶めるようなやり方には賛同できません。
小日本とかよく言ってますもんね。それが何か?と思ってましたけど。
小さい国であっても、世界的に存在感を発揮している国はいくらでもあります。スイスが代表例ですね。そういう国であれば、米中貿易戦争でも被害を受けるようなことにはならないでしょう。むしろ今後の世界では、国の小ささが武器になるかもしれません。
じゃあ、世界最小の国を作ってギネス目指します!(笑)