米国のハイテク株が全体的に下落の傾向にあります。先行して下げていたFacebookやTwitterの下落に歯止めが利かず、それにつられてAmazonやGoogle、Netflixといった大型株が全て下落傾向となりました。中でもNetflixはここ1ヶ月でマイナス15%と小さくない下落幅です。一体何が起きているのでしょうか?
大型ハイテク株、3日で時価総額2400億ドル消失-FBショックで
2018年7月31日 2:40 JST30日の米株式市場では米テクノロジー銘柄が3営業日続落。「FAANG」で知られる大型ハイテク企業のパフォーマンスが金利上昇・成長減速の環境下でどうなるかに懸念が高まっている。
30日はFAANG銘柄が全て下落。一時はネットフリックスが5.3%安、フェイスブック(FB)が4.4%安となった。FB、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグル親会社アルファベットが組み込まれたFANG指数は3営業日続落し、この期間の下落率は9%を超えた。これに対し同期のS&P500種株価指数の下げは1.4%程度にとどまった。
フェイスブックが4-6月(第2四半期)決算を発表した7月25日以来、ハイテク売りは加速。2016年の米大統領選挙以来、投資家にもてはやされ上昇してきた大型ハイテク株は、短期間に値上がりし過ぎたとみなされるようになり、手放す動きが一気に広がった。
この3営業日で、S&P500の情報技術(IT)指数の時価総額は2400億ドル(約26兆6400億円)縮小し6兆3000億ドルとなった。FBがアナリスト予想を下回るユーザー数を発表する前は6兆6000億ドルだった。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-07-30/PCOV2N6JTSE801
フェイスブックとツイッター、まだ下げてるんですね・・・。
通常であれば急激な下落に対して強い買い戻しが入る局面なのですが、それもなく力を失ったように下落を続けていますね。米Twitterは本日8%下げましたので、急落まではいきませんが大きめの下落幅です。米Netflixも5.7%下げましたが、こちらは7月中旬から既に下落傾向にありました。米Amazonや米Googleも下落しましたが、こちらは2%程度ですし十分な上昇幅がありますのでそこまで深刻ではありません。これは米Appleに関しても同じです。
同じハイテク株でも、企業によって差があるということですね。理由は何なんでしょう?
Twitterもそうですが、やはり既存のSNSにおける収益化に限界が見え始めたのが大きいでしょうね。個人情報の取り扱いも厳しくなりましたし、欧州では新たな法律が始まり事業拡大に急ブレーキがかかりました。単純にユーザー数を増やしていくだけでは儲けられなくなってきている点もあるでしょう。その点収益モデルが明確なAmazonやGoogle、Appleといった企業は安泰と言えるでしょうね。
アマゾンやグーグルはクラウドストレージとか他の分野にも積極進出してるし、現状維持ではとどまらない勢いを持ってるからね。その点フェイスブックは何もしてないように見える。せっかく大量の顔写真データを持ってるんだから、何かしら使い道がありそうなんだけど。
しかも原則実名登録ですもんね。もったいないですね・・・。
Instagramはどうなの?
そういえば、フェイスブックってインスタグラムを保有してるよな。広告で売上を順調に伸ばしてると聞いたけど、どうして親会社の株価はここまで下げてるんだろう?
インスタグラムってフェイスブックの一部だったんですか?
いや、株主ってことね。フェイスブック自体は全然儲かってなくて、インスタグラムの収益に依存しているとかかな?
世界での月間アクティブユーザー数の伸びはFacebookが1年半で16億人から20億人へ、Instagramが1年弱で8億人から10億人へと増えています。伸び代はInstagramの方がありますし、増加の勢いもやはりInstagramの方が強いです。SNSも世代交代の色が強くなってきているのかもしれませんね。FacebookはメッセンジャーアプリのWhatsAppも買収していますし、本業よりも次のIT企業を育てる方向へとシフトしたのではないでしょうか。ちなみにTwitterは世界でのアクティブユーザーが1年弱でたった1800万人しか増えていません。
でも、正直あまり買収の効果が出ていない気がするな。シナジー効果がないというか、WhatsAppなんてフェイスブックの存在がほとんど感じられないし。買収されなければ、フェイスブックを上回る大企業になってた可能性もあるよね。
そうですよね・・・。有望な企業を全部取り込んじゃってますね。
今後の株価はどうなる?
全く上がる兆しが見えない株価ですが、今後はどうなるんでしょう?
下落はこのままでは終わらないというアナリスト予測も数多く出ていますね。ただし、米ハイテク株の全てが崩れるかというと断定はできないと思います。上でも述べたように、ハイテク株の中でも実態のあるサービスとそうでない物があり、一概にくくることはできないからです。もちろん特定株が暴落することにより市場全体を押し下げる機会はあるかもしれませんが。もしもその機会が訪れるならば、私は逆に有望株を安値で買うチャンスだと考えています。
ネットフリックスの下落は何が原因なんでしょう?
ユーザー数の伸びの鈍化が一番の理由ですが、借り入れ額が多いことも挙げられていますね。もともとNetflixは期待先行で業績以上に株価が上がっていた傾向がありましたので、多少の成長鈍化でもネガティブ要因となり叩き売られやすいのです。
ネットフリックスが大きく上昇したのって今年からなんですね・・・。ちょっと急激すぎますよね?
米Facebook株と比べても、その上昇率の大きさは顕著ですね。市場を押し下げる要因の1つにもなっていますし、今後はハイテク銘柄でも勝ち組負け組がはっきりとしてくると思います。付け足すような書き方になりますが、中国との競争に負けるところも出てくると思いますので、独自の強みを持たない企業は今後危険な局面に入るかもしれません。
そうでした!最近大人しいけど、貿易戦争の真っ最中ですもんね。トランプ大統領の次の手は何でしょうか?
今は小休止の期間ですが、もちろん次の手はあります。長くなるので次回にしましょう。
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