イギリスの新しい外相なんですけど、妻が中国人だそうです!なのに、中国を公式訪問している際に「私の妻は日本人で」と言ってしまったそうです。どうして間違えたんでしょうか?また、何が問題なんでしょうか?
ハント英外相、中国人の妻を日本人と言い間違え
7/31(火) 13:14配信 BBC News7月上旬に着任したばかりのジェレミー・ハント英外相が中国を公式訪問しているが、訪問内容よりもいきなりの恥ずかしい失言の方が話題となっている。
ハント外相は中国側に良い印象を与えようと、自分の妻が中国人だと説明しようとしたが、代わりに「日本人」と言ってしまった。
外相はすぐに訂正したし、その場の人たちは笑って済ませた。
しかしこの失言はたちまちニュースとなり、ハント氏自身も「とんでもない間違い」だとその場で認めた。
ハント氏の妻のルシア・クオさんは中国中部の西安市で生まれ、英ウォリック大学で働いていた2008年にハント氏と知り合った。2人には3人の子どもがいる。
ハント外相は何と言った?
ハント外相は中国の王毅外相との会談で、英語で「私の妻は日本人で……いえ、妻は中国人です。失礼、とんでもない間違いだ」と述べた。
ハント氏はその後、王外相とは「公式晩餐会で日本語で会話した」と述べ、「でも妻は中国人で、子どもたちは半分中国人です。中国人の祖父母が西安にいますし、家族として中国と強くつながっています」と続けた。
どうしてこれが失言なのだろうか。
1. 中国と日本は積年のライバル
中国政府のご機嫌を取ろうという時に、中国を他の国と混同するのは良くない。
しかしあらゆる国の中で一番の悪手は日本だろう。
なぜなら中国と日本は何十年にもわたって苦々しい関係にあるからだ。過去に2度の戦争を経ているほか、現在も東シナ海の領有権について争っている。
中国の高齢者世代には、日本が戦時中の残虐行為を過小評価しているとして、日本製品を買ったり日本へ旅行するのを渋る人が沢山いる。
2012年に尖閣諸島をめぐる争いが再燃した際には、中国各地で反日デモが行われた。
2. 妻のことなのに
うっかり口を滑らせたり、誰かの人種を混同したりすることは誰にでも起きることだ。
ハント氏は過去に日本で働いていたことがあり、日本語を話す。王外相とも日本語で会話していたと言っていた。ハント氏が会議中に日本について考えていた言い訳にはなるだろう。
しかし、中国政府高官の前で自分の妻について話す際に、なぜ「日本人」という単語が出てきたのか。なかなか説明しにくい。
ハント外相はこの会談の後、ツイッターに「新外相としてのルール1:前に日本語で会話したことのある中国人に英語で中国人の妻について話すとき、何一つ混同してはいけない! 長年いろいろ我慢してくれているハント夫人に謝罪する……!」と投稿した。
混同すると言えば……
3. 悪いステレオタイプに当てはまる
東アジア人が「みんな同じに見える」というのはありふれたジョークだ。東アジア人の多くは自分の人種について、軽率に憶測されて文句を言ったことがある。
例えば私は中国系だが、知らない人から「こんにちは」と叫ばれることがある。一方、英系日本人の友人は、何度か「你好(ニーハオ)」と呼びかけられたと言う。
東アジア人の知人のほとんどは、人種の取り違いは最悪と言うほどのミスではないと、同意するはずだ。それでもやはり、かなりイラッとすることではある。
ハント外相の失言は悪意のないうっかりだったかもしれない。しかし何より、そもそも中国側に良く思われようとして妻の話を持ち出したはずが、そこであのような間違いをしてしまったのだ。
4. そもそもうまく行くアテはあったのか
経済大国としての中国の台頭や中国人消費者の影響力を受け、多くの政治家や企業が中国人のご機嫌取りに力を入れている。
しかし、口で言うほど簡単ではない。
フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグ氏やエマニュエル・マクロン仏大統領は、中国の聴衆を感心させようと北京語で話したが、評価は賛否両論だった。
中国と家族関係があるからといって、必ずしもそれで順風満帆とは限らない。
例えば、2011~2013年に米国の中国大使を務めたギャリー・ロック氏は、この地位初の中国系米国人として注目を浴びた。
しかし、米国大使館が人権活動家の陳光誠氏を保護するなど、米中間の緊張が高まった際には中国メディアの批判の的となった。
国営・人民日報傘下の環球時報は、ロック氏は中国系だが米政府の利益を優先する「普通の」米国人政治家だと書いている。
(英語記事 Why Hunt’s wife gaffe is so embarrassing)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180731-45015483-bbc-int
結婚した当初は日本人だと思っていた?
日本人だと思って結婚したら実は中国人だった、という話じゃないかな?
なるほど!分かりやすい回答ですね。
結婚した経緯はそうかもしれませんが、長年連れ添った相手の人種や国籍を間違えるというのはそうそうある話ではないと思います。ましてや中国を公式訪問している大事な場面ですので、そのような状況での言い間違いは確かに失言と取られても仕方ないでしょうね。ただ、中国側も少し過敏に捉えすぎているような気はしますが。
確かに、なんで今更そこを間違えるんだ?とは思うけど。
ワシは国際結婚は苦手じゃのう。食の好みが合わんとどうにもならん。自宅にまで外交は持ち込めんのじゃ。
ハント外相は日本語が話せるって書いてありますし、自宅でも普段日本語でしゃべってるとか・・・?
その可能性はないでしょう。妻のルシア・クオさんは中国中部の西安市生まれですので日本人ではありませんし、日本語を話す人が多い大連のような地域とも無縁です。ハント氏だけが日本語を話すのですが、それが妻を日本人だと発言してしまう根拠にもなり得ないと思います。もちろん、ルシアさんが日本語を学習していて話せる状態であるなら別ですが。
英中の外相が両方とも日本語を話せる?
記事をよく見たら、中国の王毅外相と日本語で会話したと書いてありますね・・・。
そこが面白い点だよな。英国と中国の外相同士なのに、日本語でしゃべってるっていう。
高度な外交の場面では、お互いの非母国語を避けて会話する方が公平とされているようですね。どちらの国にとっても有利にならないように、英語でも中国語でもなく第三国の日本語を使うということです。外相は少なくとも三カ国語程度は話せないと仕事にならないということですね。
そういうことか。お互いの政府に日本語の話者がいないからこそ、日本語なんだな。奥さんは日本語が分からないなら、情報が他に漏れる心配もないだろうし。
何だかややこしい話ですね・・・。外交って難しそうだなぁ。
英外相が妻を日本人だと間違えたことの何が問題なのか?
本題の奥さんを日本人と間違えたという部分をもう少し掘り下げようか。
失言とされる4つの理由がまとめられていますね。
その中で注目すべきなのは、1番目と4番目ですね。ご存じの通り、日本と中国は様々な面で政治的対立を起こしています。尖閣諸島に関しては中国にとっては領土問題ですし、数年前には中国で愛国心から多数のデモが起こされました。そのような問題を世界各国も認識ているわけですが、今回の出来事がそれらにどういう影響をもたらすでしょうか。
でも、中国の外相も日本語がしゃべれる点については大丈夫なんですか?「愛国心を発揮」されたりしないんでしょうか?
政府関係者の間では暗黙の了解ということでしょうね。表向きは政治的な対立をしつつも、経済面では容易に対立できないことは日中お互いに理解していると思います。米中でさえ経済面で対立すれば、関税の引き上げ合戦という形での貿易戦争に発展せざるを得ません。米国政府にも多数の中国系の職員がいます。しかし、両国の対立を避けることはできませんでした。その点について触れているのが4番目ですね。
奥さんが中国人だからと言って必ずしも中国のために動くわけじゃないし、職員の出自が中国だからって祖国のために動くわけじゃない。でも「奥さんが日本人だ」とわざわざ言ってしまうということは、だ。
妻のルシアさんが中国人である、ということを否が応でも認識せざるを得なくなるでしょうね。本来であれば重要視すべきではない妻の出自について、重要視せざるを得なくなるような展開になってしまったということです。こうして話題になってしまったことで、英国内でスパイではないかと疑う声が出てきてもおかしくありません。これまで潜在的に存在していた英中間の対立が露わになってしまうでしょうね。
じゃあ、イギリスのハント外相はわざと間違えたってことでしょうか?
その可能性を排除できません。上でも述べたように、妻の人種や国籍を間違えるという事象自体が極めて異例のことだと思います。故意に間違えたという証拠はありませんし、あくまでも推測でしかありませんが。
ハント氏は中国人の夫である以前に、英外相だからな。英国の利益を最優先して動かなければいけない立場なわけだ。英国の利益と中国の利益が合致しないという可能性を示唆したわけだね。中国側が過剰反応するのもやむを得ないだろう。
確かに、ただでさえアメリカと対立してて大変なのに・・・。
英米を一度に敵に回すようなことがあれば、それこそ国が持たないよ。でも、今回の出来事でその最悪のシナリオを想定しなければならなくなった。そう考えると、意外と深刻かもしれないね。戦前の日本のように退路を塞がれつつあるのかもしれない。
戦前ですか・・・。すると、ABCDのCはどこになるんでしょう?
そのまま中華民国でいいんじゃない?