米国防総省が中国の軍事動向について年次報告書で述べていますが、その中で爆撃機の飛行演習範囲が急速に広がっていると指摘しています。これは日本や米国のグアムなどを標的にしていると判断できます。その他にも、人工衛星を破壊するミサイルの開発を進めているそうです。南シナ海問題も収まる気配がありません。
中国の爆撃機演習は米や日本を標的 米国防総省が警戒感
2018年8月17日 12時00分アメリカ国防総省は中国の軍事動向を分析した年次報告書で、中国軍が爆撃機を使った飛行演習の範囲を急速に拡大していると指摘し、これはグアムを含むアメリカ軍基地や日本など同盟国を標的にした攻撃訓練だという見方を示し警戒感を鮮明にしました。
アメリカ国防総省は、議会に毎年提出する中国の軍事動向を分析した年次報告書を16日、発表しました。
この中で、去年8月に中国軍の6機の爆撃機が沖縄本島と宮古島の間の上空を通過したあと北上して紀伊半島沖まで飛行した例などをあげ、「中国軍は爆撃機の飛行演習の範囲を急速に拡大している」と指摘しました。
そのうえで、この演習は「アメリカと同盟国の標的を爆撃するための訓練とみられる」として、グアムを含む西太平洋地域のアメリカ軍基地や日本など同盟国を攻撃する訓練だという見方を示しました。
また中国が人工衛星を破壊するミサイルの開発などを進めていることに触れ、「中国軍は宇宙空間を軍事拠点化しないと表明しながら、宇宙で軍事能力の強化を続けている」として、宇宙空間でもアメリカを脅かしていると指摘しました。
国防総省は中国が南シナ海で人工島などの軍事拠点化を進めていることを厳しく非難し、今月上旬までハワイで行われた多国間軍事演習への招待を取り消し、中国への対抗姿勢を示しています。
今回の報告書でも中国への警戒感を改めて鮮明にしました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180817/k10011580461000.html
中国に対する米国防総省の方針とは
中国が急に強硬な態度を取り始めましたね・・・。
強硬なのは以前から何も変わりませんが、今回のレポートでそれが裏付けられた形です。ここ最近1年程度の軍事動向ということですので、直近で何か重大な挑発行為があったというわけではありません。しかし、このレポートで米国防総省の方向性が明らかになったと言えます。
どういう方向性でしょうか?
中国への警戒レベルを最大限に引き上げ、その結果として多国間の軍事演習への招待を取り消すことになりました。合わせて南シナ海の人工島問題についても批判しています。中国側が態度を改めなければ、この結論は覆らないでしょうね。
今まで中国と仲良く軍事演習していたことの方が驚きだよ…。
表向きは友好を演出しなければなりませんから、むしろ中国との軍事演習は進んで引き受けるほどだったと認識しています。中国側に警戒心を一切持たせず、長期的な安全保障戦略を悟られないようにするための方便です。南シナ海問題を事実上放置していたのもその一環でしょう。
オバマが何もしなかったって散々言われてたな。あれもわざとだったのか?
中国が後戻りできなくなるまで進めてもらうのが米国の狙いでした。中国の侵略行為が誰の目にも明らかになれば、世界を一致団結させやすいのです。
友好関係に甘んじて勝手に島を作るとは驚きじゃ。大人の世界に1人の子供が紛れてきたようじゃな。
そうなんだ・・・。水面下でいろいろ起きてるんですね。
ハワイの多国間軍事演習に招待されなかった点は注目されず?
ネットユーザーの反応はどんな感じ?
中国がハワイの多国間軍事演習に招待されなかった部分については、誰もコメントしていませんでした・・・。一番拾いたかったんですけど。
まあタイトルの「米や日本を標的」だけ見て書いてる奴も多いだろうし。頑張って役立ちそうなの拾ってみて。
航続距離から考えれば、日本や台湾グアムがターゲットだろうとしてる人がいます。核ミサイルって航空機から飛ばせるんですか?
核ミサイルに関しては、普通に他国に向けて設置してあるやつじゃない?
あっ!そうかもしれません。書き方が紛らわしいんですが、日本にも数本向いていると主張しています。主なターゲットは他の核保有国だそうです。
米国以外に考えられないな…。ロシアもか。
役立つコメントはそれくらいです。中国からの防衛はどうすればいいんでしょう?
中国の軍事脅威論を振りかざし、中国を世界から孤立させる
別の観点から考えてみよう。米国はなぜレポートで中国の軍事的脅威について触れたんだろう?
良い点に目をつけましたね。米国としては、中国の実際の軍事力は日本の自衛隊をはるかに下回ると見ています。ですが、それでは米軍の存在意義がなくなってしまうため、定期的に中国脅威論を振りかざし予算獲得に繋げているという事情があります。特に米空軍に関しては、無人機の登場で存在意義が問われていますからね。
やっぱりそうか…。中国なんて全然大したことないってどの軍事評論家も言ってるよ。
でも、核ミサイルは持ってるんですよね?
それも怪しいもんだ。実際は全然管理できてなくて使えないかもしれない。表向きは持ってると言わなければ、いつ周辺国から攻め込まれるか分からないからね。抑止力ってのはそれくらい重要なんだよ。
中国がアジア全体に影響力を拡大できたのも、軍事力の増強による所が大きいはずです。しかし、膨張主義的な中国の政策にはさすがに世界も黙ってはいません。具体的には南シナ海の人工島問題ですが、これも米国が許さないという姿勢を明確にすれば全く脅威となり得ません。そもそも今回の貿易戦争自体が中国のルール無視や知的財産の盗用問題から始まっていますので、米国は最終的には軍事衝突も辞さない構えで臨んでいるはずです。
就任当初のトランプが全く読めなかったからな…。「チャイナチャイナ」と連呼する動画があったけど、あれで親中なんだと思ってしまった人も大勢いると思う。娘のイバンカのファッションブランドも中国製だったし。
そういう1つ1つの細かな部分では譲り、大きな局面では一切譲らないのがトランプ大統領です。敢えて隙を作り、相手の本音を引き出してから出方を考えているとも言えます。中国はこれら一連の情報工作に対して、ある程度は思い通りに動いてくれました。米国が親中だからと油断して南シナ海の人工島を強硬に進めていたら、いつの間にか梯子を外されて世界中を敵に回しているという構図が完成します。
米国怖いな…。中国は対米開戦だけは避けなければならないね。もう手遅れかもしれないけど。