マレーシアの新首相マハティール氏が北京を訪問していますが、李克強氏との首脳会談の際に述べた言葉が話題になっています。中国が周辺各国へインフラ建設などを進める状況を問題視し、植民地主義は望まないと中国政府の目の前で牽制をしました。一帯一路計画への見直しも迫られる中、マレーシアの政策はどのように変わっていくのでしょうか。
「新植民地主義」とけん制=マレーシア首相が中国に注文
8/20(月) 21:59配信 時事通信【北京時事】中国を公式訪問中のマレーシアのマハティール首相は20日、李克強首相と北京で会談した。
ロイター通信によると、マハティール氏は会談後の共同記者会見で、「われわれは新たな植民地主義が生じる状況を望んでいない」と強調。強い経済力を背景にインフラ建設などを通して他国への影響力拡大を図る中国をけん制した。
マハティール氏の訪中は、5月のマレーシア総選挙で政権交代を果たし、首相に返り咲いて以来初めて。同氏は選挙戦で、中国との経済活動を重視するナジブ前政権を「中国偏重」と批判。就任後は政府債務圧縮のため、前政権が中国政府系企業と契約した「東海岸鉄道」の工事を中止した。
中国は同鉄道をシルクロード経済圏構想「一帯一路」の重要事業と位置付ける。しかしマハティール氏は、約200億ドル(約2兆2000億円)に膨らんだ事業費や、中国政府系銀行による融資の金利の高さなどを問題視している。
中国側には今回の会談で、輸出で成長を目指す新興国同士の結束を誇示し、トランプ米政権の保護主義的な通商政策に対抗する狙いもあった。ただ、マハティール氏は逆に「自由貿易があるべき道だと同意するが、自由貿易は公平な貿易でもあるべきだ」と中国の通商政策に注文を付けた。
一方で新華社電によると、マハティール氏は20日、習近平国家主席とも会談し、「マレーシアの対中友好政策は変わらない。『一帯一路』を支持し、共同建設に積極的に参加したい」と表明。最大の貿易相手国との関係を重視する姿勢を示した。習氏は「存在する問題に適切に対処し、友好協力の大きな方向を堅持すべきだ」と応じた。
マハティール氏は17日に浙江省杭州入り。マレーシアメディアによると、18日に中国電子商取引最大手、阿里巴巴(アリババ)集団の馬雲(ジャック・マー)会長と会談。中国が売り込む高速鉄道に試乗し、杭州から上海まで移動した後、空路北京入りした。
精力的に活動するマハティール氏、トランプ氏との会談の可能性は
東南アジアで最も早く中国に反旗を翻したマレーシアな。アジア大会でも韓国を撃破したし、政権交代してからいい風が吹きまくっている。
その話ばっかりですね!
まあ前政権がとにかく酷かったからね。中国の言いなりだったし、確かに植民地と言われてもおかしくない状況だったと思う。南部のジョホールバルとか。
マハティール氏は今年で93歳となりましたが、衰えるどころかますます精力的に活動を増やしているように見えますね。5年ごとに行なわれる総選挙から3ヶ月余りが経ちましたが、多くの国との外交を進めて国際的な存在感を強めています。トランプ氏と会談する可能性も一部メディアで報道されておりますが、実現すればますます注目が集まりますね。
確か当選後真っ先に安倍首相を訪れたんだよな。この人は外交をよく分かっていると思うよ。河野外相ともマレーシアで会談をしているし。
トランプ大統領との会談が実現するとしたら、場所はマレーシアでしょうか?
どうなるんだろう?マハティール首相は過去にトランプを批判してるし、実現性は分からないけどね。
それとも、またシンガポールで会談でしょうか?
そうなったら面白いな。表向きはあまり仲良くなくても、方向性は同じだと思う。対中国の政策絡みで一致できることを期待しているよ。
マレーシアは口では一帯一路を支持しながら、実際には反旗を翻す?
上の記事に「『一帯一路』を支持」とあるんですが、他のメディアとは論調が全く異なりますね・・・。
どの記事?
例えばこれです。財政が逼迫してるため、鉄道事業を見直すと書いてあります。
「一帯一路」が財政圧迫、マレーシア見直し迫る
8/20(月) 21:44配信 読売新聞マレーシアのマハティール首相は20日、訪問先の北京で中国の李克強(リークォーチャン)首相と会談した。会談後の共同記者会見でマハティール氏は、ナジブ前政権が中国側と契約した中国の巨大経済圏構想「一帯一路」関連の大型事業で財政が圧迫されていることを念頭に、「マレーシアの財政問題」への対処を李氏に迫った。契約条件や計画の見直しを求めたものとみられる。
マハティール氏の訪中は5月の総選挙で首相に復帰してから初めて。マハティール氏は共同記者会見で個別の事業には言及しなかったが、会談では、中国がマレー半島で進める総額2兆円を超す鉄道建設などの見直しを要求した模様だ。
見直し要求は、ナジブ前政権の過剰な中国傾斜を修正する狙いがある。マハティール氏は訪中前、前政権が不利な条件で大型事業を契約したため政府債務が増えたとして、契約の条件見直しや取り消しを中国側に求める方針を示していた。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180820-00050084-yom-int
要するに口では一対一路を支持すると言っておきながら、実際には一体一路の鉄道事業に関して見直しを要求しているわけだ。中国はこの矛盾にどう対応するんだろうね?マハティール首相、かなりのやり手かもしれない。
一帯一路、では?
ああそうだったwww 覚えにくいからしょっちゅう漢字を間違えてしまうwww
ホントですか?わざとやってません?
まあミスはミスだからいいだろ。それで、中国は一路一道を進める上でマレーシアの位置は非常に重要だと考えていたんだけど。
ちょっと!(笑)
ああまた間違えたww
英語では “Belt and Road Initiative” もしくは “One Belt and One Road Initiative”と表記するため間違えようがありません。漢字表記の弊害でしょうか。
真面目に皮肉られてしまったな。
「植民地主義は望まない」と発言したマハティール首相の真意とは
それにしても、面と向かって植民地主義は望まないと発言する勇気はすごいですね!
過去に植民地主義を振りかざした大国は数多く存在しますが、その全てに向けられた発言だと私は解釈しました。これは中国に限定した話ではないということです。マハティール氏はマレーシアの歴史のみならず、世界の歴史をも変えようと立ち上がったように見えます。前首相のナジブ氏があまりにも汚職体質であったことからも、猛烈な危機感と国を思う気持ちから腰を上げたのではないでしょうか。
つい先日また日本を訪問した際には、左寄りの人が活気づいてたな。まあ戦争が起こらないに越したことはないのは当然だけど。
実際には、米中で貿易戦争が起きてしまっていますね・・・。
そう。確かマレーシアも米中貿易戦争で影響を受ける国の1つとして名前が挙がってたと思う。トップは台湾、次は韓国だったかな。
マレーシアは資源国ですので、原油高に国家財政を支えられていると言えます。消費税を廃止しましたが、その際に国庫の穴は原油高で賄えると新財務相が発言していました。貿易戦争が激化するようであれば原油安を誘発し、安心できない状況になるかもしれませんね。
トランプは原油の増産を要求しているけど、それは今の原油高があってこそなんだよな。
原油が高いとガソリンが高くなるって思ってたんですけど、売る方にとっては儲けられるチャンスでもありますからね・・・。
そう。資源国は資源価格に国家を左右されやすいから、ある意味信用不安に巻き込まれやすいとも言える。でも中国に反旗を翻したってことは、米中貿易戦争では米国側につくと暗に表明したに等しいわけだ。このことだけでもすごい功績だと思うよ。
確かに、ドイツや韓国は中国側だと前から言ってましたもんね・・・。
米朝間での仲介役となれる可能性は
この米中貿易戦争がどこまで続くか分からないけど、少なくとも米国と協力しない理由はどこにもないはずなんだ。マレーシアは北朝鮮の大使館もあるし、金正男の件も記憶に新しいよね。米朝の関係を取り持つ上でも韓国よりはるかに重要な役目を担えそうなんだけど。
それはどうですかね・・・?トランプ大統領と会談しないことには何とも。
面白い視点ですが、可能性はあるでしょう。マレーシアはもともと中立的な色が強く出ていますが、東南アジアで唯一の英語を準公用語としているムスリムの国です。イスラエルとの国交を持たない数少ない国の内の1つでもあります。今年4月にはハマスのロケット技術者がマレーシア国内で犠牲になるなどの事件も発生しています。
イスラエルとの国交がない!?そこだけ見れば北朝鮮と同じポジションだな。イランとも同じだ。
でも、マレーシアはそういうイメージないですよね・・・。特に制裁もされていませんし。
非常に興味深いのが、中国は逆にイスラエルとの国交を結んでいる点です。北朝鮮寄りだと思われていますが、実情はそうではないのかもしれません。米国がイランを制裁するのと、中国に貿易戦争を仕掛けたのは背景が異なる可能性がありますね。
やっぱ世界情勢面白えわ。色々な観点から1つの国を分析するだけで、全然違う一面が見えてくることもある。マレーシアは今後世界的にも重要なポジションを担う可能性は十分にあると思うよ。
隣にシンガポールがあるというのも大きいですよね。
そう。シンガポールの影に隠れているけど、東南アジアで2番手の優等生だよ。マハティール首相の今後の動きから目が離せないね。
マハティール首相は、犬を飼っているんでしょうか?
またそういうwww