トランプ氏の関税で中国は勝ち目のない戦争に突入  強硬姿勢を崩さなければ第4弾も発動へ

トランプ氏の関税をめぐり、中国政府が相変わらず一歩も引かない姿勢を見せています。関税で損失を出すのはむしろ米国政府だと言いたいかのようですが、米国企業に撤退してほしくないのが本音のようです。中国はこのまま譲歩せずに貿易戦争を続けるつもりでしょうか。

米追加関税で影響受ける企業「5割が外資」 中国商務省
9/20(木) 20:30配信 産経新聞

 中国商務省の高峰報道官は20日の記者会見で、トランプ米政権が24日の発動を決めた年2000億ドル(22兆円)相当の中国製品に対する追加関税措置について、「影響を被る企業のうち外資企業の割合は50%近くを占める」と指摘し、米側を牽制(けんせい)した。

 高氏は米国による今回の措置で機械・電力設備や軽工業、紡績・アパレル、農産品、薬品などの産業分野が影響を受けると言及。「米国による一国主義と保護主義の施策は中米両国の企業と消費者の利益だけでなく、世界のサプライチェーンを傷つける」と批判した。

 一方で高氏は、追加関税の影響を受ける外資企業を支援する施策を準備していることも明らかにした。一部の外資企業の間で、生産拠点を移転する動きが出ていることを受けた措置とみられる。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180920-00000661-san-cn

海外資本に撤退されれば中国は窮地に

何だか無理な強がりに見えます・・・。

外資が50%を占めたとしても、残り50%は中国企業ってことだからな。それに、トランプは米国企業だろうがお構いなしってことを分かってないみたい。

その外資企業を支援する準備もしてるみたいですね!何がしたいんでしょう?

やっぱアップルとかの外資に出ていかれると困るんじゃない?中国の産業が壊滅的になるからな。

おっしゃる通りです。中国の今は米国を始めとした海外企業の投資で成り立っていると言えますので、口では強気でも海外企業には留まってほしいというのが本音のようですね。今回の記事で中国側が弱みをさらけ出した形になります。

金の切れ目が縁の切れ目じゃよ。利益が減ると分かっていながら動けぬ企業は生き残れんぞ。

中国企業が代わりに穴埋めをすればいいのでは?

アップルの穴埋めを誰がやるんだ?中国は低価格帯のスマホが強みだけど、高価格帯は無理だろう。需要が激減するから、下請けがどんどん倒れてくと思う。そうなれば連鎖的に経済危機が発生すると思うよ。

じゃあ、ここでもアメリカに中国の命運は左右されてしまうんですね・・・。

そう。中国もそろそろ落とし所を探ってるんじゃないか?いい加減にやめてほしいという声が聞こえてきそうだ。というのも、少し新しい動きが出始めたんだ。

中国が関税の引き下げを検討と一部報道

どういう動きですか?

この記事を見てくれ。今までとは真逆の方向に中国が動こうとしてるようだ。

中国、10月にも輸入関税引き下げを計画=ブルームバーグ
9/20(木) 15:32配信 ロイター

 [北京 20日 ロイター] – 中国は貿易相手国の大半を対象に、早ければ10月にも平均輸入関税率を引き下げる計画だ。ブルームバーグが20日に報じた。報道では、対象となる国は特定されていない。

 中国政府は経済開放に向けた取り組みの一環として、7月に消費財約1500品目の平均輸入関税率を引き下げている。対象品には化粧品や電化製品が含まれた。中国は米国を含む貿易相手国に対し、輸入拡大に向けた措置を講じると約束している。

 中国の李克強首相は19日、天津で開催されている「夏季ダボス会議(世界経済フォーラム主催)」で講演し、一部製品に対する輸入関税を引き下げ続けると表明している。詳細には触れていない。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180920-00000082-reut-cn

ええっ?関税を上げるのではなく下げるんですか?アメリカも含めて?

関税引き上げ合戦をやめて融和姿勢に転じるということかもね。米国企業を含めて輸入拡大に舵を切れば、米国の対中赤字も解消するという話になる。ただ今まで引き上げた分をどう処理するかは分からない。振り上げた拳をそのまま下ろすのか?

すごい変化球だと思います・・・。ホントに実行されるんでしょうか?

現時点では不透明ですが、あくまでも李克強氏が天津の講演で演説した際の話としてでしょうね。別の報道では関係者2名が未公開情報として伝えたそうですが、観測気球的な意味合いもあるかもしれません。中国政府の公式な発表ではありませんし、影響は少ないと思われます。

また野球の話してる。道具を使うスポーツは苦手なんじゃないの?

別に例えとして使うくらいならいいじゃないですか!もう!

すまんすまんwww 水を差して悪かったな。それで、もし実行されるのなら中国が努力の姿勢を見せるってことだな。でも米国がなぜ怒ってるのかを考えれば、あまり意味がないと思うんだけど。

知的財産権の侵害でしたっけ?この記事では触れられてませんよね・・・。

そう。この米中貿易戦争は単なる貿易摩擦じゃなくて、覇権争いなんだから。米国は端から融和策なんて求めていないと思う。関税引き下げで輸入拡大なんて米国からしたら面白くないだろうし、李克強は状況を甘く見過ぎている気がするね。

中国は勝ち目のない戦争に突入

ネットユーザーもかなり懐疑的な目で見てます!中国の輸入量は増えてないし、怪しい匂いがプンプンするって。

苦肉の策という感じは否めないよね。これで状況がひっくり返ることはないと思う。

アメリカ製以外の関税を引き下げる話だと勘違いしてる人が結構います!これってアメリカ製も含めてですよね?

そうですね。特定の国の関税だけを引き下げ対象から外すことはWTOのルールにも反しますし。中国がそのルールを破ってまで引き下げを敢行するという話かもしれません。ですが、現時点でそのように話を取り違えている人がいるという現象は興味深いですね。それこそが中国側の狙いかもしれません。

情報工作ってことか…。米国以外に融和姿勢を取ることで、間接的な報復になってると思い込ませたいわけだ。中国政府のメンツを維持して国内世論の鎮静化を図っているともとれる。

どうなんでしょう?そこまでしないと中国の世論は持たないんですか?

このままじゃ負け戦なのは見えてるからな。産経新聞系のZAKZAKも厳しい見解を述べているよ。

日本企業、中国から総撤退も 米中貿易戦争激化で外資系が生産拠点切り替えか 「中国は勝ち目のない戦争に突入」
2018.9.20

 米中貿易戦争で、トランプ大統領は中国経済の息の根を止めようとしているのか。制裁関税第3弾の発動を正式に決めたが、中国側が報復すれば残りの全輸入品にも25%の追加関税を課すとあらためてぶち上げた。対中制裁に関しては有言実行のトランプ氏だけに、今回も脅しでは済むとは思えない。日本など外資系企業が生産拠点を移すなど「脱・中国」の動きは止まらず、習近平政権の地盤が大きく崩れつつある。
・・・

 習政権の対抗措置について「全くの愚策だ」と断じるのは中国問題に詳しい評論家の石平氏。

 「習氏が選んだのは徹底抗戦だが、対中制裁第3弾を発表したのは日本時間の18日午前8時だったのに対し、夜になってやっと中国が報復を警告したのは動揺が大きかったのだろう。習氏の権威とメンツをかけるあまり、中国は勝ち目のない戦争に突入していると解説する。

 両国が正面から対抗し、関税が引き上げられる状況は、中国にとって自らの首を絞めることにつながっている。日本など外資系企業にとって、中国に生産拠点を置くメリットがなくなりつつあるのだ。

 米国の対中追加関税第1弾と第2弾を受け、三菱電機は8月に、中国で生産し米国に輸出していた工作機械の生産を国内に移した。コマツは建設機械の部品生産の一部を中国から日本やメキシコに振り分けている。ダイキン工業は米国で製造する空調機の一部部品を中国から賄っているが、調達先の変更などを検討中だ。東芝機械も10月に自動車向け部品などを製造する射出成型機の生産の一部を上海工場からタイと国内の本社工場に移す計画だ。
・・・

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/180920/soc1809200008-n1.html

勝ち目のない戦争、ですか・・・。

まさに70年前の太平洋戦争と同じだね。中国ではさも勝ち目があるかのように報道されている点までそっくりだ。

中国は歴史を繰り返してしまうんでしょうか?

残念ながらこのままだとそうなる。関税引き上げ合戦では勝負にならないから、今度は関税引き下げという変化球を投げてきた。ところが米国は難なくクリーンヒットを打ってしまうだろうね。問題は貿易赤字だけじゃないし、他にも制裁の手段をいくつも用意しているから。覇権争いに持ち込まれた時点で中国に勝ち目はなかったってこと。

第4弾関税の発動も控えてますしね・・・。

この週末で何か新しい情報が出るかと思いますが、そこでも強硬姿勢を崩さないようであれば来週に予定される通商協議も厳しいでしょう。関税第3弾が9月24日に発動されますが、続く関税第4弾の発動も近いうちに表明される前提で考えておいた方がいいかもしれません。トランプ氏の次の発言に注目しましょう。

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