日中首脳会談とは裏腹に、上海に住む日本人が次々と国外へ”逃げ出している”そうだ。理由はいくつかあるけど、外国人が居留証を申請しにくくなっているのが1つ。それから、個人の格付けを決めるシステムに息苦しさを感じているという理由も大いにありそうだ。
上海で異変、日本人がどんどん逃げ出している!
11/13(火) 6:15配信 JBpress「上海の日本人居住者がどんどん減っています」――上海で日本人向けに食材を販売する経営者が明かす。
食材店だけではない。上海では、病院や日本語学校などでも、日本人の利用者は減少傾向にある。
これは、数字をみても明らかだ。外務省の海外在留邦人数調査統計によれば、上海の在留邦人は2007年にニューヨーク、ロサンゼルスを抜いて1位(4万7731人)となり増加の一途をたどったが、その後、2012(平成24)年の5万7458人をピークに減少に転じる。人件費高騰による工場の撤退などの要因で、多くの駐在員とその家族が帰国の途についたのだ。そして2017年は4万3455人にまで減少した。都市別ランキングでは4位だった。
上海には、独資で会社を設立した中小企業の経営者や、日本企業の現地法人などで働く日本人が数多くいる。2000年代前半、上海に乗り込んだ日本人が異口同音にコメントしていたのは、「中国には市場があり、上海には日本にはない闊達さがある」というものだった。上海ビジネスにどっぷり漬かる人たちも多く、「上海マイコツ(埋骨)会」と称した集まりもできた。
だが今、滞在歴が10年、20年を超える“ベテラン”駐留者たちですら、先を争うように帰国しようとしているのだ。
帰国を急ぐ理由はさまざまだ。年齢や家庭の事情などもあるだろうが、特に外国人が居留証を申請しにくくなったことは大きい。
だが、筆者はもっと大きな原因があるのではないかとみている。それは、上海に住む日本人が上海に「明るい未来」を見出せなくなったことだ。
かつては多くの日本人が上海に希望を見出してきた。政治体制こそ違うが、地方経済の縮小や少子高齢化が進む日本の行く末を思えば、いっそ中国の先進都市に身を投じた方が、日本を上回る安定した生活を送ることができる。むしろ、これから勝ち組になりたければ「中国を選択」することだ──そう確信して中国に渡る人が少なくなかった。
だが、上海に明るい未来があると信じる日本人はもはや少数派だ。
■ 1年半ぶりに訪れた上海の変化に唖然
実際に上海を引き払い、日本に帰国した遠藤真紀さん(仮名)のケースを紹介しよう。
上海の日系企業に現地採用されて活躍していた遠藤さんは、昨年(2017年)、20年ぶりに日本に帰国した。持ち前の明るい性格で現地の中国人と交流し、その生活は充実していた。「あなたこそ中国と心中する」といわれていた遠藤さんだっただけに、突如の帰国の知らせに誰もが耳を疑ったものだった。
遠藤さんは日本への帰国後、上海を懐かしみ、この秋、1年半ぶりに訪れてみた。筆者は遠藤さんが長年住み慣れた街をさぞかし懐かしんで楽しんでいるのではないかと想像したのだが、筆者に届いたのは次のようなメッセージだった。
「上海で私が通っていた馴染みの飲食店はすっかりなくなって、チェーン店ばかりになっていました。ひっそりと経営していた“地元の味”は跡形もありません。街はきれいになりましたが、共産党の“中国夢”のスローガンで覆いつくされています」
「なんでもスマホで済ませられる生活は確かに便利です。けれども、自分の消費データはすべて企業に吸い上げられ、それが今後、個人の格付けに使われるといわれています。中国では13億人を格付けする信用社会システムが始まろうとしています。赤信号を横断すると減点、駐車違反でも減点です。点数が低いと航空券が買えなくなったり、子どもの進学先が制限されるなど、さまざまな制限を受けることになりそうです・・・」
・・・https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181113-00054631-jbpressz-int
理由なくビザの更新を拒否されるケースも
中国って、個人にも格付けするんですか?
少し前に話題になってたね。ポイント制で高得点だとローンなどで優遇されるけど、低いと航空券どころか鉄道にも乗れなくなるという話だ。赤信号を無視しただけで減点というのはちょっとヤバいと思う。
どうやって判定してるんでしょうか?
車のナンバーを瞬時に読み取って、保有者をあっという間に割り出すんだろう。中国全土の信号にそういう監視システムが配備されているというわけだ。犯罪の抑止効果はもちろんあるだろうけど、それ以上の息苦しさは言うまでもないよね。
中国は共産主義国家ですので、特定の報道機関の記者の滞在許可を取り消すことも平気で行ないます。8月には米記者、10月には英記者がそれぞれ査証更新を拒否され帰国を余儀なくされているのです。理由は明らかにされていません。
10月の方って香港じゃない?あれでもう香港は中国の支配下になったんだと確信したよ。自由なんてどこにもありはしないって思った。
ホントだ!香港って建前は資本主義の国ですよね?
一国二制度なんて言ってるけど、事実上中国の省でしかなくなったわけだ。外国人の身分を守れないのなら怖くて滞在できないよね。
中国のやっておることは前近代的じゃよ。見過ごすわけにはいかんのう。
ボクは自由がいいです!抑圧されるなんて絶対にイヤです!
米国が今中国を食い止めなければ、いずれ世界は中国式で染まってしまうでしょう。米国が動き始めたのは、日本を含む世界のためでもあるのです。日本がここで協力する相手を間違えてしまえば、世界はふたたび過ちを犯さざるを得なくなるかもしれません。
クレジットの信用情報システムを他の部分にまで拡大?
あの、記事の続きを一部載せます!結構大事だと思います!
■ 日に日に強まる息苦しさ
そんな遠藤さんの報告を聞いて、筆者も上海の街を歩いてみた。
久しぶりに訪れた上海の街は整然とし、市民のマナーが向上し、着ている服もおしゃれになっていた。スマホさえ持てばどこまでも利便性を追求できるシステムは、完全に日本を凌駕している。この1年で上海はまた大きく変貌していた。
しかし、その変貌の先にあるのは一体何だろう。少なくとも遠藤さんは「明るい未来」を感じ取ってはいない。
筆者は上海で何人かの日本人と話をしたが、その中の1人も「上海は、お金を稼ぐためだけの街だ。それ以外には何も楽しみがない」と言っていた。
最近、帰国する日本人が目立ってきたのは、長年の変化を知る長期滞在者からすれば、急変する中国社会に危機感を持ってのことではないだろうか。便利さの代償としてあらゆる個人データを吸い上げられ、お金を儲けることと引き換えに「自由」を奪われていく――少なくとも上海はそんな街に方向づけられてしまっている。
建国以来、徹底的な管理体制のもとに置かれ、それに慣れきってしまった中国の人々は、「自由」や「民主主義」に対する感度が鈍い。しかし、上海の在住歴が長い日本人たちは“炭鉱のカナリヤ”のように、日に日に強まる息苦しさを敏感に嗅ぎ取っているのではないだろうか。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181113-00054631-jbpressz-int&p=2
20年級の長らく在住していた日本人でさえ、中国社会の変化には耐えられなかったようだね。そりゃそうだ。個人の格付けなんてことをやっていたら、人間らしさはどんどん失われていくことになる。まるで中国の人達が大きなシステムの支配下に置かれているみたいじゃないか。
ですよね・・・。
中国がAIやスマートフォン決済を強力に進める背景として、このような個人格付けの仕組みを全土に広める目的があると見られています。中国の人口14億人の情報が全て一括管理されれば、格付けによる行動の制限も容易に可能となります。2020年までに最終的な完成形に近づくとされており、時間は残されていません。中国国内で成功を収めたとなれば、この動きはやがて全世界へと広がっていくでしょう。
AIに管理される未来か…。どこぞの近未来フィクションの話が現実になるのか?
あの、これって中国に住む外国人にも適用されるんですか?
そうじゃない?ビザか何かに紐づいていて、同様に管理される仕組みだと思うよ。そりゃ息苦しさも感じるわな。
信用度という概念自体は既に仕組みとして存在しています。クレジットカードやローンの審査時に参照される個人信用情報ですが、点数が低いと全ての借り入れが許されなくなるのは皆さんご存じのことかと思います。中国はこの仕組みを金融面のみならず、実生活全てに適用されるように拡大しているのです。
ボクは毎月の支払いが多くなりがちなので、リボ払いで抑えてます・・・。
リボ払い!?絶対やめた方がいいぞ。どんだけ支払額増えるか分かってるの?
だって、そうしないとお金がなくなっちゃうんです!翌月以降に支払いを伸ばさないと生活できなくなります!
どんだけ買い物してるんだよwww 少しは貯金しろよww
愚かな話じゃのう。借金は負の金融資産じゃよ。持てば持つほど資産が減っていくんじゃ。
“負の資産”という概念は斬新ですね…。負債が複利で増えていきますからね。
ええっ?クレジットの負債って複利なんですか?
そうだよ。だから長く持てば持つほど返済額が増える。こんなの常識だと思うんだけど、まさか知らずに使ってたのか?
早く返さないとまずいじゃないですか!どうしてもっと早く教えてくれなかったんですか?
いやいや普通知ってるからwww どうりでクレジット会社が儲かるわけだ…。
アメリカ株も全然上がりません!もう売って返済に充てた方がいいでしょうか?
何のための株投資なんだかwww
米中冷戦で鉄のカーテンが降ろされれば移動も制限される?
また落ち着かなくなってしまうので、ネットユーザーの反応を見て冷静になります!共産主義の理想を実現するのは難しい、って言ってる人がいます。
よしよし。自制する方法を覚えたか。
駐在員コストも高いので、日系企業はローカルスタッフに仕事を移してるみたいです!それで帰る人が増えてるんでしょうか?
2017年の段階でまだ43000人いるけど、確かに2012年から考えるとかなり減っている。今年の米中貿易戦争の影響でどれだけ帰る人が出るかだね。
この前の日中首脳会談があったので、また盛り返すんでしょうか?日本企業が東南アジアにシフトしてるので減ってきてる、という意見もあります。
大いに関係してくるだろう。
あと、60歳以上の人達はビザが厳しくなってるみたいです!もう老後にゆっくり滞在できる国じゃないって。数年前から厳しくなってるそうです!
中国の方針が一夜にして変わることはないかと思いますが、数年先を見据えて動いておくのは大事な考え方です。米中”新冷戦”という向きもあるようですが、もしも鉄のカーテンが降ろされるならば移動の自由すらも制限されてしまうでしょう。
動けるうちに、ってことだな…。米中貿易戦争を抜きにしても、中国政府のシステムが2020年に完成するまでには何らかの行動を取るべきだと思う。在住邦人にとって、中国は一見自由に見えたのかもしれないけど、実体は共産主義国家なんだ。それを忘れずに警戒しないとならないよね。