鈴置さんの記事に通ずるような内容の記事がZAKZAKから出ていた。失礼補佐官が9日の講演で国連軍司令部について言及し、南北関係に最大の障害だと発言したという。実態を知れば国連軍司令部の撤収を誰もが願うだろうとまで言い放ったようだ。米国がこれを許すはずがないというのが日本側の専門家の見解だが、俺は案外激怒しつつもあっさりと撤収するんじゃないかと思っている。国連軍司令部がなくなろうが米韓同盟は維持されるからだ。それを決定づけるのが防衛費交渉の問題だ。
「在韓国連軍は障害物」韓国・文政権ブレーンが“反米”発言連発! 半島“赤化統一”に向けて暴走…トランプ氏、怒りの圧力へ
9/14(土) 16:56配信 夕刊フジドナルド・トランプ米政権の怒りが爆発しそうだ。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の外交・安全保障ブレーンが、米軍主体の在韓国連軍司令部を「南北統一の邪魔者」のように発言したのだ。文政権は、米国の警告を無視して日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄を決定し、在韓米軍基地の早期返還を要求しているが、朝鮮半島の「赤化統一」「レッドチーム入り(=中国陣営入り)」に向けて暴走しているのか。
「韓米同盟を生かそうとして南北関係がダメになっている」「南北関係で最大の障害物は、国連軍司令部なのだ」「韓国国民が(実態を)知れば『国連軍司令部は撤収せよ』というはずだ」
韓国の文正仁(ムン・ジョンイン)統一外交安保特別補佐官は9日、高麗大学で講演し、こう語ったという。朝鮮日報(日本語版)が伝えた。高麗大学といえば、文大統領の最側近チョ国(チョ・グク)法相の娘が不正入学した疑惑が浮上している大学でもある。
正仁氏は講演会で、中国寄りの発言もしていた。中国の習近平国家主席が進める巨大経済圏構想「一帯一路」について、「地政学的なものではなく、経済的な戦略だ。米国は圧力を加えているが、文政権はいつでも協力できるという立場だ」と語ったのだ。
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文大統領ブレーンの発言を、トランプ政権はどう受け止めるのか。
韓国事情に詳しいジャーナリストの室谷克実氏は「トランプ政権は、『米韓同盟破棄』に暴走する文政権に怒っている」といい、続けた。
「正仁氏は、文大統領が表で言えない本音を代弁している。トランプ政権は正仁氏を危険視しており、韓国大統領府(青瓦台)が最近、正仁氏の駐米大使起用を非公式に打診したが、拒否した。米国は、在韓米軍の指揮権は失っても、国連軍司令部は手放さないだろう。今後、さまざまな形で圧力をかけるはずだ。いずれ文政権は被害者ヅラして、泣きわめくのではないか。それが文政権の行く末だ」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190914-00000012-ykf-int
韓国政府の爆弾発言
失礼補佐官、ホントにこんな事を言ったんですか?日本で報道してしまって大丈夫なんでしょうか?
な。GSOMIAは慰安婦合意と同様の不平等な仕組みだから破棄すべきだという重鎮議員の発言に等しいくらいやばい爆弾発言だよ。実は俺も鈴置さんの記事で知るまでは朝鮮日報のこの記事を見逃していたんだ。
文正仁特補「南北関係最大の障害物は国連軍司令部」
9/10(火) 9:40配信 朝鮮日報日本語版「韓米同盟を生かそうとして南北関係が駄目になっている」
韓国の文正仁(ムン・ジョンイン)大統領特別補佐(統一・外交・安全保障)は9日、現在の韓半島情勢について「韓米同盟を生かそうとして南北関係が駄目になっている状況」だとして「南北関係において最大の障害物は国連軍司令部」と語った。文特補はこの日、高麗大学で開かれた韓半島と北東アジア情勢に関する講演で、開城工業団地など南北経済協力に支障が出ていることについて「開城工業団地に物資やバスが向かっていくというと、全て国連軍司令部に事前申告して行くようになっている」として、このように発言した。文特補は「もし韓国国民がこれを知ったら、国連軍司令部は撤収せよと言うだろう」と語った。
文特補は「北では韓国を信用せず、全く対話がなされていない状況」だとして「昨年作った韓米ワーキンググループは南北が推進することを米国に告げ口し、事実上米国に承認されているので、北朝鮮が理解しない」と語った。その上で「野党や保守陣営では、現在の状況を韓米同盟と南北関係が駄目になる外交惨事だというが、厳密に突き詰めれば、韓米同盟を生かそうとして南北関係が駄目になっている」と発言した。
文特補は「われわれの基本は韓米関係ではなく南北関係だと考えるならば、解法が出てくる」と主張した。また「今の一般国民の大勢は、米国に付いて中国の浮上を防ごうという親米均衡論」とした上で「賢い人は、安全保障は米国と、経済は中国とやるべきだという現状維持論を好む」と語った。中国の一帯一路政策に対する考えを尋ねる中国の学生からの質問に、文特補は「一帯一路戦略は地政学的戦略ではなく地経学的戦略なので、米国は韓国に圧力は加えられるが、いつでも協力が可能というのが文在寅(ムン・ジェイン)政権の立場」と答えた。
「われわれはなぜ米国の顔色をうかがうのか」という学生の質問には「駐米韓国大使が、韓国政府の意向を強力に伝えるよりも、米国政府の意向を韓国へ伝えて韓国政府の意見を変えるようにする形で社会化されている」「国連安保理の制裁決議に引っ掛からない金剛山観光をなぜ運用しないのかと、青瓦台(韓国大統領府)の前で、米国大使館の前でデモする市民の行動だけが変えることができる」と答えた。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190910-00080020-chosun-kr
いくつか新たな情報が明らかになったね。失礼補佐官は国連軍司令部が邪魔な理由を開城団地へ行く時の申告が必要だという点に限定していることと、安全保障は米国で経済は中国といういいとこ取り外交をやめようとしないということだ。
それって、アメリカとの同盟は破棄するつもりがない、っていう話と一致しますよね・・・。黒井さんの読んでる通りだと思います!
そういうこと。失礼補佐官は国連軍司令部は追い出したいが米軍は追い出したくない。北朝鮮との経済協力をしたいけど米国との安全保障の枠組みも維持したいという言い分なんだよ。これは米韓同盟破棄とはかけ離れた雰囲気だと思わないか?
米韓同盟が破棄されるという読みは外れる目算か
そうなると、鈴置さんの仮説も崩れてしまいますね・・・。
鈴置さんはあくまでも米国が先に破棄を言い出すという前提だったはずだ。だがベトナム戦争の例でも分かるように米国は最後まで米軍要員をベトナムに残した。もしもベトナム共和国と正式な同盟関係が成立していたなら結果は違ったかもしれない。米越同盟が存在しなかったからベトナムはああいう方式で統一されたとさえ言える。
ホントに同盟はなかったんですか?それは、確定なんでしょうか?
“米越同盟”の引用符付き検索で出てきた結果はごくわずかだったが、ネット百科事典のジョージブッシュジュニアの項に米国とベトナムは冷戦後に“米越同盟”を締結していたとだけ書かれてるんだよ。ソースは特にない。まあベトナム共和国については米国の傀儡国家とされているから、同盟と明言するまでもなかったのかもしれないがな。
それで、書いた人が勘違いをしたんでしょうか?
明確なのが、ベトナム戦争によりベトナム共和国が消滅するまでの過程で“同盟を解消”とか“同盟を破棄”というような記述が1カ所たりともないということだ。フランスについては同盟国だったと書かれている。ネット百科事典ベースになってしまうがな。よってベトナム共和国を防衛する義務が元々米国になかった可能性がある。
じゃあ韓国については、ベトナムのようにはならないかもしれないですね・・・。
だから俺は世界初の事例になるんじゃないかと言ったんだ。ここで効いてくるのがダークホースのエスパー国防長官の存在だ。北朝鮮と韓国はボルトン補佐官が解任されて安心しきっている可能性があるが、それは甘いと俺は警告しておく。エスパー国防長官の経歴を見ればボルトンかそれ以上に強硬な背景を持つ人物だと分かるからだ。
順番に見ていこう、エスパー国防長官は1996年から1998年までヘリテージ財団のチーフとして働き、1998年から2002年までは上院外交委員会などの専門スタッフを務め、2001年から2002年までは下院軍事委員会の政策部長、2002年から2004年までは何とあのブッシュ元大統領の下で交渉政策の副次官補を務めたそうだ。
2004年から2006年までは上院の国家安全保障問題を指導する立場にあったとも書かれている。日本語版でもちらっと書かれているのはチャックへーゲル上院議員の政策補佐官として務めた2007年以降だけだ。
そんなにいっぱい経歴があったんですか?しかも、ブッシュ元大統領だなんて!
な?トランプが進める世界各国からの米軍を撤収する動きとは真逆のベクトルなんだよ。はっきり言って軍産複合体の一角だと思うね。トランプも渋々承認したんじゃないかな?
自分が書いた内容を引用するというのはいいね。記事リンクを張るだけよりも親切だと思ったよ。
「軍産複合体」なんですか?ボルトン補佐官が、そうだったって言われてますけど・・・。
軍需企業のレイセオンで7年間副社長を務めた人物が軍産複合体でないとでも言うのか?政府交渉担当だぞ?しかも政治家の時代にはブッシュジュニアとも仲が良かった。エスパー国防長官の素性は日本でもほとんど報道されていないから、北朝鮮もおそらく見落としているはずだ。
米国が新たな強硬派を据えたからボルトン補佐官は不要になった
エスパー国防長官、言葉が少ないし強硬派には見えないですよね?ボルトン補佐官みたいに、発言が強硬じゃないと思います!
米国が巧妙に戦略を変えてきたものと思われる。エスパー国防長官の素性を明かした記事でも取り上げたように米国はむしろ国連軍司令部の権限を強化したい。それにより平時でも韓国軍を指揮できるように働きかけ始めた。よって防衛費の交渉が今後のポイントになると当初書いていた。
9月中旬なんですけど、防衛費の交渉ってまだですよね?
まだだね。今週から本格化するものと思われるが、文在寅が1.5倍程度の防衛費でも首を縦に振らない可能性があると俺は読んでいる。1.2倍くらいなら分からないがな。そうなればトランプの全面敗北が決まってしまうことになるが。
エスパー国防長官がいる限り、アメリカは韓国との同盟を解消しませんよね?そういう事だと思ったんです!
北朝鮮がエスパー国防長官の素性に気付いているか、またそれをいつ広報し始めるかが同じくポイントだと思う。国防長官が強硬なことに気付かず北朝鮮が非核化交渉に前向きになれば米国としては笑いが止まらないだろう。そういや次の大統領補佐官も今週決まるんだっけ?
今週だと思います!ビーガン代表が就任するんじゃないかって言われてます。
トランプ政権は表向き北朝鮮融和体制に変化したかのように見せかけて、エスパー国防長官率いる軍産複合体との二重権力状態に移行した可能性さえあると思っている。北朝鮮を非核化させて油断させる意図があるとしか思えないね。今週からの動きが重要だ。上記2つの点については判明したらすぐに共有してほしい。
黒井さん、分かりました!
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