週末に起きたサウジアラビアの石油施設への攻撃について、米国政府はイランが関与した疑いを強めているようです。攻撃にはcruise missilesが使われた可能性が提起されています。事実であればイランが主張するイエメンのHouthiが攻撃の主体だとする説を否定する形になります。
Evidence from Saudi oil attack points to Iran, not Yemen: U.S. official
September 16, 2019 / 5:35 AMWASHINGTON/DUBAI (Reuters) – The attack on Saudi Arabia’s oil facilities on Saturday that has threatened global oil supplies came from a direction indicating that Iran was behind it, and cruise missiles may have been the weapon of choice, according to a senior U.S. official.
The comments added heft to Washington’s accusation that Iran launched the attacks that knocked out more than 5% of global oil supply, instead of the Yemeni Houthi group that claimed it. Tehran rejected the accusation, but said it was ready for war.
The strike on the heartland of Saudi Arabia’s oil industry, which included damage to the world’s biggest petroleum-processing facility, was expected to send oil prices up $5 to $10 per barrel on Monday and inflame tensions across the Middle East.
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米国はイラン側の主張を否定
待ってたよこのネタについて談義する機会を。というかいきなり英語記事…?
ロイターの英語版みたいですね!日本語版では、まだ報道されてないんでしょうか?
今後は随時原文の記事を取り上げることにします。週末に起きたサウジアラビア石油施設への攻撃についてですが、米国政府はイランが主犯だとみているようです。攻撃にはcruise missilesが使われたとされています。事実であればイエメンの武装組織Houthisが関与したとするイラン側の主張を否定することになります。
毎度のことになるけど、証拠はあるんだろうか?フーシ派が犯行声明を出したっていう記事を見たけど。
該当記事はこちらになるかと思います。生産量の半分にも達する570万バレル程度に影響が出るとされています。世界の供給量の5%に達するそうです。
サウジ石油施設に攻撃、フーシ派が犯行声明 生産量の半分に影響
9/15(日) 10:00配信 ロイター[リヤド/ドバイ/ロンドン 14日 ロイター] – サウジアラビア東部にある国営石油会社サウジアラムコの石油施設2カ所が14日攻撃された。これによりサウジの石油生産能力の半分以上が影響を受けるという。イエメンの親イラン武装組織フーシ派が、無人機(ドローン)で攻撃したとの犯行声明を出した。原油価格が上昇し中東の緊張感が一段と高まる可能性がある。
アラムコは、サウジの石油生産が日量570万バレル減少するとの見方を示した。これは世界の石油供給の5%超に相当する規模。
今回の攻撃を巡ってはフーシ派が犯行声明を出したものの、ポンペオ米国務長官はイランを非難。「攻撃がイエメンからのものであることを示す証拠はない。緊張緩和を求めるあらゆる呼び掛けにもかかわらず、イランは世界のエネルギー供給への前例のない攻撃を行った」とツイッターに投稿した。
国営サウジ通信社(SPA)によると、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子はトランプ米大統領と電話で会談し、サウジには「このテロ攻撃に立ち向かい、対処する意思と能力がある」と説明したという。
米国は攻撃を非難。ホワイトハウスによると、トランプ大統領はサウジ皇太子に対して、サウジの安全確保のため協力する用意があると伝えた。米エネルギー省は、必要に応じて戦略石油備蓄を放出する用意があるとした。ペリー米エネルギー長官は、世界的な行動が必要になった場合には、国際エネルギー機関(IEA)と協力する意向を表明した。
ドローンによる攻撃を受けたのはサウジ東部のアブカイク、クライスにあるアラムコの施設2カ所。アラムコのナセル最高経営責任者(CEO)は、攻撃による死傷者はいないとし、事態を掌握していると説明した。ロイターの目撃情報では、アブカイクの施設は夜までに鎮火した。
サウジのアブドルアジズ・エネルギー相は、アラムコは当面は在庫を活用して供給を続けると語った。アラムコは現在、世界最大規模となる見通しの新規株式公開(IPO)を計画しているところだった。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190915-00000003-reut-asia
米国側の準備があまりにも周到すぎるような…?
動きが早いのは、いいと思います!アメリカも産油国なんですよね?中東は危険だし、アメリカに生産拠点を移転した方がいいです!
すると中東の王族がもう贅沢できなくなってしまうな。米国が同盟国ではないサウジアラビアに安全保障で協力すると申し出ているのもやむを得ない話だろう。
原油の価格って、どうなるんですか?ガソリンも値上がりしますか?
トランプ氏が戦略石油備蓄を放出する用意があるとTwitterで述べました。原油価格への影響を最小限に抑えるためとされています。日量570万バレルの生産量をどこまで補えるかは不透明です。
イランのRevolutionary Guardsは米軍基地への攻撃を警告
570万バレルって、どのくらいの量なんですか?
調べたら日本の1日当たりの消費量が398.8万バレルで世界4位だった。米国で1,988万バレル、中国で1,279.9万バレル、インドが469万バレルだそうだ。
えっ?じゃあ、日本に供給する分が、そのまま消えるくらいの損害だったんですか?
そうなるね。ちなみにサウジアラビアが5位で391.8万バレルだった。つまりサウジアラビア自身が使用する量を賄えなくなる可能性があるってこと。それで米国が石油の備蓄放出を申し出た可能性もあるね。
詳しくはこのページを参考にしてほしい。2017年の統計だそうだ。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/ranking/oil_ex.html
サウジアラビアは、どうなってしまうんでしょうか・・・?
イランのRevolutionary Guardsは米国側の見解を受け、中東地域の米軍基地や空母はイランの攻撃範囲にあることを述べ警告を発しました。また、イランは本格的な戦争に備えているとも明らかにしました。
Iran says U.S. bases and aircraft carriers within range of its missiles: Tasnim
September 15, 2019 3:38 PMDUBAI (Reuters) – An Iranian Revolutionary Guards commander said on Sunday that U.S. bases and aircraft carriers in the region were within range of Iranian missiles after the U.S. accused Iran of leading attacks on Saudi oil plants, raising tensions in the Middle East.
Yemen’s Iran-aligned Houthi group said it attacked two Saudi Aramco oil plants on Saturday at the heart of Saudi Arabia’s oil industry, knocking out more than half the Kingdom’s output.
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おいおいやる気満々だな…。これじゃイランが本当にサウジアラビアを攻撃したと思われても仕方ないぞ。
イランとしても、アメリカが犯人だと疑ってくるなら、やるしかないと思ったのでは?
国務長官のPompeo氏によればイエメンからの攻撃を示す証拠は見当たらないとのことですので、イランがHouthiの犯行声明を利用した可能性は考えられます。万が一攻撃の主体がcruise missilesであれば、非難の声は一層高まるかと思います。
攻撃された瞬間の映像って、残ってたりしないんですか?
いや無理だろ…。570万バレルの生産能力が失われるってことは、根こそぎやられたんじゃないの?カメラも何もかもだめになると思う。日本マスコミの報道によればサウジアラビア当局も巡航ミサイル使用の証拠を確認したらしい。
イランの関与を疑うのは自然な流れ
ネットユーザーは、ドローンがこれからの主力になると言ってます!サウジアラビアはイエメンに空爆ができずに油断したんじゃないか、経済活動への挑戦は許されない、という意見がありました。全体的には、アメリカがイランだという証拠を出すべき、ボルトン補佐官解任のタイミングでイランが攻撃する理由がない、という雰囲気です・・・。
Pompeo氏がイエメンからの攻撃であった証拠を持っていないとの話が事実であれば、イランの関与を疑うのは自然と言えます。トランプ氏はイランとの話し合いを求めていますが、その要求を台無しにする行動に思わず感情的になることは不思議ではありません。
つまり米国も消去法でイランだとしか言えない段階なわけだ。イランが関与した証拠もなければ、イランが関与していない証拠もない状態と。フーシ派の犯行声明がフェイクだという証拠も欲しいかな。
ちょっと苦しい気もしますけど・・・。でも、他に客観的な証拠がないなら、そう考えるしかないですよね?
俺はイランが米軍基地への脅しをかけた点はイランにとってはマイナスだと思ったね。やましいことが何もないなら素直に言えばいいはずだ。そうしないってことは、悪事に手を染めていると思われても別にいいという姿勢にしか見えない。客観的に見ればイランの方が怪しい。
じゃあ、黒井さんもイラン黒幕説寄りですか?
現状では6:4くらいで何とも言えない段階だがね。今確かなのは、サウジアラビアが国家的な危機に陥っているということだと思う。
トランプ氏が石油備蓄の放出について触れたのも、原油価格の安定という建前以上の意義を感じてのことかもしれませんね。サウジアラビアとトランプ氏の関係は元から深く、可能であれば中東地域での軍事衝突も防ぎたいと考えているはずです。今後の米国政府の声明に注目してください。
そうなんだよな…。サウジ家は米国との関係がいいはずなんだが、であればその関係図を変化させるように米国が産油国へと移行しつつある現状については複雑な思いだろうね。問題なのはサウジ以外も狙われる可能性があることじゃないか?
えっ?まだ続くんですか?大体、攻撃した理由って何なんですか?
一応調べてるんだけど、もっともらしい理由が見つからないんだよな…。イランが交渉に向けて自らを大きく見せるためだとか、安売りはしないだとか要領を得ない感じの推測ばかりだ。
Houthiの犯行声明については米国は相手にしない姿勢をとっています。石油施設への攻撃はイランのある西北西からなされたとの見方を前提に、サウジアラビア当局から攻撃の当事者について発表されるのを待つとしています。新たな情報が出れば追って共有をします。
サウジアラビアがどう出るかだよな…。イランの責任にして一触即発の事態にするのか?それとも米国とは異なる見解を出すんだろうか?目が離せないね。
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