最近の流出した米政府の機密文書によって、ウクライナ戦争でのロシア軍の内部分裂が深刻化していることが明らかになったとニューヨーク・タイムズ紙が報じている。
文書ではロシア連邦保安局(FSB)が国防省を批判し、戦争でのロシア軍の死傷者数が正確に集計されていないと主張していることが明らかにされた。
FSBは実際には11万人が死亡または負傷していると推定しているが、ロシア国防省は昨年9月に死傷者数を5937人と発表して以降、さらなる公開は行っていない。米国は、これまでのロシア軍の死傷者数を約20万人と推定していた。
ニューヨーク・タイムズ紙が入手した資料によると、FSBはロシア国防省の死傷者集計を批判し、死傷者数には国家親衛隊や民間傭兵グループ「ワグネル」、チェチェン共和国の参戦部隊などが含まれていないと指摘している。米国の情報当局は、ロシア軍関係者が上層部に否定的なニュースを報告することをためらう状態が続いていると分析している。
また文書では、ロシアのプーチン大統領がセルゲイ・ショイグ国防相と傭兵組織「ワグネル」グループの長エフゲニー・プリゴジン氏を呼んで和解させようとしたことが明らかになった。
ニューヨーク・タイムズは、プーチン大統領が戦争で勝利を保証できなかった理由の一つは内部分裂と相互批判であり、ウクライナ戦線に配した雑多な複数の兵力がロシアの戦闘力をさらに複雑にしていると指摘している。
コメント欄では以下のような意見が並んだ。
・ロシア軍の苦戦が続く中、ワグネル創始者はウクライナ軍に敬意を表しながら、プーチン氏の戦争の大義名分を否定。これはプーチン氏の立場と対照的であり、膠着状態が続けば国内世論の分裂も避けられないだろう。
・ロシア軍の参謀部・情報部がウクライナ侵攻に賛成・反対で割れていたため、統一した行動がとれず、膠着状態が続く中で反対派が影響力を持ってくるでしょう。
・専制主義的な国家では上層部だけで物事が決まるため、内部闘争が激しい。
・戦争を始めたのはプーチン自身の判断であり、西側諸国を非難するのは責任転嫁だと思う。
・ウクライナ侵略で露わになったのは、軍事大国と謳われたロシア軍が実は脆弱な張りボテ軍隊だったこと。これは、士気の低さやワグネルとの軋轢が原因かもしれない。
・ロシア軍の死者数がまだ国内を揺るがすほどではないが、戦況は苦しくなっており、プーチンの権威も落ちていくだろう。
・ロシアでは独裁国家の性質上、誰もプーチンに真実を言えず、非効率で弱体化する。
・ロシアが不利になればロシア側への加担国も減り、ウクライナの士気が上がるだろう。
(黒井)
米国の機密文書「ロシア軍の内部分裂が深刻」…NYTが追加入手
https://news.yahoo.co.jp/articles/12a2a0e8cd2e1e75a91332849c1f5c99afe030d7
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