記事によると、森ビル社長の辻慎吾氏は、東京都港区で進行中の2つの超高層複合タワー、麻布台ヒルズと虎ノ門ヒルズステーションタワーが今秋に相次いで開業する予定であることを明らかにした。両プロジェクトは、オフィス、ホテル、住居などを備えた一大プロジェクトであり、街全体が生まれ変わることになる。
辻氏は、再開発事業は地権者と一緒に作り上げるものであり、麻布台ヒルズの開発には約35年もかかり、地権者たちも待ち望んでいたと述べた。300人を超える地権者をまとめることは非常に困難であったといい、このエリアの高低差や複雑な地形なども再開発を難しくした点だったと話した。
虎ノ門ヒルズステーションタワーについては、東京メトロ日比谷線・虎ノ門ヒルズ駅との一体開発が特徴的であり、日比谷線の新駅は56年ぶりとなる。辻氏は、電車が走る線路の横を掘る工事が大変であったと述べたが、虎ノ門では、老朽化が進んでいたビルの建て替えやインフラ整備を行うなど、都市再生のモデルになると語った。
一方で、IT企業による人員削減や米欧の金融不安の影響も懸念される中、オフィス需要に影響がないかと問われた辻氏は、大手IT企業はAIの分野などで成長戦略を進めており、投資額も大きく、力強さを感じると話した。また、米国の銀行破綻の状況は注視しているが、影響は大きくないと見ていると述べた。
辻氏は、六本木ヒルズが開業20年を迎える中、街の鮮度を維持するために店舗の入れ替えやイベントの企画などを行い、常に新鮮さを高めながら育ってきたことを語った。また、森ビルが建物を50年や100年と続けることを考えているため、街全体を100年続けることを念頭に建物のデザインや施設にこだわっていると述べた。
東京という都市の魅力を高めることの重要性について、辻氏は世界の中で都市同士が競争する時代であり、政官民が理解し、共通認識を持つ必要があると語った。東京は都市の規模が大きく、ポテンシャルがあるといい、治安が良く、文化が古くからあるとともに、食の評価も高いと述べた。しかし、法人税が高いことやスタートアップ企業が育ちにくいこと、国際線の直行便が少ないことなども課題であると指摘し、弱い部分を強化し、強い部分を伸ばしていくことが必要だと話した。
事業を国内で東京以外にも広げる戦略について、辻氏はまずは東京に注力するが、森ビル都市企画が地方でコンサルタント業務を行うなど、地方の再開発にも取り組んでいると述べた。また、海外でもビルの売買を行うのではなく、開発に力を注ぎ、日本の「ヒルズ」と同じものを作ることができるパートナーを探していると話した。
辻氏は、都市再生のモデルとして、麻布台ヒルズや虎ノ門ヒルズステーションタワーを開発しているが、森ビルは50年、100年と続く街を作ることを社会的な責任として捉え、建物のデザインや施設にこだわることで、100年続く街を実現しようとしていることが伺える。
コメント欄では以下のような意見があった。
「虎ノ門の立地は唯一無二で、森ビルは絶好の土地にビルを沢山建てた。麻布台は未知数だが、周辺の再開発と連動して新しい価値ある土地を生み出せるか見もの。森ビルの再開発は他社とは哲学が違い、明確なものを見据えており、見ていて本当に面白い。」
「虎ノ門ヒルズは第三期後の完成が近づくとすごくいい街になる。麻布台も再開発後は広場も作りますし、ビル風も軽減され、日照もよくなります。」
「東京都心部は再開発が各地で行われているが、人口統計の予想はほぼ横ばいになっている。人が増えないと新たな需要も増えない。」
「虎ノ門ヒルズや麻布台ヒルズはオフィステナント集めに苦労しているようだ。八重洲ミッドタウンも半分しか埋まらなかった。次は第2六本木ヒルズがスタートするらしいがテナント埋められるのだろうか?」
「ランドマーク的な建物を建てるのは凄いけど、デベロッパーとして建設業界への労働環境・働き方改革への貢献も積極的に取り組んでもらいたい。」
「森ビルさんは他の大手デベロッパーよりも時間がかかってでも地権者との話し合いを優先される印象です。創業者が地元出身だから出来ることなんでしょうね。」
「麻布台ヒルズは国内最大の高さビルで、周辺は富裕層が多く、国際色豊かで素敵な地域。これから東京の富裕層の中心地の1地域として優秀な外国人も増え益々楽しみあふれ発展していくと思います。」
麻布台ヒルズと虎ノ門ヒルズステーションタワーが今秋開業 100年生き続ける街をつくる辻慎吾・森ビル社長
https://news.yahoo.co.jp/articles/401cb989e39bbb5708bf3927173e0a51e1385176
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