アメリカのIT大手アップルが、4月17日にスタートさせた普通預金サービスが、年4.15%という高い金利で注目を浴びている。
このサービスは、アップルがゴールドマン・サックス・グループ(GS)と共同開発してアメリカで展開しているクレジットカード「アップルカード」のユーザーだけが利用可能で、口座は実質的にGSの支店に作られる。
この「アップル銀行」とも呼ばれるサービスの金利は、当初年4.15%で、2500万円の預金をした場合、1年後には約2600万円に増えることになる。
アップルの発表によれば、この金利は「国内平均の10倍以上」だという。
アメリカの政策金利は4.75%~5.0%であるが、一部のネット銀行を除いてバンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースなどのメガバンクは、金利が0.01%であるため、アップルの金利はその415倍と、大変魅力的に映る。
また、アメリカでの金融不安も、アップルにとって追い風となっている。
シリコンバレーバンク(SVB)やシグネチャー・バンク、ファースト・リパブリック・バンクなどが破綻に追い込まれたことを受け、足元では中堅から大手銀行に預金を移す動きがある中、事業会社として約249億ドルの手元資金を持つアップルのほうが元本毀損リスクは低く、信用に足ると考える消費者もいるほどである。
この普通預金サービスには、金利の高さだけではなく、ユーザーインターフェースの優れた点も注目すべきである。一般的に、口座開設手続きは手間と時間がかかるものであるが、アップルの場合は1分もかからずに完了する。
本人確認は日本のマイナンバーに該当する「ソーシャルセキュリティーナンバー(社会保障番号)」を入力するだけであり、名前などの個人情報の入力は必要ない。
口座の開設手続きはiPhone上で行う必要があり、所有者が口座を開設する本人である可能性が高いため、スムーズに口座開設ができるという利点がある。
アップルのこの普通預金サービスの狙いについては、金利の高さと優れたユーザーインターフェースを呼び水に、口座開設数を増やして、アップル経済圏をより強固なものにすることにあると考えられる。
アップルは、金融事業そのもので儲けようとしているわけではなく、ユーザーを囲い込んで、次に買うスマートフォンもiPhoneを選んでもらうことが狙いの一つである。
ただし、日本でのサービス展開はまだ始まっておらず、大手金融機関が顧客の中心が高齢者になっていることを考えると、アップルのような変化についていけず、打つ手を失ってしまう可能性もあると指摘されている。
今後、アップルがどのような展開を見せるか注目される。しかし、金利が低い中、スマホ上で1分で口座開設ができるという利便性と、アップルというブランド価値による信用力には、多くのユーザーが惹かれることが予想される。
コメント欄では以下のような意見があった。
「米国で普通預金がこんなに低いなら、多くの人は米国債を買うだろう。満期まで待たなくても売ることもできるし。」
「大手銀行の金利が0.01%とは意外だ。FRB金利が3〜4%だと思っていたけど、日本と同じだなんて。」
アップル貯蓄口座「1分で開設完了」に透ける狙い
https://news.yahoo.co.jp/articles/b955b114b5cefaf6b51c401384630321f80fb4ad
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