- 岸田首相、IAEA報告書を受け取り処理水海洋放出の安全性評価を確認
- IAEA報告書では放射線の影響が「無視できるレベル」と評価される
- 放出時期は夏頃に最終判断する方針
岸田首相は国際原子力機関（IAEA）の報告書を受け取り、福島第一原子力発電所の処理水に関する海洋放出の安全性についての評価を含んだ報告書を受け取りました。IAEAは報告書で、処理水の放出による放射線の影響は「無視できるレベル」と評価し、放出の妥当性を認めました。岸田首相は放出時期を夏頃に最終判断する方針を示しました。
IAEAの報告書では、処理水の放出設備の設計・安全管理や原子力規制委員会の対応が適切であると判断されました。また、IAEAのグロッシ事務局長は記者会見で、処理水の放出計画が国際的な基準に準拠しており、他の国々も海洋放出を行っていることを指摘し、報告書の内容に自信を持っていると述べました。
処理水は、汚染水を浄化処理し、放射性物質の大部分を取り除いた水です。福島第一原発ではタンクで保管されていますが、タンクが満杯になる見通しであり、廃炉作業に支障をきたすため、政府は海洋放出する方針を決定しました。
東京電力（東電）の計画では、処理水を海水で薄め、トリチウム濃度を国の基準の40分の1未満にするとしています。放出期間は約30年の予定です。
放出設備の工事は完了し、原子力規制委員会は今週中にも使用前検査の終了証を交付する予定です。これにより、放出に向けた準備が整うことになります。岸田首相は引き続き科学的根拠に基づいて説明を行い、高い透明性を保つ意向を示しました。
