【緊急事態】医療関係者が警告「中国のマイコプラズマ肺炎、日本でも近々大流行するでしょう」

【緊急事態】医療関係者が警告「中国のマイコプラズマ肺炎、日本でも近々大流行するでしょう」
※画像はAIで生成されている場合があります。

【緊急事態】医療関係者が警告「中国のマイコプラズマ肺炎、日本でも近々大流行するでしょう」

中国で大流行しているマクロライド耐性マイコプラズマ肺炎について、日本でも近々流行すると思われます。コロナ禍前でも流行していた耐性株(9割以上がA2063G変異)の可能性が高いとのことです。以下、長いですが耐性株について解説。

【1.耐性機構と成人には耐性株が感染しにくい理由】
マクロライドはリボソームに作用してポリペプチド合成を阻害します。その作用にあたって23S rRNAドメインVの2063、2064番目のアデニンがとりわけ重要であり、この部位に置換やメチル化などの変異が入るとマクロライドは作用部位に結合できず、菌は耐性化します。

マイコプラズマ属は自立増殖可能な最小の微生物で、構成遺伝子量は大腸菌の17%程度しかなく、プラスミドを介した耐性機構は存在せず、薬剤耐性機構は23S rRNAドメインⅤの点突然変異のみ。このためプラスミドを介する耐性機構が主体であるテトラサイクリン系薬剤に対してはマイコプラズマは耐性を獲得しません(16S rRNAの塩基点突然変異株は知られていますが、最小発育阻止濃度の上昇はわずかで,臨床的なテトラサイクリン系耐性にはならない)。なお、キノロン系は前述の通り点突然変異をきたし、耐性化しえます。

マクロライド耐性株は基本的には小児がメインで、成人にはあまり感染しません。理由はマイコプラズマにはリボソームのオペロンが1組しか存在しないからです。オペロンはリボソームを作成するための生産ラインで、そこに突然変異を持っている耐性菌は生物学的には欠陥菌であり、増殖力は劣っています。このため、耐性菌が感染しても免疫系により排除されやすいことから、非特異的防御能力が小児より発達している成人においてマクロライド耐性株感染が少ないとされています。

このため、少なくとも耐性株感染だと最初から分かってない成人例では今後もマクロライド系が第一選択でいいでしょう(抗菌薬なしでも自然治癒するself-limitedな感染症でもあるので)。

【2.マクロライド系の代替薬】
マクロライド系の代替薬としてはテトラサイクリン系やキノロン系があります。

テトラサイクリン系抗菌薬、特にミノサイクリンは歯牙黄染の副作用のため8歳以下では原則使用しないこととされていますが、IASRの報告では、8歳以下の小児であっても4日間投与で問題ないとされており、実臨床においても5-7日間程度では歯牙黄染は起きないというのが多くの小児臨床医の印象のようですぐ(速やかに効きやすいので4日にとどめておくのがbetter)。

キノロン系抗菌薬は点突然変異による耐性化リスクがあります。また、結核感染をマスクしてしまうため、使うのであればトスフロキサシン(オゼックス®︎)が比較的安全です。

また、マイコプラズマで7日間以上高熱が続く場合は菌の感受性の問題というよりは宿主側の免疫応答の問題である可能性が高く、むしろステロイド治療の適応を考慮すべきかもしれません。

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