2023年5月、国連経済社会局はインドが中国を追い抜いて世界最多の人口を有すると予測したことを発表した。しかしこの予測に対し、中国政府は「西側メディアが中国を中傷するため、人口減少による中国衰退論を意図的に喧伝している」と猛反発している。

一方、中国の今年第1四半期の経済成長率は前年比4.5%増となり、昨年第4四半期の2.9%増から加速した。これに対し、米国の大手金融機関は中国の経済成長率を相次いで上方修正しており、国際通貨基金(IMF)も「中国はインドともに今年の世界経済を牽引する」と予測している。

しかし、中国政府は「衰退論」に過剰反応している。その理由の一つに、足元の最大の不安材料であるデフレ懸念がある。成長率が上振れしているにもかかわらず、物価の下落傾向が強まっているのである。

不動産バブルの崩壊により、生産者物価指数(PPI)は昨年後半以降、マイナスの状態が続いている。消費者物価指数(CPI)も3月、前年比0.7%増にまで低下している。中国政府は「デフレは起きていない」と主張しているが、専門家は「中国経済の深い部分にまでデフレ圧力が浸透している」と分析している。

このような状況下で、中国経済は至るところで「縮み」傾向が目立つようになっている。

特に個人消費においては、日本を始め先進国の国内総生産に占める個人消費の割合は5割を超えるが、中国の比率は4割に満たないとされている。不動産バブルの崩壊がもたらす資産デフレが悪影響を与え、中国の家計は将来のリスクに備えて貯蓄を大幅に増やしている。

そのため、中国政府はデフレ懸念を最優先課題として取り組んでおり、銀行に対して預金金利を引き下げるよう指示するなどの対策を講じている。

しかし、若者のキャリア・パスにも「縮み」の現象が生じており、高学歴の若者たちが高給取りの仕事を捨て、低賃金の肉体労働の仕事に転職するという選択を取り始めているという問題も浮き彫りになっている。

また、不動産バブルの崩壊がもたらす資産デフレが悪影響を与えており、中国の家計は将来のリスクに備えて貯蓄を増やす傾向があり、そのため消費が低迷している状況がある。

一方で、中国政府は経済成長率の上昇を見せており、米国の大手金融機関やIMFも中国の経済成長を高く評価している。しかし、中国経済が抱えるデフレ問題や若者のキャリア・パスの縮小などの問題が深刻化しているため、今後の中国経済に対する懸念も否定できない。

また、中国を巡る地政学リスクも投資家の頭に浮かぶ問題の一つであり、米中関係や台湾問題などが投資家の意思決定に影響を与えている。

さらに、中国の科学技術分野における研究の不正や偽造論文の問題なども浮き彫りになっており、「科学技術大国」中国に対する期待も今後、大きく縮むことになるかもしれない。

コメント欄の意見:

「経済拡大期に社会保障体制を構築できなかったツケが今後表面化する。支援金回収は無理でしょう」

「中国の統計数値に疑義あり。人口増加、就職難、株価下落、デフレ状態などおかしいことが多い」

「中国が激烈な反論をするときは、外部からの指摘が当たっているとき。習近平政権は外交下手である」

「中国経済は『成長幻想』と『借金依存型』の経済。新規投資が途切れたら崩壊する。縮小始まれば資金逃げる」

「出生率の低下に加え、35年の一人っ子政策が人口ピラミッドに重大な悪影響を及ぼした」

「中国の景気低迷で余った製品が輸出に回され、国際市況に影響が出る。WTOの一員として襟を正す必要がある」

「中国の居丈高な強がりは通用しなくなっている。投資先としての特別扱いは将来的に問題になるだろう」

「中国のGDPは公共投資や輸出によって増加している。内需による成長はさらに小さく、不動産問題や一帯一路構想の負債等、多くのリスクを抱えている」

「中国の経済数値そのものが疑わしい。人口減による衰退が起きるだろう。超少子高齢化社会の行く末はハードだと思う」

中国は人口減による衰退論に猛反発 本当は他国に触れられたくない“縮みの現実”とは
https://news.yahoo.co.jp/articles/b2884ab29e0fa59d716f2ca42ded00df49b485d3

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