- 古事記や日本神話は「史実」ではなく物語要素が強い一方で、日本文化の土台というガチ重要コンテンツです。
- おみくじは統計的には“当たり外れ”ですが、人の心理や行動に影響を与える「意味」はちゃんとあります。
- 友人をディスるより、自分が神話・宗教・心理を学んで「一段上の視点」でツッコミ入れる方が圧倒的に賢いです。
目次
はじめに
友人がいきなり「古事記も日本神話も人類が作ったフィクションエンタメ。おみくじなんて意味ねえ」と言い出したら、正直ちょっとドキッとしますよね。「え、末期症状? 大丈夫?」と心配になったり、「いやいや、さすがに言い過ぎw」とムッとしたり。 ここでは、歴史学・宗教学・心理学の知見をベースに、「神話=フィクション」「おみくじ=無意味」論を冷静に分解しつつ、そういう極端トークをしてくる友人への建設的な向き合い方5選を解説します。
古事記・日本神話は「完全フィクション」なのか?
まず事実から整理します。
- 古事記は8世紀初頭(712年)に編纂された、日本最古の歴史書兼神話集とされています。
- 内容は、天地創造から神々の物語、初期の天皇の系譜までを描いた「神話+王権の正当化ストーリー」です。
- 現代の歴史学では、当然ながら「そのまま史実」とは見なされていません。物語や象徴表現が多く含まれます。
つまり、友人が言うように「歴史的事実そのまま」ではないという点は、学問的にもほぼコンセンサスです。 ただし、だからといって「単なるフィクションエンタメww」で片付けるのは、だいぶ乱暴です。
神話には以下のような役割があります。
- 世界観や価値観を共有する「物語のフレーム」(社会のルールや善悪の基準を伝える)
- 共同体の一体感を作る装置(同じ神や物語を共有することで「仲間」感が生まれる)
- 当時の政治的メッセージ(支配者の正当性を神話で補強する)
これらは単なる娯楽とは違う、社会システムそのものに関わる機能です。 なので、冷静に言えば「神話=史実ではないが、ガチで社会的影響力のある物語」というのが実態に近いです。
友人の「壮大なフィクション」という表現は、半分は合ってるけど、半分は雑すぎという評価が妥当でしょう。
おみくじは「意味ねえ」のか? 科学&心理的に見ると…
次に、おみくじ問題です。 確かに、おみくじの結果は統計的にはランダムに近い「くじ引き」です。ガチの未来予測システムではありません。 ただし、ここでも「意味ねえw」で全部終わらせるのは、ちょっともったいないです。
- 行動変容のトリガー: 「大吉だから今年は攻めてみよう」「凶だから慎重に行こう」といった形で、人の行動に影響を与えます。
- 自己省察のきっかけ: 恋愛・仕事・健康などの項目を読んで、「自分の今どうなってる?」と振り返るきっかけになります。
- 文化体験としての意味: 神社に行ってくじを引くという行為自体が、日本の宗教文化・共同体の一体感を感じるイベントです。
心理学的には、こうしたものはプラセボ効果や自己成就予言とも絡みます。「良いことが書いてあるから前向きに頑張れる」なら、それはすでに「意味があった」と言えます。 科学的に「未来は当たらない」と言うのは正しいけれど、人間の心に及ぼす影響まで「無意味」と切り捨てるのは、科学的でもありません。
アドバイス5選
① まず「半分は正しい」と認めてから、残りの半分で差をつけるw
いきなり「神話は全部フィクションw」「おみくじ意味ねえw」と言われると、反射的にムカついて全面否定したくなりますが、そこは一呼吸置きましょう。
- 「歴史学的には史実とは見なされてないよね、それはそう」
- 「おみくじが未来を完全予測できるわけじゃないのも確か」
と事実ベースで一度「そうだね」と受けることで、相手は「分かってくれる人認定」しやすくなります。 その上で、
- 「でも社会学的には、神話って共同体作るための重要な仕組みなんだよ」
- 「おみくじも、心理的には行動を変えるトリガーになってるから“意味ゼロ”ではないよ」
と、残りの半分で静かにマウントを取りに行くのが賢いやり方です。
「全部間違ってる」と怒るより、「半分は合ってるけど、視点が浅いよね」と心の中でニヤッとする方が勝利度は高いです。
② 「神話=ただの作り話」論には、文化と政治の話をぶつける
「フィクション=価値なし」という前提に乗っかると、議論が雑になります。そこで、
- 「神話って、当時の支配者が自分たちを“神の子孫”にするための政治ツールでもあったんだよ」
- 「物語自体が、社会のルールを教える教科書みたいな役割もしてた」
と、古事記を“政治コンテンツ”や“教育コンテンツ”として説明するのが有効です。 「ただの作り話w」と言っている人に、「その作り話で人類の制度や価値観が組み上がってきたんだけどね」と返せると、かなり辛辣です。
「エンタメにしか見えてないの、逆に“情報弱者”側だよ?」という本音は心の中に留めて、口には出さないくらいがちょうどいいですw
③ おみくじを「統計と心理」の視点で語れるようにしておく
友人が「おみくじ意味ねえ」と言ったとき、感情論で反論すると消耗します。そこで、少しだけ科学の視点を準備しておきましょう。
- 「当たり外れはランダムに近いけど、人は“当たった部分だけ強く記憶する”から、当たった気になるんだよ」
- 「“良いことが書いてあったから頑張れた”なら、それだけで心理的には意味あったって言えるんだよ」
と説明できると、「意味がない」の定義が雑すぎることをやんわり突けます。
「未来を物理的に予測しない=意味なし」という二択思考は、かなり幼いロジックです。そこを淡々と、しかし心の中では盛大にツッコむのが大人の対応ですw
④ 友人の「属性」じゃなく「思考スタイル」にだけツッコミを入れる
ASDの人は、言い方がストレートになりがちだったり、曖昧さがストレスになったりすることがあります。 そこで、
- 「白か黒かでしか物事を見ない“ゼロイチ思考”になってない?」
- 「一つの正しさを見つけた瞬間に、他を全部ゴミ扱いするクセがない?」
と、思考の癖そのものをテーマにした方が建設的です。
- 「史実かどうか」と「文化として意味があるか」は別の軸で考えよう
- 「エンタメかどうか」と「社会的な影響力があるか」も別の話だよ
と、軸を分けて整理してあげると、相手にとっても理解しやすいです。
⑤ 自分が勉強して「一段上」から眺められるようになる
古事記や日本神話、宗教社会学、心理学などを少しずつかじっていくと、
- 「ああ、この人は“神話=史実”か“完全フィクション”かの二択でしか考えてないんだな」
- 「おみくじの“文化的機能”とか“心理的効果”をまだ知らないだけなんだな」
とメタ視点で見られるようになります。 そうなると、相手の発言は「極端な中二病コメント」くらいにしか見えなくなり、心がだいぶ楽になりますw
「友人を論破する」の最強ルートは、相手を変えることではなく、自分が“ちょっと詳しい大人”になってしまうことです。
質疑応答コーナー
セイジ
「友人をガチで論破したいっすけど、どこから攻めるのが一番効率いいっすか??」
プロ先生
「いきなり全部否定から入ると、ただのケンカになりやすいです。まずは事実ベースで共通認識を作るのが先っすね。 その上で、『でも神話には政治や文化の役割があって~』『おみくじは心理的には意味があって~』と別の軸の情報を足していくと、静かに“あ、この人ちょっと詳しい”って空気が出ます。論破というより、情報量で上から包むイメージっすよ。」
セイジ
「初詣とかおみくじ引くのって偽善なんすか??」
プロ先生
「全然そんなことないっすよ。現代では、『信仰として100%本気で信じている』人と『文化イベントとして参加してる』人が混在してます。 神様の存在をどう考えるかと、その文化をどう楽しむかは別問題っす。 むしろ、『自分は信仰としてはニュートラルだけど、文化として尊重して参加する』ってスタンスは、大人でバランス感覚ある態度だと思いますね。」
セイジ
「友人の言い方が毎回キツくて、ちょっとしんどいんすけど…距離取った方がいいっすよね??」
プロ先生
「しんどいと感じてるなら、少し距離を置くのは全然アリっす。相手に悪気がなくても、こちらが消耗してるなら、それは立派なストレスですからね。 それでも変わらないなら、議論の相手としては距離を置きつつ、雑談だけするとか、接し方を工夫しますね。」
まとめ
- 古事記や日本神話は「史実そのまま」ではないけれど、日本の価値観と歴史を形作った重要な物語です。
- おみくじは未来を当てる機械ではなく、人の行動や気持ちを動かす「心理&文化装置」としての意味があります。
- 極端な発言をする友人にイラつく前に、自分が知識とメタ視点を身につけて“一段上の大人ポジション”を取るのが、いちばん賢い対応です。

























