- 自己診断風の「ダサいですか?」投稿は、承認欲求と不安のミックスで生まれる行動です。
- それをスクショして晒し説教する人は、「正義感」と「マウント欲」のコンボになりやすいです。
- SNSでは、どちらの行動も人間関係を静かに壊すリスクが高いことが、心理学や調査でも示唆されています。
目次
はじめに
「9000人に奢った経験からいうと、『私のファッションセンスっておかしいですか?』と言いながらSNSに自撮りをアップするマンは、ファッションセンス以外の部分がおかしい。もっとおかしいのは、そのアップマンの画像をスクショ取って自分のSNSでフォロワーに向けて『こういうひとになったらダメだぞ』と説教するマン」──こんな話をする29歳インフルエンサー男性がいました。言い方は若干トゲトゲしいですが、行動科学やSNS研究の知見と照らし合わせても、「あ、これ結構当たってるな…」と思わされるポイントがいくつもあります。本記事では、このエピソードを入口に5つの事実を解説していきます。
事実5選
第1の事実:『ファッションおかしいですか?』マンは、実は「褒め待ち」になりがちw
一見すると、「自分のファッションに自信がないから、素直に意見を聞いている人」に見えます。
しかし心理学でいう自己呈示(セルフ・プレゼンテーション)の研究では、「自虐を装った褒め待ち」がよく観察されています。
- 「私のファッションセンスっておかしいですか?」
- 「今日のコーデ、正直ダサいですよねw」
こういう言い方をしつつ写真をアップする人の多くは、
本音では「いやいや、めっちゃオシャレだよ!」という反応を期待していることが多いです。
さらにSNSは「いいね」「コメント」という分かりやすい報酬があるため、
不安と承認欲求がセットになりやすい仕組みです。
その結果、
- 不安な自分を見せる
- みんなが慰めたり褒めてくれる
- 「やっぱり自分は大丈夫だ」と安心する
というサイクルが出来てしまいます。
これがクセになると、ファッションのセンスより先に、自己肯定感のバランスが崩れていく可能性があります。
インフルエンサー氏の言う「ファッションセンス以外の部分がおかしい」は、
かなり的を射た指摘だと言えるのです。
第2の事実:スクショ説教マンは「正義感」と「マウント欲」のハイブリッドw
さらに問題なのは、投稿者の写真をスクショして別のSNSに貼り付け、
「こういう人になったらダメだぞ」
とフォロワーに説教し始める人です。
ここには、心理学で言う道徳的優位感(モラル・スーペリオリティ)が強く働いていると考えられます。
- 「自分は分かっている側だ」
- 「あの人は浅い、ダサい、意識低い」
- 「それを指摘できる自分は、もっと高い場所にいる」
この感覚は、一種の快感を生みます。
しかも、フォロワーが「さすが先生!」「よくぞ言ってくれました!」と乗ってくると、
その快感はさらに強化されます。
結果として、
- 誰かを「教材」にして
- 自分の「意識の高さ」や「正しさ」を見せつける
という行動にハマっていきます。
これは、いじめやネットリンチの構造とも似ていて、
「本人の許可なくスクショを晒す行為」自体がモラル的にかなり危ういという事実を見落としがちです。
第3の事実:どちらも「コミュニケーション能力のズレ」がバレてしまう…!
インフルエンサー氏は「ファッションセンス以外の部分がおかしい」と言いましたが、具体的にはコミュニケーション能力のズレが露呈しやすい行動です。
自撮りアップ&「おかしいですか?」マンのズレ
- 「フォロワーとの距離感」が測れていない
- 「誰が見ているか」を想定できていない
- 自分の不安を、他人の時間と労力で埋めようとしている
スクショ説教マンのズレ
- 相手のプライバシーへの配慮が薄い
- 公共の場で他人を教材にすることの影響を理解していない
- 「注意」や「教育」を口実にしたマウントを正当化している
どちらも、オシャレかどうか以前に、
「人との距離の取り方」や「他者を尊重する感覚」がちょっと危うい人に見えてしまいます。
結果として、
- 「あ、この人とは距離を置いた方がいいかも…」
- 「実は付き合うと面倒なタイプかも…」
と周囲に思われやすく、
静かに人間関係のチャンスを失っていくリスクがあります。
第4の事実:SNSには「盛られた正義」と「盛られた不安」が集まりやすいw
SNSの特徴として、極端な感情表現の方が拡散されやすいという傾向があります。
- 「自分なんて全然ダメです…」と過度に落ち込む投稿
- 「こんなやつ終わってるだろ!」と強く断罪する投稿
こうした“盛られた不安”や“盛られた正義”は、
人々の目を引き、リアクションを集めやすいからです。
そのため、
- 「自分の不安を盛って構ってもらう人」
- 「他人の悪さを盛って断罪する人」
が、アルゴリズム的にも目立ちやすくなります。
でも現実世界で考えると、
- 会社で毎回「私ダメですよね?」と全体メールする人
- 同僚の失敗をスクショして、「こういう人になったらダメ」と全社Slackで説教する人
がいたら、確実に「距離置こう…」となりますよね。
SNSでも本質は同じで、見れば見るほど人間関係の評価はじわじわ下がる可能性が高いのです。
インフルエンサー氏が「おかしい」と表現したのは、この「盛られた不安」と「盛られた正義」が平然と流通している異常さを、
体感的に掴んでいるからだと考えられます。
第5の事実:本当にセンスのある人は「聞き方」と「距離感」がうまい
最後に、ポジティブな対比として覚えておきたいのが、
本当にファッションセンスや人間力の高い人の振る舞いです。
相談するときは、信頼している少人数に直接聞く
- 「おかしいですか?」ではなく、「こういう場ならどっちが合いますか?」のように具体的に聞く
- 自分が分からない部分を認めつつ、相手の時間を大事にする聞き方をする
また、他人の投稿を見て「うわ、これは…」と思っても、
- わざわざスクショして晒さない
- 本人と近い関係なら、個別にそっとアドバイスする
- 自分のフォロワーに向けて説教する場合でも、誰かを特定できる形では語らない
こうした「聞き方」「注意の仕方」「距離感の取り方」にこそ、
その人の本当のセンスが表れます。
つまり、見えている服のセンスよりも、見えにくいコミュニケーションのセンスの方が、長期的には人生を左右しやすいということです。
インフルエンサー氏のエピソードは、
その裏側の人間力の差を、かなり分かりやすく浮き彫りにしていると言えます。
質疑応答コーナー
セイジ
自撮りで「今日のコーデどうっすか??」って聞くの、全部ダメなんすか??
プロ先生
ポイントは「頻度」と「聞き方」です。一度きりで、具体的な場面(デート・面接・同窓会など)に合わせて意見を求めるのは、むしろ前向きな相談です。しかし、毎回のように不安を投げ続けると、「この人は自分で決める力が弱いのかな」と見られやすくなります。ときどき他人の意見を取り入れるぐらいのバランスが理想的です。
セイジ
スクショ説教マンって、そんなヤバいっすか?? ただの冗談でやってる人もいるんすよね??
プロ先生
冗談のつもりでも、「勝手に画像を使われた側」から見るとかなりキツい行為です。しかも、「こういう人になったらダメ」と書かれた時点で、公開処刑に近い状態になります。見ているフォロワーも、「説教している人の方が怖い」と感じることが多いです。結果として、短期的には笑いが取れても、長期的には信頼と人望を削る行動になりやすいのが現実です。
セイジ
オシャレになりたい人は、SNSでどう振る舞うのが賢いんすか??
プロ先生
おすすめは、①自分なりのテーマを決めて発信する、②信頼できる人にだけ相談する、③他人を落とさないの3つです。オシャレな友人や、スタイリストさんなど、リスペクトしている相手に直接聞くのがベストです。そして何より、他人のコーデをネタにして笑いを取るのではなく、自分の成長をネタにしていく人が、最終的には一番魅力的に見えます。
まとめ
- 「ファッションおかしいですか?」自撮りマンは、服よりも「承認欲求と不安の扱い方」が試されている行動です。
- スクショ説教マンは、「正義感」と「マウント欲」が暴走しやすく、長期的には信頼と人望を削るリスクが高いです。
- 本当にセンスがある人は、聞き方・注意の仕方・距離感がうまく、他人を踏み台にせずに自分をアップデートしていきます。





























