- 「境界知能」は医学・福祉の用語で差別前提のターゲティングは法的・倫理的にアウトのリスクが高いです。
- MBTIで“カモ判定”はできません。出版社自身が採用や選別目的の利用を禁止しています。
- 「スマホ割れ=カモ」も統計的に成り立ちません。画面損傷は多数派の凡ミスです。
はじめに
「No.1ホスト」が「境界知能の女をターゲットに~」「スマホ割れたままの女とMBTI語りたがる女がカモw」と発言したとされる件が話題です。結論から言えば、これはデータにも制度にも反する乱暴な一般化です。以下では、法律・統計・心理学の3本柱で反論5選を示します。感情で煽らず、事実で静かに刺すのが最強ですw
反論5選
目次
①「それ、法に触れるリスクありますよ?」論──その商法は危険!
「境界知能(BIF)」は、一般にIQ70~85程度の層を指す臨床用語で、病名ではなく支援対象の記述です。日本の法律は事業者による不当な取扱いを禁じ、2024年4月の改正で合理的配慮の提供が義務化されました。特定の状態にある人を狙い撃ちにするような発言・方針は、少なくとも法的・社会的リスクが高いです。
また、BIFは日常生活・就労に配慮が必要な層として医学・公衆衛生の文献に位置付けがあります。からかいの対象ではなく、支援の対象です。
- 法のポイント:事業者による不当な取扱いの禁止、合理的配慮の義務化(2024/4/1施行)。
- 臨床のポイント:「境界知能」は診断名ではなく、支援的配慮の文脈で扱われる用語です。
②「MBTIで“カモ選別”は不可能w」論──出版社が“選考・選別”使用NGを明言!
MBTI(16タイプ)は自己理解やチームビルディング用のツールであり、購買行動の予測・選別には使えません。出版元のThe Myers-Briggs Company自身が、採用・選別への利用を禁止し、職務遂行の予測力も想定外と明記しています。つまり「タイプを言わせれば弱点がわかる」式の営業は、公式に否定されています。
さらに、MBTIは「型」をラベル付けする性質上、受け手が「当てはまってる気がする」と感じやすいバーナム効果(Forer効果)に乗りやすい道具です。これを根拠に「カモ」扱いするのは、心理バイアスの誤用に過ぎません。
- 公式見解:MBTIは採用・選別・能力予測目的での使用は適切でない。
- 心理学の注意点:一般的な記述を“自分に特有”と感じるバーナム効果に要注意。
③「スマホ割れ=カモ」は統計的に成り立たない!──“凡ミス”は超多数派w
画面割れスマホを「判断力の低さ」の証拠扱いするのは短絡です。実際には、直近データでスマホ損傷経験は31%/年規模とされ、さらに修理コストの高さから割れたまま使用する人も少なくありません。つまり「割れてる=弱い」は因果でなく、単に“よくある事故+費用の問題”で説明できます。
- 事実:過去1年でスマホ損傷を経験した人は約31%。
- 修理行動:割れても修理しない人が一定割合、主因は費用負担。
④「人は“状態”で落ちる」論──知能や学歴より“その瞬間のメンタル”が効く!
詐欺・押し売り・高額消費のリスクは、その瞬間の精神状態(不安・孤立・焦り)や状況要因の影響が大きいとする研究が増えています。電話詐欺やオンライン詐欺の研究でも、メンタル状態がコンプライアンス(応じてしまうこと)を左右するとの知見があります。「IQが低いから騙される」式の決めつけは科学的に粗いのです。
加えて、詐欺被害は幅広い層に起き、誰もが例外ではないことを示す調査もあります。“誰でも落ちる時は落ちる”という前提に立つ方が現実的です。
- 要点:被害は“資質”より状態依存。焦り・恐怖・孤立が危険因子。
- 現実:広範な人が詐欺に接触・被害。油断は禁物です。
⑤「ステレオタイプ営業=逆効果」論──押しつけは“リアクタンス”で売上ダウン!
「タイプ決め打ち」「君はこう!」と押しつける接客は、心理的リアクタンス(自由を奪われた反発感)を招き、説得・購買への反応を下げることがメタ分析でも示されています。逆に、尊重あるパーソナライズは信頼と収益を高めます。MBTIを“決め打ち口上”にするほど、売上はむしろ逃げるのです。
- 悪手:命令口調・断定は反発を招き、態度変容を阻害。
- 善手:配慮あるパーソナライズは信頼と収益を押し上げ。
質疑応答コーナー
セイジ
じゃあ、MBTIで口説きの型を当てれば売れるって話は都市伝説っすか??
プロ先生
はい、選別や予測への活用は出版元が明確に不可と言っています。押しつけはリアクタンスで逆効果です。自己理解の会話ネタとして楽しむ分には良くても、「カモ判定」に使うのは科学的にも倫理的にもアウトです。
セイジ
画面割れスマホ=お金ない=落としやすい、みたいな連想はやっぱ雑っすよね??
プロ先生
雑です。損傷経験は非常に一般的で、修理しない理由は費用・手間など多様です。「割れてるから判断力が低い」は成立しません。
セイジ
「境界知能」って言葉を軽く使うの、そもそもやばいんすか??
プロ先生
やばいです。BIFは支援・配慮の文脈で扱う臨床概念で、ネタにするのは社会的に許容されません。事業者は不当な差別的取扱いを禁じられ、合理的配慮が義務化されています。
まとめ
- 法的・社会的リスクが高く、BIFは配慮対象です。
- MBTIは選別・予測には使えず、「スマホ割れ=カモ」も統計的に破綻です。
- “押しつけ型”営業はリアクタンスで逆効果。尊重ある対話が最強です。











































