- 人は「自分が嫌われてる」と思い込みがちで、実際の評価はもっとマシという研究があるw
- 「許される/許されないコミュニケーション」は“好感度”より、文脈・ルール・合意で決まる
- 「8000人に奢った体験談」は統計的には偏りまくりで、一般論にはまったくならないw
目次
はじめに
29歳インフルエンサーの男性が「8000人に奢った経験からいうと、やたら嫌われてる人は、めちゃくちゃ好かれてないと絶対に許されないコミュニケーションを乱発しがち」と発言していましたが、よく考えると前提もロジックもかなり怪しいです。そこで今回は反論5選をまとめました。感覚論ではなく、できるだけ事実にもとづいて冷静にツッコんでいきますw
反論5選w
① 「自分は嫌われてる」と思い込みすぎ問題w――科学的にはむしろ逆だった
インフルエンサー男さんの前提は、「やたら嫌われてる人」が一定数いる、というイメージですよね。でも、まずここからかなり怪しいです。
社会心理学には「ライキングギャップ(liking gap)」という現象があります。これは「人は他人が自分をどれくらい好きかを、一貫して“低く見積もりすぎる”傾向がある」という、複数の研究で確認されたバイアスです。
- 初対面の会話後、人は「相手は自分のことをそんなに好きじゃなかっただろう」と思いがち
- しかし実際のデータでは、会話相手は本人が想像するよりもかなりポジティブに評価していた
という結果が、実験室内の会話から大学寮での長期的な関わりまで、いろいろな場面で確認されています。
つまり、「自分は嫌われてる」と感じている当人も、周囲から見ると「そこまで嫌われてない」というケースがかなり多い、ということです。
それなのに外側から「やたら嫌われてる人認定」してしまうのは、当人の自己評価+インフルエンサーの主観という二重の思い込みで人をラベリングしているだけかもしれませんw
② 「好かれてないと絶対に許されないコミュニケーション」なんて存在しないw――決めるのは“好感度”じゃなくルールと合意
次にツッコみたいのが、「めちゃくちゃ好かれてないと絶対に許されないコミュニケーション」という謎カテゴリーです。
たしかに、
・下ネタ
・容姿いじり
・タメ口&距離の詰め方
などは、親しさや信頼度がないと不快に感じられやすい領域です。ここまでは多くの人が共有している感覚でしょう。
ただし現実の職場や学校では、「許される/許されない」は“どれだけ好かれているか”ではなく、
- ハラスメント・暴言などのルール違反かどうか
- 相手が事前に合意しているノリかどうか
- 公的な場なのか、プライベートなのか
といった文脈とルールで判断されます。人気者であっても、セクハラ発言や差別的ジョークをすれば普通にアウトですし、実際に解雇や処分につながる例はいくらでもあります。
つまり本来は、
「好かれてればこの発言はセーフ、嫌われてるならアウト」
という話ではなく、
「そもそもその発言は、公的な場で誰に対してもアウトです」
という話であることも多いのです。
好感度でラインが変わるのではなく、「ラインを理解しているかどうか」の問題だと考える方が、事実に近いと言えます。
③ 「8000人に奢った」では人間関係の“法則”は証明できないw――サンプルが偏りすぎ
男さんは「8000人に奢った経験からいうと」と、いかにも“データ見てきました感”を出していますが、統計の観点から見るとこれはかなり怪しい根拠です。
研究の世界には「セレクションバイアス(選択バイアス)」という概念があります。これは、調査対象の選び方が偏っていると、そこから得られる結論も歪んでしまうという問題です。
今回のケースだと、
「奢ってもらえる場に来る人」だけがサンプル
その多くは、インフルエンサーを知っている、あるいは少なくとも拒否はしない層
さらに「印象に残った極端なケース」ほど記憶に残りやすい
という意味で、データとしては偏りまくりです。
日常的に「奢られる飲み会に参加する層」と、「そもそもそういう場に来ない人たち」とでは、コミュニケーションスタイルも価値観もかなり違うはずです。それなのに、前者だけの体験から
「やたら嫌われてる人はこういう傾向がある!」
と一般論っぽく語るのは、統計的にはかなり危うい飛躍と言わざるを得ませんw
④ 「嫌われてる人=ヤバいやつ」と決めつけるのは、まさに認知バイアスの罠
さらに問題なのが、「やたら嫌われてる人」というラベル自体です。
社会心理学には「根本的な属性錯誤(fundamental attribution error)」という有名なバイアスがあります。これは、
「他人の行動を説明するとき、状況より“性格”や“人柄”のせいにしすぎる傾向」
を指します。
たとえば、
- 忙しくて返信が遅れただけなのに「アイツは無礼な人間だ」と決めつける
- 慣れない環境で緊張しているだけなのに「空気読めない人」とレッテルを貼る
などが典型です。
インフルエンサー男さんの発言も、
「“許されないコミュニケーション”をした → 嫌われてる人間だからだ」
と性格ベースで決めつけている点で、このバイアスにかなり近いものがあります。
実際には、
- その場の空気がわかりにくかった
- 相手との関係性を誤解していた
- 文化や年齢差で「冗談」のラインがズレていた
など、状況側の要因も山ほどあります。
それを全部すっ飛ばして「やたら嫌われてる人」と人格の問題にしてしまうのは、まさに根本的な属性錯誤の教科書的パターンと言えますw
⑤ 実はこの発言自体が「好かれてないと許されないコミュニケーション」になってない?w
最後に、一番おもしろいポイントです。
このインフルエンサーの発言って、
「やたら嫌われてる人はこういうダメなコミュニケーションを乱発しがち」
と、かなり上から目線かつ攻撃的な一般化ですよね。
正直、これを職場の同僚が飲み会で言ったらどうでしょう?
「うちの部署って、嫌われてるやつほど、好かれてないと許されないコミュニケーションしまくるんすよね~w」
なんて言い出したら、むしろその発言者の方が
「いや、お前が一番空気読めてないだろ…」
と、周囲から引かれそうです。
つまり、
このツイート(発言)そのものが、「めちゃくちゃ好かれてないと絶対に許されないコミュニケーション」なのでは?
という、きれいなブーメランになっている可能性が高いわけですw
インフルエンサーとしてフォロワーからの好意や注目を背景に、かなり辛辣な一般化を言ってしまっているなら、まさに本人が語るところの
「めちゃくちゃ好かれてないと許されない」
タイプの発信をしていることになります。
質疑応答コーナー
セイジ
でも実際、ウザ絡みしてくる人っているじゃないっすか?? そういう人はやっぱ嫌われてるんじゃないっすか??
プロ先生
「その行動が不快に感じられている」のと、「その人が全方位から嫌われている」のは別問題なんですよ。
ある場面での振る舞いは改善した方がいいけれど、だからといって人格そのものを「嫌われ者」と決めつける必要はありません。行動は変えられますが、レッテルは人を追い詰めますからね。
セイジ
「好かれてないと許されないコミュニケーション」って、一応ちょっとは当たってる部分もあるんじゃないっすか??
プロ先生
「親しくない人に、いきなり踏み込んだ冗談やいじりをすると危険」という意味では、たしかに一理あります。ただそれは「好かれてさえいればOK」ではなくて、「相手との信頼関係や文脈をちゃんと確かめましょう」という話なんです。好感度に甘えて境界線を踏み越えると、どれだけ人気者でも普通に嫌われますよ。
セイジ
じゃあ僕らはどういうコミュニケーション意識すれば、嫌われにくくなるんすか??
プロ先生
ポイントは3つです。「これ言ったら相手はどう感じるかな?」と一呼吸おいて想像するクセをつけること。いじりより質問とリアクションを多めにして、相手に話してもらうこと。もし外したなと思ったら、素直に「今の言い方キツかったね、ごめん」と修正すること。こういう地味なスキルの積み重ねの方が、謎の「嫌われ者理論」よりよほど再現性がありますよw
まとめ:インフルエンサー理論より、静かな事実を信じよう
- 「自分は嫌われている」という感覚は、科学的にもけっこう外れがちである(ライキングギャップ)
- 許されるコミュニケーションを決めるのは“好感度”ではなく、ルール・文脈・合意である
- バイアスまみれの体験談より、他人の状況と気持ちを想像する力の方が、よっぽど人間関係の役に立つw
インフルエンサーの「嫌われ者」というラベルを簡単に信じる前に、データとバイアスを一度疑ってみるのが、大人の距離感かなと思います。





























