- 「8000人に奢った経験」より、何万人規模の研究のほうがキャリアの現実をよく説明しますw
- 「うっすらダルい」から炎上するのではなく、やった行為の中身とSNS・組織のルールが炎上を決めます。
- 「ダルい人探し」の発想は、科学的にもメンタル的にも有害で、むしろ職場や人間関係を壊します。
目次
はじめに
「8000人に奢った経験から言うと、うっすらダルいと思われてる人は、ちょっとした不祥事で消えるようになる」──こんな趣旨の発言、インパクトはありますが、そのまま信じるとだいぶ危険です。実際の研究や統計を見ると、「うっすら嫌われているかどうか」よりも、能力・行動・環境などの要素がキャリアや評判に強く影響していることが分かっています。この記事では、インフルエンサーの感覚論を、あえてデータと心理学からガッツリ検証しつつ反論を5つ紹介します。
反論1:「8000人の経験」より、10万サンプルの研究のほうが強いw
インフルエンサーは「8000人に奢った経験」と言いますが、これはあくまで「自分の周りに集まってきた人」の話です。ファン・同業者・知り合いなど、かなり偏ったサンプルですよね。
一方で、キャリア成功に関するメタ分析(複数研究をまとめた統計)では、
年収や昇進といった客観的なキャリア成功は、
- 学歴・職務経験などのヒューマン・キャピタル
- 上司や組織からの支援(スポンサーシップ)
- 性格特性(まじめさ・主体性など)
など、複数の要因で説明されると報告されています。
つまり、「なんとなく嫌われているかどうか」だけで人生の成否が決まる、というモデルはデータ的にかなり無理があります。
さらに、主体的に動く人(プロアクティブな性格)は、仕事の成果や昇進といったキャリア成功と安定した関連があることも示されています。
「ちょっと空気読めなくてダルい」と陰口を叩かれがちなタイプでも、成果を出し続ければ普通に出世するわけです。
- 個人の「8000人」より、研究界の「10万サンプル」のほうが信頼度は高い
- キャリアは「嫌われ度」1本勝負ではなく、能力・行動・環境の総合点
- 「ダルいから消えた」ではなく、「実力や環境のミスマッチ」で説明したほうが筋が通る
反論2:「うっすらダルい」は性格ではなく相性&コンテキスト問題
「こいつダルいな…」という感情は、絶対的な属性ではなく、かなり状況依存です。
たとえば、
- はっきり意見を言う人 ⇒ 日本の職場では「生意気」「ダルい」と言われがち
- でも、別の会社や海外では「主体的で助かる」と高評価
ということが普通に起こります。
キャリア研究では、「自分の性格と環境のマッチング」が主観的なキャリア満足に大きく関係していると指摘されています。
つまり、「どこのコミュニティにいるか」で評価はガラッと変わってしまうのです。
インフルエンサーの周りで「ダルい」と認定されて消えていった人も、
- たまたまその界隈と相性が悪かった
- 別の職場や業界にいれば、ふつうに生き延びていた
という可能性は十分あります。「ダルい=人生詰む」という単純図式は、環境の影響を無視しすぎです。
- 「うっすら嫌われ」は、人ではなく「環境とのズレ」を表していることも多い
- 場を変えたら評価が逆転するケースは、研究でも現実でも山ほどある
- 「こいつダルいから将来終わる」と決めつけるのは、予言というより単なる偏見
反論3:「ちょっとした不祥事」で炎上するのは、“嫌われ度”より中身とルール
確かに、SNSのスクショ1枚で仕事を失うケースは現実にあります。しかし、その多くは
- 差別的・暴力的な発言
- 機密情報の漏洩
- 会社のコンプラ違反を助長する投稿
など、「中身がアウト」だから問題になっているパターンです。
実際、従業員がSNS投稿で解雇された事例をまとめたレポートでは、
違法行為やヘイト発言など、就業規則や社会的ルールに明確に反する投稿が中心だと報告されています。
また、法律の観点からも、SNSでの行動が名誉毀損や差別にあたる場合、解雇・懲戒・訴訟など重い結果になる可能性があると指摘されています。
これは「うっすら嫌われていたから」ではなく、
- ルール違反+証拠がネットに残った
- 企業が法的リスクを避けるために動いた
という構図です。
- 炎上や解雇の理由は「ちょっと悪口言っただけ」ではなく、内容と法的リスク
- 嫌われ度より、コンプラとルールのほうがよっぽど結果を左右する
- 「ダルいやつはすぐ消されるw」と笑うより、「自分の投稿が法律的にOKか」を気にするほうが現実的
反論4:「不祥事がデカくなる」のは、SNS構造と影響力の問題
インフルエンサーは「うっすら嫌われている人ほど、ちょっとしたことで大ごとになる」と言いますが、
実際には、
- 情報を拡散するインフルエンサーの存在
- 炎上を面白がる観客
- ブランド・組織のリスク管理
といった要素が絡んで、スキャンダルが大きくなります。
SNS上のスキャンダル研究では、影響力の大きいユーザーが情報拡散のハブとなることで、
組織や個人に関する不祥事が急速に拡大する過程が分析されています。
つまり、
- フォロワーが多い
- アンチも多い
- 炎上をネタにする界隈にいる
といった「構造上のポジション」のほうが、炎上の大きさに影響しやすいわけです。
- 炎上の規模は「嫌われ度」ではなく「どれだけ拡散される位置にいるか」で決まる
- 影響力がある人のほうが、ミスが「社会的ニュース」になりやすい
- 「ダルいから大ごとになる」のではなく、「目立つ位置+SNS構造」で大ごとになる
反論5:「ダルい人狩り」は職場の“いじめ”を強化し、全員の損失になる
一番やっかいなのは、この発言を真に受けて
- 「あいつ、なんかダルいし将来やらかすっしょw」
- 「ちょっとしたことで消えるタイプだから距離置こ」
と、日常的に誰かをマークし始めることです。これは、心理学や組織研究でいう職場での排斥・ハブり(オストラシズム)に近い状態になります。
職場のオストラシズムに関するメタ分析では、
無視されたり、仲間外れにされたりする行為が、
- メンタルヘルスの悪化
- 仕事のパフォーマンス低下
- 組織への信頼・コミットメント低下
といった悪影響と関連していることが示されています。
最近のレビューでも、こうした排斥が長期的に社員の健康と成果を損ねる「呪い」になりうると警告しています。
つまり、
- 「ダルい人を見つけるゲーム」は
- その人だけでなく、職場全体の生産性と雰囲気を壊す
という話です。インフルエンサーが想定していない「副作用」がかなり大きいんですね。
- 「あいつダルいから不幸になる」と決めつけること自体が、有害なオストラシズム
- 研究的には、こうした排斥はパフォーマンスもメンタルも下げる
- 誰が「消えるか」を占うより、「誰をどう支えるか」を考えるほうが長期的に得
質疑応答コーナー
セイジ
ぶっちゃけ、「嫌われてるとピンチのとき誰も助けてくれない」のは事実っすよね??
プロ先生
ゼロではないですが、「嫌われてる/好かれてる」の二択で考えないほうがいいです。日頃から約束を守る・情報を共有する・感謝を伝えるといった行動を積み重ねると、「この人なら助けよう」と思う人は増えます。逆に、表向き人気者でも、信用を何度も裏切ればピンチのときに誰も動かないこともありますよ。
セイジ
「ちょっと悪口言っただけでクビになった人がいる」って話を聞くと、やっぱビビるっすかね…?自分も軽いノリで友達の愚痴とか書いちゃってますね…
プロ先生
怖がるポイントを少し変えましょう。プライベートな愚痴も、安全とは言いませんが、「誰を傷つけうるか」「法律的に問題ないか」を意識して線を引くのが大事ですね。「嫌われてるかどうか」よりどこまでがルール違反かを知るほうが現実的な防御になります。
セイジ
じゃあ、「こいつなんかダルいな」って感じたときは、どう距離感取るのが大人なんすか??
プロ先生
まず、「自分がそう感じている」だけであって、「その人がダメな人」と決まったわけではない、と一度立ち止まるのが大人です。
研究的にも、排斥より境界線を引いたうえでの協力のほうが、チームにとってプラスになりやすいです。相性の悪さを「性格の欠陥」にしないのがコツですね。
まとめ
- 「うっすらダルい人ほど消える」説は、科学的にはかなり盛られたストーリーです。
- 炎上やキャリアの失敗は、嫌われ度よりも「行為の中身」「ルール」「環境要因」で説明したほうが筋が通ります。
- 誰かを「ダルい」と決めつけて排除するより、信頼を積み上げてリスク行動(特にSNS)を減らすほうが、長期的に自分の身を守ります。





























