- 論破しようとすると「相手」と「目的」がハッキリして、結果的に文章のターゲット設定が上手くなる!
- 論破のために情報を集め、並べ替える過程そのものが「文章構成」の練習になっている!
- 感情が動く議論ほど記憶に残りやすく、「自分の言葉」で書けるようになる!
目次
はじめに
29歳インフルエンサーの男性が「文章を書くのがニガテな人は、まず一度誰かを論破してみろ」と語り、「論破した数だけ頭を使うし情報も集める」「書けない人は誰に向かって書いているのか分かっていないだけ」と指摘していました。極論に見えて、実はここには、コミュニケーションや認知心理の観点からもかなり筋の通ったポイントが含まれます。ここでは、彼の発言をきっかけに、「論破」と「文章力」の意外な関係を5つに整理して解説します。
事実5選
①「誰を論破したいか?」を考える=文章のターゲット設定そのもの!
論破って、「目の前の相手を言い負かしたい!」という、ものすごくハッキリしたターゲットがいますよね。
一方で、文章が書けない人の多くは、
- 誰に向けて書いているのか
- その人に何を感じてほしいのか
を自分で把握できていないことが多いです。
マーケティングやライティングの基本としても、「ペルソナ」「ターゲット読者」を具体的に思い浮かべると、言葉選びや内容がぐっと絞られます。
論破するときも同じで、「この相手の、どの勘違いを正したいのか?」を考えないと話が噛み合いません。
つまり、
- 論破 ⇒ 相手の立場・知識レベル・価値観を想像する
- 文章 ⇒ 読者の立場・知識レベル・価値観を想像する
という点で、かなり近い行為なんです。
「誰に向かって書いてるか分かってないだけ」というインフルエンサーの指摘は、この構造を直感的に突いていると言えます。
②論破のために「情報を集める」=リサーチ力がそのまま文章の土台になる!
論破したいとき、人はだいたいこんな行動を取ります。
- 自分の主張を裏付けるデータや事例を探す
- 相手の主張の弱点や矛盾点を探す
- 関連するニュースや専門家の意見を調べる
これ、完全に「リサーチ」です。
そして、読みごたえのある文章には、必ずこのリサーチの要素が入っています。
- なんとなくの感想だけで書かれた文章
- 根拠・具体例・データがない文章
は、どうしても薄くなりがちです。
一方、「論破してやる!」モードに入ると、自然と情報収集に本気を出しますw
その結果として、
- 「根拠を示す」クセがつく
- 「どのデータを、どの順番で出すと一番効くか」を考える
- 情報の真偽を疑う習慣がつく
というスキルが身につきます。
これは、ニュース記事でも、解説ブログでも、企画書でも、あらゆる文章に直結する力です。
③論破は「論理展開のトレーニング」⇒文章の構成力が鍛えられる!
論破でよくあるダメパターンがこちらです。
- 感情だけ爆発して中身がない
- 話が飛びまくって何が言いたいか分からない
- 例え話ばかりで結論がボヤける
これ、そのまま「読みにくい文章」の特徴でもあります…。
しかし、ちゃんと勝てる論破をしようとすると、自然とこういう順番で話を組み立てる必要が出てきます。
- 相手の主張を正しく要約する
- どこが問題なのかを指摘する
- それを裏付ける根拠・データを示す
- 代わりに自分はこう考える、と結論を示す
これはまさに、論理的な文章のテンプレ構造そのものです。
レポートでも、企画書でも、ブログでも、
- 問題提起
- 理由・根拠
- 具体例
- 結論・提案
という流れが分かりやすいとされています。
「論破しようとして何度も話を組み立て直す」経験は、この構成パターンを身体で覚える訓練になっているのです。
④感情が動くからこそ、「自分の言葉」が出てきやすくなる!
人間の記憶は、「感情が動いた出来事ほど残りやすい」と言われます。
論破って、まさに感情がめちゃめちゃ動く行為ですよね。
- 「その考え方はおかしくないか!?」
- 「それは違うだろ!」
- 「なんでそんなこと言うんだ!?」
こうしたモヤモヤや怒り、不安、疑問が、文章の原動力になります。
「心からそう思っていること」は、借り物ではない、自分の言葉として出てきやすいです。
逆に、文章が苦手な人ほど、
- 教科書的な正しさを求めすぎる
- 無難な言い回しで固めてしまう
- 本音を出すのが怖くて、内容が薄くなる
という状態になりがちです。
論破は、
- 「自分は本当は何にモヤっとしているのか」
- 「どこが一番許せないのか・違和感なのか」
を言語化する作業でもあります。
これは、そのまま「自分の視点」「自分のスタンス」をハッキリさせる作業であり、読み手に刺さる文章を書く上で非常に重要な要素です。
⑤アウトプットの回数が増えると、文章への苦手意識が下がる!
「論破」って、ある意味では
- 相手の意見を読解する(インプット)
- 自分の考えを言葉にして返す(アウトプット)
このセットを高速で何度も回す行為です。
心理学や学習研究の分野では情報を理解するだけより誰かに説明したり、議論したりする方が記憶に定着しやすく、理解が深まることが知られています。
つまり、論破を繰り返すと、
- 自分の中の知識が整理される
- 「こういう時はこの言い回し」というパターンが身につく
- 「とりあえず書いてみるか」が怖くなくなってくる
という状態になりやすいです。
文章が苦手な人の多くは、実は「能力がない」のではなく、単に「アウトプット経験が圧倒的に足りない」だけの場合も多いです。
論破は、SNSやチャットなど身近な場所でアウトプット回数を増やすきっかけになりやすく、その蓄積が文章のスピード・量・質にじわじわ効いてきます。
質疑応答コーナー
セイジ
論破って、結局ただの喧嘩っすよね?? そんなのやっても文章は上手くならない気がしますけど??
プロ先生
ただ感情的に相手を攻撃するだけだと、単なるケンカで終わりますね。でも、「どこがどう間違っているのか?」「なぜ自分はそう思わないのか?」を筋道立てて説明しようとした瞬間、それは立派な思考トレーニングになります。ポイントは「勝ち負け」だけにこだわるのではなく、「自分の考えをどれだけ分かりやすく伝えられたか」を意識することです。
セイジ
でも、ネットで論破とかしてると、人間関係壊れたり炎上したりしそうで怖いっすよね??
プロ先生
それはごもっともです。ですから、現実の人間関係を壊すような場でやる必要はありません。大事なのは、「相手の主張をできるだけ公平に理解する姿勢」と「人格攻撃ではなく、主張の中身にだけツッコミを入れる」というルールを守ることです。それを徹底すれば、人間関係を壊さずに思考と文章の練習ができます。
セイジ
論破で鍛えた文章力って、仕事とか日常でもほんとに使えるもんなのっすか??
プロ先生
かなり使えます。仕事で必要になる文章って、たとえば「上司の考え方のどこが危ないのかを説明する」「顧客の勘違いを丁寧に正す」「チームを説得する企画書を書く」など、実は全部「主張と根拠を分かりやすく伝える」ことなんです。筋の通った論破ができる人は、メール、チャット、プレゼン資料など、あらゆる場面で「分かりやすく説明できる人」になりやすいです。
まとめ
- 論破は「相手」と「目的」をハッキリさせるので、そのまま文章のターゲット設定の練習になる!
- 情報収集・論理構成・感情の言語化など、論破に必要なプロセスがすべて文章力アップに直結する!
- やり方さえ間違えなければ、「まず一度誰かを論破してみる」は、文章が苦手な人へのわりとガチな処方箋になりうる!




























