- ・生まれた家の経済力で、進学や将来の年収に差がつきやすいのは統計的な事実です。
- ・「実家が太い人憎むマン」は、相対的剥奪感とストレスで攻撃的になりやすいという心理学の知見とかなり重なります。
- ・SNSは嫉妬や比較を増幅し、「説教」として噴き出しやすいことも研究で示されています。
目次
はじめに
29歳インフルエンサーの男性が「9000人に奢った経験」から、「『実家が太い人憎むマン』は実家が細いし、じぶんへの攻撃に過剰反応しがち。実家が太い人は憎まれても気づかない」と語った、という話題がバズりました。煽っているようでいて、実はこれ、教育格差や心理学の研究と驚くほど整合している部分が多いです。本記事では、その発言を持ち上げすぎず、けれど「意外に的確」なポイントをデータと研究から5つに整理して解説します。
事実5選w
第1の事実:「親の年収が“進路と年収”をかなり左右している」
まず、一番ストレートな現実です。
日本の文科省や国勢調査のデータを見ると、「家計所得が高いほど、高校生の4年制大学進学率が一貫して高い」という傾向がはっきり出ています。
親の収入が高い家庭の子は、塾・予備校・私立校・海外留学など“教育投資”を受けやすく、その結果として学歴や就職先、将来の年収が高くなりやすい、という流れが統計的に確認されています。
つまり、インフルエンサーのいう「実家が太い人」は、
- 学歴
- 仕事の選択肢
- 人間関係(“太い実家”コミュニティ)
など、スタート地点からボーナスをもらっていることが多いのです。一方、「実家細いマン」は、同じ努力をしても結果が追いつきにくい構造に置かれがちです。
この「構造」を知らずに、表面だけを見て「実家が太い人、ズルい!憎い!w」と感じるのは、ある意味でごく自然な反応です。問題は、その感情をどう扱うか、です。
第2の事実:「『自分だけ損してる感』=相対的剥奪感は、攻撃性を高めやすい
心理学・社会学では、「相対的剥奪感」という概念があります。
ざっくりいうと、
「自分と似た立場の人と比べて、自分だけ正当な取り分を奪われている」
と感じたときに生じる怒りや不満のことです。
近年の日本の調査でも、「自分は他の人より損をしている」という感覚(個人的相対的剥奪感)が強い人ほど、社会問題を“自己責任”で片付けてしまう態度や、他者への批判的な態度と関連することが示されています。
ここで、さきほどのフレーズを当てはめてみると──
- 実家が細い
- 周りには実家が太い人もいて、目につく
- 自分だって頑張ってるのに報われにくい
この条件が揃うと、
「なんであいつだけ楽して得してんだよ」
という“燃料”がたまりやすくなります。その行き場を失ったエネルギーが、「実家が太い人憎むマン」という形で噴き出しても不思議ではありません。
ですから、インフルエンサーの指摘「実家が太いひと憎むマンは実家が細いし、じぶんへの攻撃に過剰反応しがち」は、相対的剥奪感の研究とかなり整合的だと言えます。
第3の事実:「実家が太い側は“自分が恵まれてる自覚”が薄く、憎まれても気づきにくいw
一方で、「実家が太い人は、実家が細い人から憎まれても気づかない」という部分も、現場感覚だけの話ではありません。
社会経済的地位(SES)が高い人ほど、自分の生活水準を“普通”だと感じやすく、「みんなだいたいこんなもんでしょ?」と無邪気に思い込みがちだ、という指摘は各国の研究で繰り返しされています。
- 子どもの頃から当たり前のように塾
- 大学進学は「行く前提」
- いざとなれば親が家賃や頭金を出してくれる
こうした環境にいると、それが「特権」だという実感を持ちにくくなります。結果、「実家が細い人」にとっては決定的な差であっても、本人は本気で気づいていなかったりします。
そのズレのまま、
「いや〜、奨学金も使わずに普通に私立行ったけど?」
「起業なんて、やる気あれば誰でもできるでしょw」
などと言ってしまうと、相手側の感情は一気に炎上します。
しかし“実家が太い側”は、「え、なんでそんなに怒ってるの?」と本気でポカーン……。
この「憎む側は燃えているのに、憎まれる側は全然自覚がない」という非対称性が、インフルエンサーの一言でうまく切り取られていると言えます。
第4の事実:「SNSは嫉妬を加速させ、『説教』という形で噴き出させる」
「実家細いマンに限ってSNSで説教しないと予後が悪い」という部分も、結構リアルです。
SNSに関する研究では、
- 他人のキラキラ投稿を見て
- 自分と比較して
- 嫉妬や劣等感が高まる
というプロセスが、うつ状態やストレスと関連することが多数報告されています。
ただ、その嫉妬や劣等感を「自分が悪いんだ」と飲み込むのは、とてもつらい作業です。そこで人は、
- 「あいつは親ガチャだから」
- 「努力してないくせにドヤ顔すんなよ」
- 「社会構造わかってない意識高い系うざい」
と、相手や社会を激しく批判することで、自尊心を守ろうとします。そのアウトプットの一つの形が、タイムライン上でのロング説教ポストだったりします。
もちろん、構造的な格差を指摘すること自体は大事です。ただし、
- 常に誰かを名指しで叩く
- 反論されるとキレる
- 生活やメンタルがどんどん荒れていく
……という状態になると、「予後が悪い」というインフルエンサーの表現が現実味を帯びてきます。
第5の事実:「“説教ムーブ”は、自分を守るための防衛反応でもある
「なんでそんなに説教したがるの?」という疑問に対して、心理学的には“自尊心を守るための防衛”という見方ができます。
前述の相対的剥奪感の研究では、「自分は損している」と感じる人ほど、社会問題を“自己責任”で説明しようとする傾向が見られる、という報告があります。
これは一見、「しんどい側なら、むしろ自己責任論を嫌いそうなのに、なんで?」と思えますが、
- 「自分はつらいけど、それでも努力している」
- 「だから、同じくらい恵まれてない人にも努力してほしい」
という“道徳的な高さ”を自分に付け足すことで、
「自分はただの負け組じゃない」
と確認したい、という心理が働くと考えられます。
その結果として、
- 実家が太い人に対しては「甘えてるな」と説教
- 実家が細い仲間に対しても「諦めるな」と説教
……と、あらゆる方向に“こじらせた正義感”が発射されてしまうわけです。
ここまで来ると、社会構造の問題も、個人のメンタルの問題もごちゃ混ぜになってしまいます。「実家細いマンに限ってSNSで説教しないと予後が悪い」というフレーズは、その危うさを、割といい線で突いているとも言えるのです。
質疑応答コーナー
セイジ
「実家が細い側って、もう最初から詰んでるってことっすか??」
プロ先生
「“詰んでる”とまでは言いませんが、スタートラインが違うのは事実です。だからこそ、『自分だけのせいじゃない』と構造を理解しつつ、そのうえで使える制度(奨学金、給付金、安価な学びの場など)をフル活用する発想が大事になります。“全部自己責任”と思い込むと、メンタル的にもきつくなりますね。」
セイジ
「じゃあ、友人が実家が太い知り合いにモヤっとするのは、普通なんすか??」
プロ先生
「普通です。人はみんな、近い存在と自分を比べてしまいます。ただ、その感情を“事実を学ぶきっかけ”に変えられるかどうかで差が出ます。『なんで自分はこう感じるんだろう』『社会の仕組みはどうなってるんだろう』と、一歩引いて考えるクセをつけると、単なる憎しみに飲み込まれにくくなりますよ。」
セイジ
「SNSで説教したくなったときって、どうブレーキかければいいんすか??」
プロ先生
「まずは“いま自分は傷ついてるのかも”と気づくことです。ムカつきがMAXのときは、いったん書き込まずに、ノートやメモアプリに殴り書きしておく。少し落ち着いてから読み返すと、『これは投稿しなくてよかったな…』と思うことが多いはずです。信頼できる人や専門家に愚痴や不安を聞いてもらうのも、“説教ポスト”よりよほど予後がいい対処法ですね。」
まとめ
- 生まれ育ちの差は現実にあるけど、「全部自分のせい」「全部あいつのせい」と極端に振れるとメンタルが削られる!!
- 実家が太い側は自分の特権に鈍感になりがち=悪気なく地雷を踏みやすいw まずは“自覚”からスタート!!
- モヤモヤや嫉妬を「説教ポスト」にするか、「行動と学び」に変えるかで、5年後・10年後の予後がエグいほど変わる⇒うまく使えば人生の燃料になる!!



























