- 「情緒安定した女はコミュ障を避ける」かどうかを裏付ける科学的データはなく、むしろ単なる個人の体験談です。
- 「酒を飲め」は、特に女性にとってメンタル・身体両方のリスクが高く、専門機関は推奨していません。
- 人付き合いが苦手なら、飲み会よりも認知行動療法(CBT)などエビデンスのあるアプローチの方が有効です。
目次
はじめに
インフルエンサーの「8000人に奢った経験から~」という決めつけ発言、モヤっとしますよね。パッと聞くと「そんなもんかな?」と思わせつつ、よく考えると根拠もロジックもガタガタです。この記事では、心理学や医学の知見をベースに反論を5つ紹介します。感情的に叩くだけでなく、「どこがどう事実とズレているのか」を冷静に整理していきます。
反論5選
第1の反論:「本当に情緒安定してたら、人を“コミュ障”ってラベリングしないw」
まず大前提として、「情緒が安定している人」ってどんな人でしょうか。心理学では、情緒が安定している人は、他人に対しても比較的寛容で、ラベリングや決めつけが少ない傾向があるとされています。
逆に、他人を「コミュ障」「あのタイプはダメ」と乱暴に分類してしまうのは、不安や偏見を背景にした認知の歪みであることも多いです。
また、「社会不安」や「人付き合いの苦手さ」は、正式には社会不安症(社交不安障害)などのかたちで理解されていて、ただの性格問題ではなく、れっきとしたメンタルヘルスのテーマです。症状としては、人に評価される場面への強い不安と、それを避ける行動が特徴だとされています。
つまり、「コミュ障だから避けられて当然w」という話ではなく、困っている人にどう支援や配慮をするかが国際的には議論されているテーマです。
情緒が本当に安定している人ほど、「苦手な人は排除w」ではなく、「あの人、緊張してるのかもな」と理解しようとするはずです。
第2の反論:「8000人に奢った“飲みの場”は、そもそも偏ったサンプルですw」
「8000人に奢った」というと一見すごい経験値に聞こえますが、統計的に見るとツッコミどころ満載です。
- そこで会っているのは「飲み会に来られるタイプの人」だけです。
- 子育て中で夜出られない人、アルコールが苦手な人、お金や時間に制約がある人、発達特性や持病で人混みを避けている人などは、そもそもサンプルから消えています。
- つまり、「酒の席に来られる人」の中での経験談を、「女はこう」「コミュ障はこう」と一般化しているだけです。
心理学や社会科学では、特定の場所・コミュニティだけで集めたデータを、そのまま全体に当てはめると偏った結論になることがよく知られています。これはサンプルバイアス(標本の偏り)と呼ばれる典型的な問題です。
「飲みの席でよく会うタイプの女性がこうだった」までは個人の感想としてアリですが、そこから「情緒安定した女はコミュ障を避ける」と一般論に飛躍するのは、データとしてはアウト寄りです。
第3の反論:「『酒を飲め』は、医学的には普通にリスク高いです⇒特に女性
もっとも危ないのが、「情緒不安定なら酒飲め、人と会え」というメッセージです。
医療・公衆衛生の分野では、女性は男性よりアルコールの影響を受けやすいことが繰り返し指摘されています。
・同じ量を飲んでも、女性の方が肝臓や心臓、脳へのダメージが出やすい
・女性は男性より低いレベルの飲酒量でも、肝疾患や心血管疾患、脳萎縮などのリスクが高い
・最近は「少量の飲酒でもがんリスクが上がる」という指摘が強まっており、特に女性は乳がんなどとの関連が問題視されています。
さらに、アルコールは不安やうつ症状を一時的に和らげるように感じても、長期的にはメンタル不調を悪化させるリスクが高いとされています。女性のアルコール問題は、うつ病や不安障害、自殺リスクとも関連があると報告されています。
「情緒不安定だから酒を飲め」は、エビデンスベースどころか、むしろ逆走しているアドバイスです。「酒を飲めばメンタル安定」みたいなノリは、医学的にはおすすめできません。
第4の反論:「人と会う訓練なら、飲み会よりCBTや段階的な練習の方がエビデンスありw」
「人と会え」というメッセージ自体は、ちょっとだけ方向性が近いところもあります。
社会不安や対人恐怖に対して、「避けるほど不安が強化されるので、少しずつ慣れていく」という考え方は、心理療法の世界でよく使われるからです。
ただし、そのやり方は「飲み会で一気にぶっ込めw」ではありません。現在、社会不安の治療として認知行動療法(CBT)が国際的に標準治療とされています。
CBTでは例えばこんなステップを踏みます。
- 「人前で話すと笑われるに違いない」などの極端な考え方を言語化し、現実的な考え方に修正する
- いきなり大人数飲み会に突撃するのではなく、少人数での雑談→短時間の集まり→もう少し大きな場というように段階的に練習する
- できたこと・うまくいったポイントに注目して自己効力感を高める
このようなアプローチは、社会不安に対して効果的であることが多くの研究で示されています。
つまり、
「人と会え」→×根性論の飲み会
「少しずつ練習しよう」→○エビデンスのある方法
という構図です。
お酒を飲みながら無理して陽キャを演じるより、安全な環境で少しずつ慣れていく方が、長期的にはよほどメンタルに優しいと言えます。
第5の反論:「情緒不安定さは“環境と支援”の影響も大きく、『会ってないから』で片づけられない
「情緒不安定な女は情緒安定した人と会ってない」というフレーズは、あまりにも単純化されすぎています。
実際には、情緒の安定度には以下のような要因が絡みます。
- 子どもの頃の環境(虐待・ネグレクト・過度な期待など)
- 現在のストレス状況(仕事・家事・介護・経済的負担など)
- トラウマ経験や持病、ホルモンバランス
- 周囲からのサポートの有無
社会不安や情緒の不安定さは、「特定のタイプの人と会えば一発で治る」ようなものではなく、継続的な支援や環境調整が重要だとされています。
「情緒不安定=努力不足」「安定した人と会ってないからダメ」という語り方は、問題の背景をすべて個人のせいにする自己責任論になりがちです。
むしろ必要なのは、「しんどいなら専門家や相談窓口に頼っていい」「安全な関係性やコミュニティを増やそう」というメッセージの方です。
「寿司を食え」ぐらいならまだ笑い話ですが、「酒を飲め」「コミュ障を避けろ」になると、実際に困っている人を追い詰める方向に働きかねません。
質疑応答コーナー
セイジ
ぶっちゃけ、ちょっと飲んだ方が人と話しやすくなる感じはありますよね?? それってメンタル的にはアリなんすか??
プロ先生
「一時的に話しやすく感じる」のはよくあることですが、問題はそれに頼り続けるとどうなるかです。女性は特に少量でも健康リスクが高いとされていて、がんや肝臓病などの危険が指摘されていますし、メンタル面でも長期的には不安や抑うつが悪化する場合があります。
セイジ
じゃあ、人付き合い苦手な自分みたいなタイプは、やっぱ人と会いまくって慣れるしかないんすか?? 一人で飲み会行きまくる修行コースっすよね??
プロ先生
修行みたいにいきなりハードモードに飛び込む必要はないですし、むしろ逆効果になりやすいです。研究では、社会不安には認知行動療法(CBT)や段階的な曝露(エクスポージャー)が効果的だと示されています。
セイジ
情緒安定したいなら、結局なにをやるのがコスパいいんすか?? 寿司食って寝るだけじゃダメっすか??
プロ先生
寿司はおいしいですが、それだけで情緒が安定するなら世の中こんなに苦労してませんね(笑)。飲み会で無理に盛り上がるより、自分のペースで休息と人間関係を整える方が、長期的にはずっとメンタルを守りやすいですよ。
まとめ
- 「情緒安定女はコミュ障を避ける」は、エビデンスではなく偏った個人の体験談にすぎません。
- 「酒を飲め」は女性の健康・メンタルにはむしろリスクが高く、専門機関も推奨していません。
- 人付き合いが苦手なら、飲み会よりもCBTや段階的な練習など、科学的に裏付けられた方法を選ぶ方が安全で現実的です。





























