2023年5月11日、米政府の債務上限引き上げをめぐり、バイデン大統領と野党・共和党の協議が難航しており、米ドルの信認が揺らいでいることが報じられた。来月1日に政府の運営資金が底をつく可能性があるため、協議がまとまらなければ、米国史上初のデフォルト(債務不履行)が現実的なものとなる恐れがある。これにより、米国主導の「ドル一極体制」が揺らぐことになるだろう。
イエレン財務長官は、債務上限を引き上げられなければ、経済と金融の両面で「破滅的な結果」になると強い警告を発している。具体的な影響としては、政府職員の給与支払いや高齢者向けの健康保険、年金、退役軍人の恩給、州への補助金などの支給が滞る可能性がある。
他にも、国債の利回りが上昇し、それに連動してローン金利が高くなることが予想される。また、金融市場にも打撃が及び、急激な景気後退や社会的な不安の引き金となる可能性もある。
デフォルト回避のために、政府が額面1兆ドル(約134兆円)のプラチナ硬貨を発行して資金を調達する案も浮上しているが、その実現性は不透明である。
さらに、長期的な観点から米国の威信への打撃が懸念される。過去には、2011年のオバマ政権期にも債務上限引き上げの立法措置が難航し、デフォルトの危機に直面したことがあった。その際には、米国債の信用格付けが引き下げられ、米ドルの地位が低下した。このようなデフォルトのリスクは、米国の信用低下や他国のドル離れを招き、金融システムの弱体化につながる可能性がある。
現在の共和党内には、デフォルトのリスクを盾にして影響力を持とうとする保守強硬派も存在しており、バイデン大統領と与野党幹部の間での協議は難航している。
米国では、連邦政府が国債の発行などで借り入れる金額の上限が法律で定められている。現在は特別措置による資金繰りが行われているが、財務省は6月1日に資金が底をつくと予測している。新たな債務上限を設定して国債を発行できなければ、発行済み国債の利払いが不可能となり、デフォルトのリスクが高まると考えられている。
コメント欄の意見:
・債務上限問題は共和党とバイデン政権の争いであり、両党が妥協しない姿勢を見せている。議会は警告を無視し、世論や市場の逆風がない限り動かない可能性がある。デフォルトが回避されるとしても、金融市場に一時的な混乱が起こる可能性がある。
・過去には債務上限問題が何度も解決されてきたが、今回はデフォルトのリスクが僅かながら高まっている。デフォルトの場合、財務省は重要な支払いを優先するため、一部の共和党議員はデフォルト脅威を誇張しているとの見方もある。
・金の価格が上昇し続けており、アメリカのデフォルトが現実となればさらに上昇する可能性がある。金の需要が増えることは世界的に見ても好ましくないことであり、不安を感じている。
・中国はアメリカの債務上限協議を注視しており、デフォルトの可能性に期待しているかもしれない。共和党がデフォルトを回避するためにギリギリのところで妥協すると確信している。
・過去の債務上限問題ではギリギリで合意がまとまっている。デフォルトのリスクがあるにもかかわらず騒ぎ立てるのは止めるべきだ。
・バイデンの求心力の不足や政党間の駆け引きにより、無意味な時間と税金が浪費されている。デフォルトするはずがないのにも関わらず、協議が難航している現状。
・債務上限問題の解決ができずにデフォルトすると、大不況が発生する可能性がある。市場が揺らぐことは望ましくないが、協議が進まない理由に疑問を感じている。
米、初のデフォルト現実味 債務上限の協議難航 ドル信認低下も
https://news.yahoo.co.jp/articles/b51741224fdacad6ac4cf79cc4173ef7a30d6159


















