- 中国の景気回復が遅れ、利下げの効果に限界がある。
- 消費や生産の伸び悩み、雇用不安などが景気回復を阻んでいる。
- 不動産市場の冷え込みやデフレリスクも景気に影響を及ぼしており、世界経済に足かせとなる可能性がある。
中国の景気回復が遅れており、中国人民銀行が利下げに踏み切ったものの、消費や生産は伸び悩んでいます。景気の先行き不安が残る中、利下げ効果には限界があり、世界経済にとって足かせとなる可能性があります。
中国は昨年末に新型コロナウイルスの感染拡大を封じ込める「ゼロコロナ」政策を終了し、消費や生産の持ち直しと景気回復が期待されていました。しかし、消費マインドの改善は鈍く、小売売上高や鉱工業生産は伸び悩んでいます。長期にわたるゼロコロナ政策の副作用が企業業績や雇用環境に影響を与えており、失業率も上昇しています。
中国人民銀行の調査によると、雇用不安を抱える回答が全体の4割を超えており、消費回復が進みにくい状況が浮き彫りになっています。また、不動産市場の冷え込みも景気を押し下げており、不動産開発投資も減少しています。
中国経済における融資需要の弱さが問題とされ、需要の低迷でデフレに陥るリスクも出てきています。ゴールドマン・サックスは中国の経済成長率見通しを下方修正し、政府が財政出動を強化する可能性も指摘していますが、景気の足踏みが続けば、各国の景気にも下押し圧力がかかる恐れがあります。
