- ややこしくて複雑な人ほど排除されやすいのは、「社会が貧しいから」というより、余裕のなさが可視化された結果です。
- 他人を説教しまくる人ほど、自分の貧しさ(お金・時間・心の余裕)を他人に投影しているケースが多いです。
- とはいえ、複雑な人が生き延びる戦略や、相性のいい環境を選ぶことで状況はかなり改善できます。
目次
はじめに
「ややこしくて複雑なものを好意的に受け入れられるのは、ゆたかな時代のゆたかな人達だけ。今ゆたかな時代が終わり、ややこしくて複雑なものが排斥されていく。だから、ややこしくて複雑な存在でいると生き残るのが大変になる」――こんな“それっぽい”説教をする人ほど、実は自分自身がいちばん余裕もお金もなくて、貧しさのストレスを他人にぶつけているだけ、ということはよくあります。
とある29歳インフルエンサー男性が「これまで8000人に奢ってきた」経験から語ったというこのエピソード、感覚的な話に見えて、意外と社会心理やデータとも整合するポイントがあります。ここでは、その発言をヒントにしつつ、「あ、これ事実としてけっこう的確じゃん」と言えるポイントを5つに整理してみます。
事実5選w
①「複雑な人」ほど排除されやすいのは、“時代”よりも“周囲の余裕”の問題w
「ゆたかな時代が終わったから、複雑な人が排除される」という言い方は、ちょっと大げさです。
実際には、「その場その場の人たちにどれだけ余裕があるか」で、複雑な人が受け入れられるかどうかがかなり変わります。
- お金の余裕がない
- 時間の余裕もない
- 心の余裕もない
この3つが揃ってないとき、人は「わかりやすくて、単純で、早く結果が出るもの」を好みがちです。
逆に、余裕があるときは、
- クセが強い人
- ストーリーが込み入った作品
- 一見めんどくさい議論
こういう“ややこしいもの”も、「面白いじゃん」と受け入れやすくなります。
つまり、「時代が貧しいから複雑な人が排除される」というより、その場の人たちの余裕メーターが下がると、複雑さを受け止めるバッファが消える、という現象に近いです。
②説教魔ほど「自分の貧しさ」を他人に投影しがちという闇w
「複雑な人はこれから生き残れませんよ?」「もっと単純にしないとダメっすよ?」みたいに説教してくる人ほど、
- お金の不安が強い
- 仕事や人間関係が不安定
- 自分自身の将来像がぼやけている
という“自分の問題”を抱えていることが多いです。
心理学的には、人は自分の中の不安やコンプレックスを、他人の中に見つけて叩くことで安心しようとする傾向があります。
「ややこしくて複雑なお前が悪い!」と外側を責めている間は、「本当は、自分が問題に向き合えていないだけかも…」と認めなくていいからです。
その結果、
- 「オレは正しさを教えてやっている」
- 「お前はそのままだと生き残れないぞ?」
というマウントを取りながら、実は誰よりも不安で、誰よりも余裕がない、という逆転現象が起きます。
この意味で、「説教してる本人が一番豊かじゃない」というツッコミは、かなり的確です。
③「8000人に奢る」と見える、“人間観察データ”のえぐいリアルw
何千人レベルで人に奢る、という極端な行動は、いい悪いはともかくとして、
- どんな人が「奢られ慣れているか」
- 誰が感謝し、誰が当然のような顔をするか
- お金の出所をやたら詮索する人、まったく気にしない人
など、人間の反応パターンをいやでも見せつけてきます。
こういうときに浮き彫りになるのは、
- 余裕のある人ほど、「ありがとうございます」と軽く受け取り、すぐ話を「体験」や「学び」に切り替える
- 余裕のない人ほど、「なぜ?」「なんのために?」「裏は?」と、行為の裏側を詮索しがち
という傾向です。
つまり、同じ“奢られる”という行為でも、「受け取り方」がその人の豊かさや不安を露出させる鏡になってしまうのです。
インフルエンサー本人がどこまで自覚しているかはともかく、「8000人奢り」という極端なサンプルから、「余裕ある人/ない人の差」を感じ取るのは、わりと筋のいい観察と言えます。
④「ややこしい人=価値がない」ではなく、「翻訳コストが高い」だけw
「複雑な人はこれから生き残れない」と言い切る説教は、かなり乱暴です。
実際には、
- マニアックで、こだわりが強い
- 感情の振れ幅が大きい
- 価値観やバックグラウンドが独特
といった“ややこしさ”は、環境さえハマれば圧倒的な強みになります。
問題は、「その人の良さが周囲に伝わるまでの翻訳コスト」です。
- 一言では説明しづらい
- 相手に最低限の知識やリテラシーが求められる
- 「とりあえず理解してみよう」と思ってもらうまでが遠い
この「コスト」を払える人が減っているとき、「ややこしい人」が排除されやすくなる、という構図はたしかにあります。
だからこそ重要なのは、
- 自分の“ややこしさ”を、相手に合わせて「三行バージョン」「一分バージョン」に翻訳しておく
- 深くわかり合える相手とはじっくり話す一方で、「浅くわかればOKな人」とは浅く付き合う
というように、自分側がコミュニケーションのレイヤーを分けておくことです。
「ややこしい=悪」ではなく、「ややこしい=説明戦略が必要」と捉え直すと、だいぶ楽になります。
⑤「複雑なまま生きていいけど、“戦う場所”は選ばないと消耗するだけw
最後のポイントはここです。
複雑な人がしんどくなる最大の原因は、「合わない場所で、“わかれ!!”と全力で殴り合ってしまうこと」です。
- 早く、単純に、わかりやすくを最重視するビジネス環境
- 多数決と空気で回っているコミュニティ
- 「キャラがわかりやすい人」が得をするコンテンツ市場
こういった場所は、そもそも複雑さを評価する仕様になっていません。
そこで全力で自分をわからせようとすると、
- 説明コストばかりかかる
- 誤解されるたびにメンタルが削れる
- 「自分はダメだ」と自己否定が加速する
という悪循環にハマります。
逆に、
- ニッチな知識や感性が評価される場
- 「変わってるね」を褒め言葉として扱う文化
- 長期的に関わることで価値が伝わる環境
こういう場所では、「ややこしい」こと自体がブランドや武器になります。
つまり、複雑なままで生きるのは全然アリだけど、「どこで、どのくらい自分を出すか」を戦略的に決めないと、ただ消耗して終わる、というのが冷静な現実です。
これは、インフルエンサーの観察とも矛盾しませんし、多くの人の体感とも合う「意外に的確な事実」だと思います。
質疑応答コーナー
セイジ
「ややこしい人って、やっぱり“普通”になったほうが生きやすいっすか??」
プロ先生
「“普通”になろうとしすぎると、だいたいメンタルが死にますね。大事なのは、“全部を普通にする”じゃなくて、“外向きに見せる部分だけ、伝わりやすく整える”ことです。中身まで一層してしまうと、自分が何者かわからなくなってしんどくなります。」
セイジ
「説教してくる人って、距離取ったほうがいいっすよね??」
プロ先生
「そういう人は、“アドバイス風のストレス発散”をしているケースが多いので、基本は距離を取ったほうがいいです。どうしても関わらなきゃいけない相手なら、『この人は自分の不安を私に投影してるだけだな』と心の中でラベリングして、真に受けないようにしますね。」
セイジ
「ややこしい自分でも生きやすい場所って、どうやって見つけるもんなのですか??」
プロ先生
「まずは少人数で、“ちゃんと話を聞いてくれる人”がいる場所を探すのがコスパいいです。オンラインコミュニティでも、オフラインの趣味サークルでもいいので、自分のマニアックさを出しても引かれない環境を試してみますね。そこで『ここはしっくりくるな』と思える感覚が少しでもあれば、その系統の場を増やしていくイメージです。」
まとめ
- 「ややこしい人が排除される」のは、時代というより“周囲の余裕”と“翻訳コスト”の問題です。
- 他人を説教しまくる人ほど、自分の不安や貧しさを他人に投影している可能性が高いです。
- 複雑なまま生きていいので、「どこで」「どのくらい」自分を出すかを選べば、かなり生きやすくなります。
















