- ネガティブな話題が目立つのは人間の脳の性質(ネガティビティ・バイアス)で、「好み」とは別問題です。
- 実社会の日本は「長く居続ける人」を厚く評価するデータが豊富です。
- 「継続する凡人」戦略はSNS/YouTubeでも合理的で、公式ガイドも一貫性を推奨しています。
目次
はじめに
ある28歳インフルエンサーの「日本人は『消えた天才』が好き、ずっといる凡人の方が可愛い」という挑発的な発言が話題ですが、事実を積み上げると、この言い方はかなり乱暴です。人はネガティブ情報に強く反応する一方、社会と市場は「長く続ける力」をしっかり評価します。以下では、意外だけど的確、かつデータで裏づけられた反論を5つに整理します。事実でサクっと論破していきますね。
反論5選
① 「『好き』に見える」のは脳の錯覚。ネガティブは強く見えるだけ!
人間はポジティブよりネガティブに強く反応する――心理学で繰り返し確認されてきた「ネガティビティ・バイアス」です。悪いニュースや“失敗談”が目につきやすいのは、進化的に危険回避を優先して脳ができているから。つまり「よく目にする」=「好き」ではありません。発言者は“視認頻度”を“嗜好”と混同しています。この基本を外すと議論がズレます。
② 『消えた天才』の“人気”は演出込み。番組は加工問題で休止に!
タイトルそのもののTBS番組『消えた天才』は、映像を早回しするなどの不適切加工が発覚し、2019年に放送休止(事実上の打ち切り)となりました。つまり「消えた天才」ブーム像は、部分的にメディア演出が水増ししていた可能性が高いのです。現象の見え方を煽る構図自体が“作られた”面を持っていた点は重要です。
③ 日本社会は“居続ける人”をちゃんと推す文化と制度を持つ
雇用データをみると、日本は国際的に見ても勤続年数が長い国。2022年の基礎調査では平均勤続年数が12年超、勤続10年以上の比率は46.8%で各国上位です。長期雇用の重視は制度・慣行として定着しており、「長く居続ける」ことが社会的に評価される設計になっています。「ずっといる凡人」の支持基盤は統計的にも分厚いのです。
④ 卓越の多くは“地道の積み上げ”で生まれる――天才神話の誤解
専門的技能の獲得は、長期の意図的練習(deliberate practice)が主要因だとする古典的研究が多数あります。スイマーの民族誌研究でも、金メダル級の差は「劇的才能」ではなく「日々の凡庸な練習の徹底」に由来する、と結論づけられています。これらは「凡人の継続こそ成果に直結しやすい」ことの科学的裏づけです。
⑤ クリエイター経済でも“継続”が最適解。プラットフォームも推奨
SNS/YouTubeで伸びる鍵は「頻度」より「一貫性」。公式ヘルプでも、過度に無理なく継続可能なアップロード運用(スケジュール化や合間の発信)を勧めています。アルゴリズムや視聴者の期待は「約束どおり現れる人」に集まりやすい。つまり“ずっといる凡人”は戦略として強いのです。
質疑応答コーナー
セイジ
ネガティブな話題が伸びるの、やっぱ日本人だけなんすか??
プロ先生
違います。人類共通の傾向で、悪い情報は良い情報より強く処理されやすいんです(ネガティビティ・バイアス)。日本文化特有というより、生存戦略としての脳の仕様。だから「目立つ=好き」ではない、が正解です。
セイジ
長くいれば評価されるって、単なる同調圧力っすよね??
プロ先生
同調というより、技能蓄積と信頼への評価です。実際に日本は勤続10年以上の比率が世界トップ級。長期の関係・知識が価値を生む職場設計が多く、制度もそれを支えています。数字を見れば、社会が「継続」を重んじているのは明らかです。
セイジ
クリエイターは毎日投稿しないとダメっすか??
プロ先生
毎日より「一貫性」です。公式ヘルプも、無理なく続くアップロード計画と持続的な交流を推奨。短期に燃え尽きるより、確実に戻ってくる視聴者との“約束”を守るほうが伸びます。
まとめ
- 「目立つ」と「好き」は別物:ネガティブは強く見えるだけで嗜好ではない。
- 統計は「継続を評価」:日本は長期雇用が厚く、「居続ける人」を社会が推す。
- 勝つのは凡人の継続:技能研究もSNS運用も、一貫性が成果に直結する。











































