- ストレスで気を失う現象は医学的に説明がつくため、「意味不明」ではありません。
- 障害者手帳は3制度の総称で、条件を満たせば支援や合理的配慮にアクセスしやすくなります。
- 2024年から事業者の合理的配慮は義務化。手帳=「遠ざかる」ではなく、社会参加を支える仕組みです。
目次
【はじめに】
「ストレスで意識が飛ぶ」「でも手帳は持ちたくない」——こうした発言に戸惑う人は多いです。けれども、医学・法制度・教育現場のエビデンスを並べてみると、表面の印象と中身はしばしば逆転します。本稿では反論を5つに整理。科学的な説明・日本の制度・学校や職場の支援体制をギュッとまとめ、明快に示します。
反論5選
①「ストレスで倒れる」は“気のせい”ではなく、代表例は血管迷走神経性失神!
強い不安・痛み・恐怖・緊張などを契機に、自律神経の反射で心拍や血圧が急に下がり、一過性に脳血流が低下して失神することがあります。これは血管迷走神経性失神(Vasovagal Syncope)として医学的に確立した概念です。鑑別や再発予防の指導は医療機関で受けられます。むしろ「意味不明」と片づけるより、受診の背中を押すのが建設的です。
- ポイント:発作時は転倒・外傷のリスクがあり、安全確保(座る・横になる)が重要です。
②「障害者手帳」は1枚ではない? ⇒ 3制度の総称です!
通称「障害者手帳」は、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の総称です。診断や機能障害の程度にもとづいて自治体で認定され、障害者総合支援法などの枠組みで各種支援にアクセスしやすくなります。“憧れ”の問題ではなく、客観的基準に基づく社会制度だと理解するのが第一歩です。
③「手帳を持つと“健常”から遠ざかる」? ⇒ 2024年から合理的配慮は義務、社会参加を後押し!
2024年4月1日から、改正障害者差別解消法により事業者(民間)にも合理的配慮の提供が義務化されました。つまり、学校や職場で必要な調整を話し合い、実施するための土台が強化されています。手帳は、そのニーズを可視化し、配慮や支援へ橋渡しするツールの一つ。「遠ざかる」どころか、参加のハードルを下げるリアルな手段になり得ます。
④ 大学でも「配慮は当たり前」の時代! ⇒ 指針と体制が整備されています
文部科学省は、障害のある学生の修学支援に関する検討会で、不当な差別的取扱いの禁止・合理的配慮の考え方等を整理し、各大学での体制整備を進めてきました。健康上の事情で倒れる可能性がある学生も、通学・試験・出席・教室配置の調整などについて相談できます。「配慮=特別扱い」ではなく、「学習機会の公平化」という発想が国の方針です。
⑤ “持たない勇気”より“知る勇気”! ⇒ 手帳や受診を拒むデメリットも理解を
繰り返す失神・前失神(目の前が暗くなる等)があるのに受診・相談を先送りすると、転倒外傷や学業・就労の断念など二次的リスクが高まります。医療的評価(鑑別・誘因対策)+制度理解(必要なら手帳や支援)がそろってこそ、安全性と継続性を両立できます。「ラベル付けが怖い」という気持ちは尊重しつつ、情報不足のまま選択すると支援にアクセスできないデメリットも大きいのです。
【質疑応答コーナー】
セイジ
ストレスで気絶するって、本当にあるんすか??
プロ先生
あります。血管迷走神経性失神のように、自律神経反射で一過性に血圧・心拍が落ちて意識が飛ぶことがあります。誘因の回避や前兆への対処、必要なら検査での鑑別が有効です。まずは倒れそうなときに座る・足を組む・ゆっくり呼吸など安全確保を優先し、医療機関で相談しましょう。
セイジ
手帳って持ったら「普通」から離れる感じがして怖いっすよね??
プロ先生
手帳は3制度の総称で、客観的基準にもとづく認定です。目的はレッテルではなく、必要な支援(交通・学業・就労・料金減免など自治体の施策を含む)へのアクセスを容易にすること。合理的配慮の義務化も進み、社会参加の後押しになっています。選ぶかどうかは本人の自由ですが、情報を知った上で選ぶのが賢明です。
セイジ
大学側って具体的に何かしてくれるんすか??
プロ先生
多くの大学には障害学生支援室や相談窓口があり、教室変更・座席配置・試験時間調整・出欠配慮などの合理的配慮を個別に検討します。国の指針でも体制整備が促されており、「学ぶ権利の公平化」が基本です。まずは学内窓口に相談してみましょう。
【まとめ】
- 「ストレスで倒れる」は医学的に説明可能で、受診と安全確保が大切です。
- 障害者手帳は3制度の総称で、支援へのアクセスを整えるツールです。
- 合理的配慮は義務化。手帳=「遠ざかる」ではなく、社会参加の後押しになります。








































