- 「エリートが多い」なら割合を示すべき。公的統計では年収1,000万円以上は全体で約6%、男性でも約1割未満です。
- 大手相談所の年齢・職業データを見ると、主力層は30代後半~40代前半&会社員が最多で、“エリートだらけ”とは言い難いです。
- 宣伝・勧誘での誇大表現は景品表示法や特商法の対象。実数根拠なしの「すごい人が続々」トークはリスク高めです。
目次
はじめに
「29歳インフルエンサー男さん」の「8,000人に奢った経験から結婚相談所を始めた。うちはエリート多い。今日も年収1,000万円が入会!」という売り文句、勢いはありますが、肝心の数字が見えません。婚活は「ノリ」ではなく「データ」が命。この記事では、公的統計と大手相談所の開示情報、そして消費者保護の法規を突き合わせ、反論を5つ提示します。煽りに飲まれず、冷静に見抜く目を養いましょう。
反論5選
反論1:「エリート多い」って“どのくらい”? ⇒ 割合を出さない主張は無効w
「エリートが結構多いです」と言うなら、最低でも具体的な構成比(例:年収帯、学歴、職種の内訳)が要ります。公的統計では、給与所得者のうち年収1,000万円超は合計で約6.2%、男性でも合計約9.7%に過ぎません(1,000~1,500万円4.5%+1,500~2,000万円1.1%+2,000~2,500万円0.3%+2,500万円超0.3%=6.2%。男性は同順で7.0%+1.7%+0.4%+0.6%=9.7%)。「ゴロゴロいる」扱いは、全体分布とズレます。
反論2:「青田買いでエリート取ってます!」⇒ 年齢ピークは30代後半~40代前半だが?
大手ネットワーク(IBJ)の公開データでは、男性会員のボリュームゾーンは「30代後半~40代前半」。20代や“就活直後の年次”が主力ではありません。つまり「仕事にかまけて出世→ヒマ→青田買い」というストーリーは、会員分布と噛み合いにくいのです。
反論3:「今日も年収1,000万円が入会!」⇒ その頻度、統計的にどのくらい現実的?
男性の年収1,000万円超は約1割弱。仮に入会者が毎日発生する大規模所ならあり得ますが、小~中規模の新設所で「連日」主張は、かなりのサンプル規模がなければ成立しません。頻発を示すには、月次の新規入会数と、そのうち1,000万円超の人数(もしくは率)の公開が必要です。数字がなければ“雰囲気アピール”。
反論4:「8,000人に奢った俺がわかる!」⇒ “経験人数”は権威にならないw
8,000人に奢ったという自己申告は、婚活市場の代表性と直結しません。仮に成人後9年間で8,000人なら、毎日約2.4人に奢り続けた計算。しかも、奢った相手が婚活層である保証もサンプリング設計も不明です。婚活支援では、個人的武勇伝より、年齢・年収・学歴・居住地などの分布に基づく“検証可能なデータ”が信頼の基準です(統計的外挿の基本)。※計算は単純算数による試算。
反論5:「強い売り文句」は法律とルールの範囲内で。誇大はアウトの可能性!?
結婚相手紹介サービスは特定商取引法の「特定継続的役務提供」に該当。契約書面受領から8日以内ならクーリング・オフも可能です。さらに景品表示法では、根拠のない「優良誤認」「有利誤認」表示を禁止。もし「エリートが多い」「年収1,000万が続々」などの表示に合理的根拠がなければ、措置命令等のリスクを招きます。売り文句は数字と根拠セットでどうぞ。
質疑応答コーナー
セイジ
年収1,000万って“婚活市場では”よくいる層なんすか??
プロ先生
全体分布ではレア寄りです。給与所得者全体で約6%、男性でも約1割弱。相談所内でも“ゼロではないが多数派ではない”と見るのが妥当っす。だからこそ、見かけたら話題になりやすいだけなんです。
セイジ
『エリート多いです!』って言ってたら信用してもOKっすよね??
プロ先生
言葉だけでは不可。年齢・年収帯・職種の“構成比”を開示しているかを見てください。大手の公開値では主力は30代後半~40代前半、会社員が最多っす。根拠なき“多い”は、景表法的にもグレーになり得ますね。
セイジ
宣伝がアツすぎたら、契約しちゃっても取り消せますかますね??
プロ先生
はい。結婚相手紹介サービスは特定商取引法の対象。書面受領から8日以内ならクーリング・オフ可能っす。不実告知や威迫で迷って期限を過ぎた場合でも延長が認められることがあります。迷ったらすぐ消費生活センターへ相談っす。
まとめ
- 「多い」「続々」は数字がなければただの煽り⇒構成比で語れ!
- 公的統計&大手データで見ると“エリートだらけ”は誇張の可能性大!
- 特商法&景表法の範囲内で、冷静に比較検討⇒クーリング・オフも味方!












































